岩井の本棚、SAHRAの本棚

スタッフがマンガ界のニュースとおすすめマンガを紹介します!

DON'T TRUST OVER 30




30歳。
それは迎えたくはなかった響き。
29歳で死ぬ!とかほざいていた10代の頃よ、さようなら。
私は生きていますよ。元気に…
そして30歳をむかえます…
さようなら20代。さようなら自分。
でもあの時の自分に言いたいのは歳を重ねてくのは全然楽しいぜ!って事ですかね。
そんなDON'T TRUST OVER 30のアッチ側へ!
というわけで自分の中になにかが足りないどの瞬間にも読みたくなるそんな漫画、TAGRO「DON'T TRUST OVER 30」をあらためて。


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ものがたりなのか私小説なのか曖昧なあやうさでいっぱいの短編集。


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「DON'T TRUST OVER 30」
TAGRO氏本人をモデルとして描いたという。青春をズルズルと引き摺って大人になれない33歳男。
売れる漫画が描けず、父親との確執をこじらせたまま自分のダメさを父親のせいにする。責任、生活、仕事、と葛藤、葛藤の毎日。
「冬の海まで車をとばして24時間砂を食べていたい 長い線路をひとり歩いて そっと枕木に腰をおろしたい」


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ムーンライダースが流れてくる。
大人、とはいったいなんなのか…


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この短編集で一番好きな作品は「昨日雨が降って、緑がきれいで、今日がお天気で、バカな君と一緒で」。


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たった18Pにして、何気ない日常はなんてバカでかわいいんだろうとしみじみとせつない短編作品。
天気のいい日に、なんにもやることがなくて、バカな話とかして、このまま死ねればな…と思うやつを漫画にしたらこうなる。
という幸せ漫画です。
この漫画の中に生まれたかったと何度も思ったことか…!


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すべての大人になれない大人たちへ!DON'T TRUST OVER 30
こちら


(中野店/田路)
  1. 2017/01/21(土) 11:00:12|
  2. 中野店田路

記憶なんて何の役にもたたないから




華倫変という漫画家がいた。

不安定な絵柄と現代の怠惰で退廃的、純粋に狂っていく日常を描き続けた作家である。
生前から鬼才と呼ばれていたが、28歳という若さで亡くなり、その存在は更にカルト的となっている。
単行本は7冊(うち2冊は復刻)しか存在しない。
私も多感な時期に華倫変作品に出会い、思想や嗜好にかなり影響を受けた作家です。
その中の1作品を今回は紹介しようと思う。


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「高速回線は光うさぎの夢を見るか?」

この単行本の中に収録されている作品。

『忘れる』

2001年にヤンマガ増刊赤BUTAで発表された作品。
これはたった6ページの漫画、漫画というよりは詩のようにも見える、どうしようもなく切ない作品である。


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何もする事がない主人公が毎日眠り続ける。眠れないときは酒を飲み、薬を飲み、眠る。
1日何十時間も眠り続ける。眠っていると脳細胞が死んで、色々な事をどんどん忘れていく。
勉強してきたこと、楽しかった時間、言えなかった言葉、好きな人の名前も…

それでも彼女は眠り続ける。

「忘れていく 全部 忘れていく 忘れないものなんてない」

全てを忘れていく彼女が、最後に残ったもの。


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これほどまでに、「せつなさ」という感情を「せつなく」描いた作品があるだろうか。
全てを忘れていっても「せつない」という感情だけが残るという、残酷さ。
この作品を読み終わったあとのどうしようもない「せつなさ」はこの漫画を忘れてしまったとしても残るんだろう。

作品集「高速回線は光うさぎの夢を見るか?」はまだ続きます。


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(中野店/田路)
  1. 2016/09/12(月) 11:00:42|
  2. 中野店田路

ストリップ劇場の現在…!?




ストリップってすごい見てみたいのですが、未だ見たことはありません…!
同じ女性ながら美しい女体を見たいという願望は常にありますね…!
べつに性的な目で見ているわけではないです、ただ美しいものを見ていたいのです!
近々行きます。ゼッタイに!

そんなわけで今回ご紹介するのは「描かないマンガ家」のえりちん氏最新作「池袋レインボー劇場」
母親の死とともに家出・上京した18歳のユキがストリップ劇場に弟子入り!?というこのご時勢に待ってましたのストーリー。


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ネタバレになってしまうので詳しくはアレですが、家出して遠距離の彼氏のところに向かうも撃沈、その後働き口と住むところを探すも撃沈するユキちゃん、、
たまたま街でぶつかった姉さんのお手伝いをするのを引き換えに、泊めてもらう事に…


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そして「ストリップ」という未知の世界に引き込まれていきます


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もともとバレエが好きで、実家が呉服屋でなど色んな要素が混ざり合って古きよきしきたりのある「ストリップ劇場」の下っ端として溶け込んでゆくユキちゃん。
そんなユキちゃんをちょっとご紹介。

まず目をひくのがこの梟コーデ!梟のロンTに梟のポシェット。こんなんどこで売ってるねん!
というダサかわいすぎるファッション。


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よく見ると表紙のブラウスも胸元に梟が。これは池袋だから…なのか…!?

そしてかなりのチャームポイントである直通眉毛!!こんなにかわいいのに、こんなに繋がっている!!
これは萌えますね。うわぁぁぁ剃ってあげたい剃ってあげたいこの手で!!


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さいごに、踊り子さんになるにはどうしたらいいのか?という問いかけに姐さんから…


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はぁ…この先のユキちゃんの成長、ほんとに楽しみであります。


(中野店/田路)
  1. 2016/07/30(土) 11:00:03|
  2. 中野店田路

家出の記録




家出の記憶、ってどんなですか?
子供のときの家出なんてのは可愛いもので、親に怒られて、「もう外にいなさい!!」と締め出され、そのまま家を飛び出したこと。
家に帰りたくなくて人んちを転々としてたこと。
公園で酒呑みながら野宿したこと。
最悪だったはずなのになんか思い出の中では美化されて、美しく覚えてるもんなんですよね。
家族のしんどさから解き放たれる。ここではないどこか。非日常の心地よさ。
日常にあらわれた「東京アサイラム」
東京のさ迷える「避難所」の漫画です。


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暑い夏の日。定年退職したおじさんが些細なことで奥さんとケンカし、家を飛び出した。


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公園で出会った怪しい男に「仕事をしないか」と誘われついていくと
そこは風呂なし・トイレ共同の三畳一間のボロアパートで煙草の紙巻きをする仕事が待っていたのだった。


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日給2千円。煙草を巻き、銭湯に行き、飯を食うだけ。


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同じアパートに住むワケアリの住人たちと奇妙な共同生活をして、今後の人生についてぼんやりと考えていく。


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世の中を壊滅させるためナマズの力で地震を起こさせようとする「ナマズ講」信者の若者。


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漫画を描いているがなかなか日の目が出ない男。
夫のDVから逃れてやってきた美人主婦。

捨て猫のランちゃん。


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今までの自分が嘘のようなおままごと生活に次第にのめりこんでゆく…


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人生遭難中の住人たちが体験する日常に突然あらわる非日常感もばつぐん。


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そんな彼らに訪れる、ラストの急展開やいかに!!?


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太田基之氏が描くワケアリな人間模様の凝った設定はコネタも満載。KKIで連載していた「高梨さん」へ続くストーリーも収録。
人生の寄り道してみませんか!


「東京アサイラム」はこちらから。

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(中野店/田路)
  1. 2016/06/24(金) 10:52:13|
  2. 中野店田路

みじめで愛おしい、失恋のかたち





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「あと少しでアンタのこと忘れるんだから」
「ごめんね、嫌いにならないで」
「人の気持ちは泣いてもわめいてもどーにもなんない」
「3人でいいからずっと一緒にいようよ」

柏木ハルコ「失恋日記」に収録されている作品はどれも極上で痛々しい。
元彼が忘れられず、忘れる薬を飲む。
結婚8年目に夫に好きな人ができた。
婚約者が死んで、その日記で本音を見てしまう。

その中でも「裸のえろ」ほど悲しい作品はないだろう。
ワケアリなホームレスの男の前に突如あらわれた「えろちゃん」。
家がないえろちゃんは男の部屋に住み着くことに。
天真爛漫なえろ、どこで覚えてきたのか自分の裸を見せて男を喜ばす。


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そんな生活が続き、生きる希望を失っていた男にも希望が出てくるが突如捕まり、離れ離れになってしまう。

別れのとき。


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行ってほしくなくて、裸になって、パンツを脱いで、引きとめようとするけれど無理なものは無理なのだ。
えろを置いていくしかない、暗闇の中で、裸を見せ続ける、小さくなっていくコマがなんて悲しくて、みじめなのだろうか。

「こんなにみじめで、こんな愛おしい動物はいないと思った」
この台詞が、えろのすべてです。

晴れた日に読んで欲しいです。
「失恋日記」
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その他柏木ハルコ作品はコチラ
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(中野店/田路)
  1. 2016/05/15(日) 10:44:22|
  2. 中野店田路

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