岩井の本棚、SAHRAの本棚

スタッフがマンガ界のニュースとおすすめマンガを紹介します!

お知らせ

毎日更新してきました「SAHRAの本棚」ですが、諸事情により更新をしばらく中断させていただきます。

再開は3月中旬を予定しております。

  1. 2017/02/25(土) 17:11:44|
  2. こねた




食いしん坊福田は、マンガの著者が食いしん坊か否か、そのマンガを読めばわかる気がする。
近頃はどの雑誌でも食べ物マンガが人気のようだが、必ずしも食に情熱をかたむける作家ばかりではないし、メインストーリーとはからまない食事描写にすこぶる食欲を刺激されてしまう「3月のライオン」のようなマンガも存在する。
問題となるのは、作者の食べ物に対する距離感であり、それの非常に近い人間、すなわち食いしん坊の描いたマンガこそが自分にとって至高の食べ物マンガなのである。(ちなみに、羽海野チカとよしながふみは何をテーマに描こうとも、食べ物マンガと呼んで差しつかえないと自分としては感じている。)

さて、今回紹介するのは、木村いこの「いこまん」、「たまごかけごはん」。


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「たまごかけごはん」の前半に載っているチビキャラのファンタジーもかわいらしくて好きなのだけど、後半と「いこまん」の日常マンガがいい。
本人である主人公がビジネスホテルに自主カンヅメになったり、イラストが上手く描けなくて悩んだりといった日々が綴られていて、別に全編これ食べ物、ではない。ないのだけれど、食に対するこだわりっぷり、すなわち食い意地に非常に共感を覚える。
コンビニからカップ麺を食べながら出てくる人を見かけて、ガマンできずにまねしてしまったり、


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回転寿司でまわっているネタを細かく吟味したり。


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ハレはいうまでもなく、ケの食事にも常に真剣、そんな姿勢が食いしん坊福田は大好きなのである。


(名古屋店/福田)
  1. 2017/02/05(日) 11:00:40|
  2. こねた

瞬時に生えるヒゲ、剃れるヒゲと、HbA1cの数値が悪い筆者のこれから

お久しぶりです、僕です、岩井です。・・・って、これは僕が「本の雑誌」で書いてたころの出だしのテンプレですな。
更新実に2年ぶり。2年間って長いですね。生まれたてのネコだって2年たてば体重が20倍にもなりますが、この2年で数値がよくなったのは尿酸値だけ、悪くなったのは血糖値にHbA1cに肝機能に・・・と、中年は2年でよくなることなどなにもない。中年の夏・真っ盛りな岩井です。

この更新は2年ぶりですが、僕が入社してからの15年くらいで、うちの会社もズンドコドッコと大きくなっており、この2年でいつのまにやら東証二部。
しかしまあ、世間の人が想像する東証2部のお堅いイメージと店員のイメージは大きく齟齬をきたし、高円寺の古着屋と大差ないフリーダムさです。接客業なのに。
スーツ着用者は社内に数人いる程度で、服装は自由、いつなんどきでも自由に上司の許可なくコスプレ出社していい。なにしろ頭髪規定もなく、タトゥーも顔ピアスもお咎めなし、それどころかだいたい社長がむかしモヒカンだったくらいです。
さすがに上半身裸にエプロンで勤務しようとした奴はとがめられましたが、それは規定云々というよりお客様のほうがビビるからだと思います。

なんで、ヒゲくらいは当たり前でだれもなんとも思いません。それくらいヒゲ率高いわが社ですが、廊下を歩いているうちの男性スタッフを見かけ、この人なんの部署かしらと思ったら、ヒゲを見てください。ヒゲが生えてるのは大半、ビンテージのスタッフかトイのスタッフです。ヒゲがなかったら少年(本)スタッフだ。何故かしら、僕が所属するコミック担当はというと、ヒゲ率が低いのが特徴です。

これはあれですかね、入社して毎日「少年スタッフ手伝って」とか「少年ちょっとこっちこい」と、少年少年呼ばれてると、中身はただのオッサンにも関わらず、少年であらねばならない、当然見かけもだ、ヒゲなんてありえないと刷り込まれたりするんですかね。お客様からしたら、どう見てもあらゆる数値が悪そうな中年まで「少年」と呼ばれてるのを見て、大いに首をかしげるところではないかと思いますが、ここはひとつショウネンということでよろしくおねがいします。

さて僕もヒゲははやしてない派ですが、しかしマンガ作中におけるヒゲにはうるさいのです。うっかり作者がヒゲキャラのヒゲを描き忘れられると、これが気になって仕方ないんですよ。

最初に気になったのはやはり僕ならではというか「美味しんぼ」ですね。

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これが荒川のダンナこと、写真家の荒川さん。

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彼が「狂った戦争」「ラーメン三銃士」で有名な美味しんぼ38巻にけっこう回数多く登場するんですが、花咲アキラ先生が何箇所も何箇所もヒゲを描きわすれているわけですよ。それが実に5箇所も!単行本1冊で! 

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ちょっと多すぎないですかね。

これが初めて読んでたときから気になって気になって、まず雑誌連載後、単行本で修正されたかどうかを確認したわけですよ。・・・されてませんね・・・。
ここでたいていの人は「単行本修正されなかったんだナ」と見過ごすところですが、なまじ古本体質だと「単行本でて誰かが指摘して、再版されたときに修正されてるかも知らんぞ」となどと懐疑的に考えたりするのが厄介なところです。
で、再版が出て、知恵袋にゆとり主婦みたいな書き込みがされてないかどうかチェックする50代のオバサンみたいな粘着質な目で、荒川さんのヒゲが書き加えられたかどうかをチェックすると・・・されてませんね。まあそうだよな、版の作り直しになるから、これくらいじゃ修正しないわな・・・。

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さてそれから7・8年経って、バブルだった美味しんぼ世界もすっかり沈静化したころに「美味しんぼ」文庫版が出たわけですよ。ここでまた古本体質がもたげてくるわけです。文庫時に修正かかってるんじゃないかと。

それでまたナチス狩りするイスラエル情報部みたいな目つきでもって荒川さんをみると・・・修正されてませんね・・・というわけで、この何年かのあいだ、花咲アキラに期待しつつ、アキラにだまされてきたというわけです。

こういうね、ヒゲとかの管理というか描き忘れって、外人キャラ率=ヒゲキャラ率が圧倒的に高いゴルゴ13なんかだと、逆に完璧なわけですよ。ゴルゴでひげかき忘れだろコレ、っておもったことないもん。これは関わるスタッフが多いのと、編集さんが優秀なんでしょうね。

ところが今週のヤングマガジンがすごかった。荒木光さんの「ぼくたちがやりました」。作中に主人公のホームレス化をたすける「ヤングさん」っていう中年が出てくるんですけれど、

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そのヒゲの描きわすれ、実に4箇所ですよ。それも美味しんぼみたいに「1冊で」何箇所じゃない、「1話で」4箇所です。

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いやあこれはさすがに多いでしょう。荒木先生のミスだろうけれども、気がつかない編集さんもマズいと思う。この回、主人公がカマ掘られそうになるっていう急展開かつ笑いの要素もある回だけれど、ヒゲが気になって印象薄くなっちゃいましたよ!

この荒木光さんは前作の「碇石くん」シリーズが僕すごく好きで。ゴリラーマンの10年代の高校生群像での再咀嚼というか、底辺高校生の青春が描かれてて、それでいてリアルな未来のなさも未来の大きさもあって。
荒削りだけれど印象に残る青春を描ける、ヤンマガ直系の作家さんだよなと思ってたんですよね。次作のコレもイラっとするキャラばかりが自陣営っていうなかなか絶妙な設定でかつ青春群像になってて読まされるんですけれど、さあはたして単行本の3巻か4巻で、このシーンは直されているのでしょうか。そこが古本体質だと気になってしょうがないのです。

というわけで、古本体質になりたいな、HbA1cもあんまり数値良くないし、体質的に古本いれてみてもいい頃合かもしれないな、と思った貴兄は、僕といっしょに単行本をネチっこい目つきでチェックしてみましょう!

え、しない、HbA1cも水準値、まあそれは健康でいいことですよね、健康が一番ですわね・・・



さて2年間のブランクの間、まんだらけにも大きな変化がありました。

その究め付けが今年できたSAHRAという倉庫。
関東某所に、これが一古本屋の倉庫か? と思うような要塞を思わせる倉庫が出来たのです。最初に見たときは「あれアン・チェインが自分の顔を囚人たちに描かせてもおかしくないカンジの施設だよな」と思ったくらいの代物ですが、でかいだけあり入ってる本の種類も半端ないです。

戦後から2015年11月発行のマンガまでが、この物量と種類の厚みで納まってるところってまあないんじゃないでしょうか。で、その収まってる本の大部分を通販で売ってます。この物量と種類を、です。

正直、できることなら、自分が読んだマンガ全てを紹介したい! 読んだ本に全部レビューをつけてみたいっていうのが、さっきも言った「古本体質」なんです。これはもう性分というか、そういうもんだとあきらめるほかありませんが、やっぱり物量的にムリなんです! なので、僕以外のスタッフにも助けてもらって、最近のマンガから戦後のマンガまで、どんどん紹介コラム書いていこうと思います。もう少ししたらガンガン更新してきますよ!

たとえばこれが本日紹介したマンガたち。
講談社 荒木光「僕たちがやりました」

記事書いてる間に「僕たちがやりました」2巻は売り切れちゃいましたね。でも、2巻は出て間もない新刊なんですよ! それくらいの新刊もすぐに入荷するのがうちの強みです。

講談社 荒木光「ヤンキー塾へ行く」
講談社 荒木光「塾生碇石くん」
こちらは荒木光さんが注目されるきっかけになった「ヤンキー塾へ行く」とその続編「塾生碇石くん」。荒木さんは絵が上手いなと思った2作目。

ついでに美味しんぼの38巻と、文庫版26巻もどうぞ。ラーメン三銃士出てくるこの38巻の特集は、次か、次の次かくらいの僕の記事でやる予定です!

というわけで、しばらくこのページを借りて、中年も含む「ショウネン」スタッフたちが、いろんなマンガをレビューしていきます。目標としては、12月からは毎日やりたいな・・・なんて思ってます。

2年ほったらかしてた間に今まで読んでくれていた方も減ってしまいましたが、これからもよろしくお付き合いのほどを。



(岩井) 
  1. 2015/11/19(木) 19:43:01|
  2. こねた

ワンワン、ギャー、またたび、テンフォー

マンガ、アニメ、特撮、そして本。どんな場合でもジャケットというのは大事です。いくら内容が良い本でもジャケットがイマイチで売れなくなるなんてことは当たり前です。いいや、内容がいいんだからこの本は売れる!という執筆者の熱い気持ちも、デザイナーの無理解には敵わない、と。

たとえばこの本、マンガじゃないんですが、部落解放社から出てるホルモンの本。で、食肉関係者が、一般には流通しない、牛のレアな部位を食べたことがあるとか、こんな動物食べたことがあるとか含め、油かすの話とかさいぼしの話とかの部落で食べられている食べ物のエピソードとか、BSE問題とか、10年くらい前の発行の本なんですが、わりに「この本でしか読めない」焼肉系の話、ホルモンとか部落食物の情報に満ちてる本なんですよ。(とはいっても「世界屠畜紀行」以後に出た本に比べると物足りなさはあります)

ただね、解放出版社という常日頃カタい本ばっか出してるところだからか、表紙が本当にセンスないというか、買う気にさせないというか、この表紙で2000円かと思うと悩むというか。勘亭流のフォントとか、中は割りと硬い文体だけに、無理にはしゃいでるカンジが・・・。あとグルメ本でもないのに、鍋奉行にひっかけて「ホルモン奉行」というタイトルも、うーんというか・・・。

それで2010年になって、新潮社から文庫化されたんですが、こちらは前作のはしゃぎを「きちんと文庫ぽい表紙に置き換えて」作り直してるわけです。中は部落に関わる話も多いので焼肉の写真とかはあえて使わず、でも奉行という単語をきちんと活かしたような絵にしてる。ああ、これがずっと文庫を作ってる出版社の仕事なんだなと感じますね。

で、ここからが問題なんですが、2003年の元版の解放出版社版はいまだに新本が売れ残り、2010年に発行されたこっちの文庫は新本は売り切ってるという点です。内容には大差ありません。もちろん文庫のほうが安いから売れたというのもあるし、新潮文庫だから売れたというのもある。でも、単行本のほうがデザインで損してたのは間違いないと思いますね。タイトルフォントの差だけでもけっこう違うよ。

さてそういったデザイナーの無理解、作画家の無理解というとこんなものもあります。

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「緊急指令10-4・10・10」。緊急指令テンフォーテンテンと読みます。それのEP。なにこれ、ぜんぜん見たことない。
ぼくも大学生の頃せどりやってて、そんときに10-4・10・10のレコードって手に入れたけど、それってジャケが実写版だったけれどな。こんなマンガタッチのレコードもあったんだ!

そう。オリジナルは実写ドラマですよ。それが何でマンガで描く必要があったんだろう? 車だとボンネットに人が座る、っていうのはサマになるけれど、マンガ絵だとなんかしまりませんなあ。

「緊急指令10-4・10・10」は、CB無線をモチーフにした特撮ドラマ。当時爆発的に普及したCB無線を事件解決の武器として使うのだとか。今でこそ無線は廃れた印象ですが、昔はハードな男の趣味でした。無線ショップってありましたからね。

余談ですが、無線マニア→パソコン→初期のパソコン通信・・・と流れていった中年男性は少なくありません。その瞬間瞬間の最先端情報収集ツールとしての始まりがアマチュア無線だったわけで、彼らは「上九一色村に警察突入の直前に「阿修羅」ってHNの奴がパソコン通信に情報をリークしたよな」とか、デジタルになる前の警察無線で得た極秘情報とかのエピソードをさらっと話したりと歴史の要所に関わってたりして、ぼくらオタク第2世代にとってはうらやましいですねえ。
さてドラマ本編はというと、未見なんです。ぼく新潟生まれだけれど放映してないと思うな。再放送とかでも見たことがない。たぶんゴツくてハードなメカがたくさん出てくる、がある、男子をうっとりさせる描写がたくさんあったんだろうなあと期待しつつ、開いて、そこには主題歌。1番。

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♪嵐の中で唯ひとり
♪風が吹き荒れ屋根が飛ぶ
ピンチに会ったぞ発信だ・・・以下略。2番。

♪吹雪の中で唯ひとり
♪風が吹き荒れ屋根が飛ぶ・・・

彼らにとってピンチとは屋根が飛ぶことだけなんでしょうか。実社会で屋根はそうそう飛ばないと思うけれどな。3番

♪枯木の中で唯ひとり
♪息が苦しい目がくらむ

そりゃ、枯木の中なんかにこもったら、息が苦しいに決まってますわ。

♪ピンチにあったぞ発信だ

無線機を持って枯木にこもる理由がわかりません。なんかおかしくない?3番。とおもって調べたら、枯木じゃなく「瓦礫」でした! 誤植かい!

で、封入されているマンガがまたおかしい!

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毛玉みたいなものが急遽自動車の前に飛び出してて

「なんだ犬犬か。」また誤植!

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どうも犬に人を襲わせてカネを奪う犯罪が相次いでいるみたいですね。そんなところに電話が!

「こちらまたたびライダー!」??またたび?ネコが好きな? それとも股旅? 
どうも無線におけるハンドルネームのようですが、一報を受けてるのはどう見ても電話です! 

「助けてくれ、わしは山村博士だ」。第一声が助けてくれ! すると犬が監視しててワンワン! 博士は「ギャー」。なんという伸びやかで緊迫感がない描写!

で「逆探知しろ」「わかりました!」「よし出動だ」。こんなにてきぱき物事が解決するかと思いきや

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「ヘイを乗り越えよう」「ヒラリ」で2コマ使う鷹揚さ。なんとなくのんきな描写ですね。

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犬を焼き殺し屋敷に突入、「またたびライダーだっ!」とハンドルネームをわめきながら悪人を殴りつけ、博士を解放。「ありがとうまたたびライダーの皆さん」。ハンドルネームで博士も応酬、でも博士、すでに犬に頭噛まれてますがな。

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そして最後になってやっと無線機が登場。肝心の事件は隊員の一方的な殴りで決着、逆探知など、事件はすべて電話で連絡。事件解決してから無線が登場・・・無線ドラマなのに最後の一コマまで無線が登場しないとかそれダメ! 

まあかつて取り上げた「物騒なムーミン」ほどじゃないけれど、やはりレコード内のマンガは魅力的だけれど、実写ドラマのマンガジャケはな~んか盛り上がらないですねえ。それが今になって醸されてるのも確かですが!



それにしても思い出されるのは、あの当時のレコード狩りの面白さですね。とあるところにかつてあった、倉庫みたいに大きな、でも厨房設備とかがメインの、国道沿いのリサイクルショップ。そこの中2階、照明が40Wの電球ひとっつしかない薄暗く誇りだらけの中2階に、店主が大量の本とレコードを溜め込んでいたんですね。

本はそんなでもありませんでしたが、レコードの数がそれこそ何千枚あったのかわからないほど。ほとんどがLPで、値段は全部100円。
当時の新潟はソ連と交易してたので、ソ連のクラシックレコードも大量にありました。僕はレコードに興味なかったのですが、友人と何日も通って、あれは楽しかったなあ。いまやその店もなく、ああいった「あやしげなリサイクルショップ」というのも日本からは絶滅寸前になってしまいました。
90年代初めから後期、ブックオフやチェーン店系古本屋がもっとも元気だった頃、郊外の国道沿い文化っていうのはそれはそれで地方にいる僕らにも楽しかった。
18切符で地方旅行にいって思うのは、地方郊外や国道沿いも今やどこにいってもおなじようになってきた。日本どこでも牛丼が280円でおんなじ味で食べれるのはそれはそれでいいことですが、その地方にしかない不思議でアクのつよい郷土料理も残ってて欲しいのとおなじです。便利ではあるけれどもなんとなく寂しいですね。



  1. 2013/06/07(金) 23:25:54|
  2. こねた

映画と立ちそば

今号のスピリッツ見ましたか? 高橋のぼる「土竜の唄」が映画化とのことですよ!

まあアクション要素も多くて美女を絡ませやすく、下ネタもオッケーということでVシネ向きの作品ではありますが、監督三池崇史で脚本が宮藤官九郎なんてコンビで来るとは思わなかった!

そんなわけで期待してページをめくったのですが、いつもの歌舞伎町のゴージャス&ロボットレストラン的なバカなきらびやかさを想像してたらぜんぜん違ってちょっと驚いたわけですよ。

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上海での騒動を終えて帰国した玲二がまっさきに向かったのはというと、なんと立ち食いそばだったんですな。和食が恋しくなるというのはもちろん分かりますが、立ち食いそばというのが泣けます。連載が8年くらいやってるのでみんな忘れてるけど、主人公の玲二ってまだハタチですからね。ハタチの男が恋しくなる和食ってのは立ちそばであり、吉牛であり、はなまるうどんだったりするのがリアルでしょう。いやあ、わかるなあ。

実際海外から帰ってきたら蕎麦だ、という人は多いようで、映画の字幕を訳すという仕事柄、海外出張が多い戸田奈津子なんかは帰国したらどこにもよらずに蕎麦屋に直行するとのこと。

そういえば芸能界きってのそば好きで知られる渡辺健は、けっこういろいろな蕎麦屋、それも地方の名店にも色紙を残しててそば好きが地方遠征すると咲に渡辺健の足跡がついてる、なんてこともあるそうですが、氏は美味しい蕎麦屋が見つからなければぜんぜん駅の立ち食いそばでも構わずに直行するとのこと。気取らない人柄が伝わると共に、しかし、となりであんな目立つ男性が蕎麦食べてたらドキドキしますわ。

ちなみにそば好きではなく「立ち食いそば好き」では稲川淳二が有名。地方営業が多いこともありますが、都内の主だった路線の駅蕎麦は制覇しているとのこと。もっともこの情報は2000年以前の話なので、今はどうかは定かではありませんが・・・。

実は僕もけっこうな立ち食いそばファンで、青春18切符をつかって鈍行でトロトロとひたすら遠くに行くという旅行をしていたときは、接続の関係で立ちそばしか垂れないことが多かったのですが、ぜんぜん苦になりませんでしたな。
名古屋に行ったときにはてんぷらをいちいち揚げるきしめん屋に遭遇したり、仙台では拳ほどあるカラアゲがはいったから揚げそばに出あったり、門司で名物かしわそばを食べたらごぼう天が前日のだったのか油臭くて閉口したり、姫路駅ではうどんつゆに中華そばが入ってる「えきそば」でビックリしたり・・・といまでもスラスラと出てくるほどに忘れられない出会いだらけ。下手(げて)な食べ物、って言い方(そしてある種の褒め方)は「B級グルメ」って単語が流行ってからあまり使われなくなりましたが、そう、立ちそばはB級ではなく「下手」としか言いようがない旨さがあるんですよ。

というわけで本誌にもどりますが、おや、中野ってありますね。中野で「おろししょうが」というと、わがブロードウェイからも程近い北口の「田舎そば かさい」でしょうなあ、元ネタは。

北口にはアーケードを入ったところに「梅もと」そして「富士そば」という座って食えてセットメニューもあって、という二大巨頭があるにも関わらず、客が4人立ってたら満員になる「かさい」も負けてはいません。どんな時間帯でも誰も立ってないということがない。ある意味駅そばよりもはるかに人気です。

この店は特徴があり、本誌でも述べられてるとおり、おろししょうがを入れるのがポイント。そばも細くなく、やや平べったく太く黒くボソボソしてます。汁も関東風に甘っからいのではなく、しょうゆっぽくやや薄め。が、このみっつが合わさるとなぜか美味いんですなあ。
なんでも信州のほうでこういう食べ方があるらしいんですが、立ち食いそばでは珍しいですね。

本誌を水曜日に読んで、なんだか無性にたまらなくなって今日の朝いってきたのがコレです。

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ぼくここでちくわ天は初めてだったんですが、以下、作中との違いをいくつか。

・かけの値段は270円
・ちくわ天は一本まるまるではなく、タテ半分に切ったもの(それでもデカイ)
・ちくわ天は「青のり入り」つまり磯辺あげではなく、ふつうの天ぷら

・・・くらいでしょうか。ちくわ天がモチモチしててやっぱりウマかったです!

それにしても以前は書いてなかったんですが「しょうがは小さじ2杯程度がおいしいです」なんて文言が貼ってあります。タダだとおもってバンバンいれる奴があとを立たなかったんですなあ。ショウガなんてバンバンいれても仕方がないとも思うんですがなあ。
「食いばな刑事タチバナ」のセルフうどんの時の話でもありましたけれど、けっきょくそういう一部の「タダ大好き」なヒトのせいで、タダという制度自体が廃止に至ることは少なくないと思うんですが。

ちなみにこの店はイカ天がめっちゃデカくて、丼から数センチもはみ出してるくらいです。まんだらけ中野店にきたら是非。ただ、日曜日は休みですので注意!

さて余談ですが、ここから数十メートル離れたところに「梅もと」もあり、広くてスピーディそして廉価なセットメニューで人気を博してるわけですが、4年くらい前に改装したんですな。通路に面したところに、おにぎりとお茶のテイクアウトのコーナー作ったですよ。まあとはいっても自家製ではなくフィルムに巻かれたおにぎりとペットボトルのお茶がいずれも100円、と、そば食う時間すらないヒト用のコーナーというか、そんなカウンターが出来たんです。

で、おばちゃんが1人そこに配置されたんですが、いままでソバ茹でてた人ですから、おばちゃんには通路をあるく人に声かけた経験なんてなかったわけで、どんなカンジでお客さんを勧誘すればいいのかが分からなかった。声はどんな風にかけたらいいのか、声の大きさは、手はどの位置にとかそういうアライメントですね。
実際、チラシを配る人は手に何か持ってるからいいけれど、そば屋のカウンター内からお客さんをどう勧誘するかというのは難しい。手に何も持たないとして、その手の位置はどう処置したらいいんだろう? テーブルの上に置いたまま声をかけてもおかしいし、後ろ手にするのも妙だ、とおばちゃんは自分なりに考えたんだと思うんですよ。考えて結果としてどうしたか?

まず手は頭の位置まであげ、手のひらは向こう側に向け、指は折り曲げ、指と指はくっつけず2センチほど空けて、手には何も持たない。つまり男の人が「おっぱいもむぞ」と意思表示したときの手のひらみたいな力のはいった感じで、微動だにしない。それで「おいしいおちゃとおにぎりいかがですかー」と声をかけ始めたんですよ。失敗、これでは怖いだけです!

ピンと来ない人がいたら先ほどの解説とおりにやってみるといいんですが、ものを何も持たずに腕を上げ、手のひらをこちらに向けて大声を出すというのはけっこうな妙さで、おばちゃん声をかけてるけれどもぜんぜんおにぎりが売れない日々がしばらく続いた、というのは記憶に残ってます。やっぱみんな怖かったんだと思うよ。20円の怪獣消しゴム、もしくは組み技系格闘技の相手と組む直前、みたいなポーズでしたからね。

で、一ヶ月くらいでしょうか。お茶を手に持ったほうがいい、とおばちゃんがやっと気がついた。逆に言えば、ひと月間くらい、毎日毎日雨が降っても風が吹いても地震が来てもオバちゃんは愚直なまでに怪獣消しゴムみたいなポーズを欠かさずやってて、中野区民は毎日のように「怖いポージングだなあ」と思いつつ通り過ぎてたわけで、これもなかなかにシュールな話です。

いまはそのカウンターにおばちゃんは立ってないのですが、まだお茶だけは売ってます。中野まんだらけに来るときにはチラと気にしてみてください!
  1. 2013/01/24(木) 23:29:51|
  2. こねた

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