岩井の本棚、SAHRAの本棚

スタッフがマンガ界のニュースとおすすめマンガを紹介します!

「無音 バスもぐる」……ドラえもんのトラウマ回があってだな




「ジョーガンネ 玉落とし わずかなり 学刈」
ピンときた人いますでしょうか。
幼少の頃から何度も何度も繰り返し読んだドラえもん。今になって単行本をパラパラ眺めても、タイトルのみでどんな結末だったかなんとなく浮かびますし、ほぼ全ての絵・コマ・ストーリーに見覚えがあります。一番吸収率の高い時分にこれでもかと刷り込まれた漫画やアニメの記憶ってのは、個人的な知的財産なんじゃないかと思っております。
その中でただ一つ、ドラえもんの中で断トツに恐怖の記憶と共にインプットされている話があるんです。


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「大予言・地球の滅びる日」
妙に緊迫感のある見開きの扉絵と、暗雲垂れこめる空。冒頭でドラえもんがミーちゃんと出掛けていき、のび太が一人になるところから始まります。部屋で見つけたのは一冊の本。中にある文章は支離滅裂で意味不明。


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「ジョーガンネ 玉落とし わずかなり 学刈」
これを持ち出していつもの空き地で皆に訊いてみても分からずじまいで、またのび太は家に戻ってきます。


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 ドンヨリとした天気のせいで、昼間から電気を付けているママのなんの気ない台詞からも、どういうわけか不安を掻き立てられます。薄暗い部屋で本の文面を反復するのび太。まもなく大慌てでやって来たスネ夫曰く、その本はノスト
 ラダムスの大予言だという。恐怖の大魔王が降りてくるとかこないとかの例のノストラダムス、1999年7月を越えるまではあちこちで騒がれてましたね。この時ののび太たちも半袖、かつ謎の本の最終ページである7月19日はまもなく迎
 える日らしいので、話中の季節は初夏~夏頃だと思われます。時期的にも大予言の不穏な感じと重なります。さて、ひょっとしたらヤバい本かもしれないと察したのび太とスネ夫の二人。意味不明な文章の一つ一つを新聞の切り抜きと照らし合わせて読みとくと、この謎の本に書かれた
 ものはあらゆる事件事故と一致していきます。


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そして


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本の最終ページに記された文章から、この○が地球を指すのだと結論した二人は大パニック。迫り来るXデーに慌てふためき、二人してと
 んでもない事態だと触れ回ります。いつも冷めてクール目のスネ夫が、のび太と一緒に大騒ぎするというのも珍しいところ。まぁオチとしては結局いつも通りの日常エンドに戻るんですが、とにかくこ
 の話は怖かったわけです。いつものドラえもんのはずなのに、冒頭の悪天候の描写は大長編に見られるようなリアルさ。この状況設定と、全体に漂っている薄
 暗く不安な空気感。それがストーリーと相まって徐々に増幅されていくイメージがかなり恐怖心を煽ります。縋れるはずのドラえもんはいなくて、のび太達の会話を通して自分も「恐ろしいことに気づいてしまった」当事者になってしまうんです。コロコロ何月何
 号とかではなくて単行本のコミックで読んだ身としては、うすら寒い怖さがその前後の話にも尾を引いてしまって、前に入っている「のぞきふしあな」のギャグオチすらもくらーい気分で眺めていました。しまいには単行本の表紙の絵にすら不吉さを感じてしまって、この話が収録されている36巻自体が少しタブー化していた時期まであった始末。自分がこれを読んだのはおそらく6歳頃、一人で留守番をしていた薄曇りの
 日だったのを覚えています。のび太がストーリー中で本を見つけた状況にかなり似ており、家中の明かりをつけてもイヤな気分が拭えないままでした。この話を友人にすると、そいつも同じくこの回は怖かったといいます。ちょうど地元の湖でバス事故があった頃だったそうで、話中に登場する謎の文面の一つ「ター 扉をひらく 無音 バスもぐる」が強烈に印象に残っているとのこと。
 記憶にある「怖いドラえもん」はこれっきり。あとはまぁジャイアンの親戚の寺に泊まりにいく怪談回が、途中で時系列が飛ぶっていう表現に少し怯えたくらいです。基本的にドラえもんは楽しさとワクワクに埋め尽くされているはずなのに、どうにもこの大予言の話だけは未だに慣れません。
……どうでしょう、みなさんはそういう「ドラえもん」、ありますか…?

…………で、さてその謎の本は結局なんだったのか、最後どうなったかというと……
この記事の中に答えを隠しておきました。探してみてね(ヒントは改行!)。

ところでなぜ新年早々こんな話をしたのかというと…


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ドラえもんの第一話ってお正月なんですよね。のび太の部屋にやってきて、おもちのおいしさに感動して平らげて帰っていくという導入部。初登場のドラえもんはなんだか首が短くて(今もですけど)、突然現れて餅を食い漁ってのび太に不吉な話しかしないというワケわからん奴でした。
ドラえもんの大好物は言わずと知れたドラ焼きですが、のび太と共通する好物として、この時初めて食べた「お餅」があることはひょっとしてあんまり知られていないかもしれません(21世紀に餅は無くなってるのかな…)。実は二人が餅食べたさに未来の道具を出し、作れる数が奇数だったことで結局ケンカになるなんて話もあります。

っんだよ!また読みたくなっちまったじゃねーか!という方はコチラ。


ちなみに今回の「大予言・地球の滅びる日」が収録されている36巻には、かの有名な「きこりの泉」も入っていますよ。


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年末年始、実家に帰ってあらゆる漫画を読み返した人、いることでしょう。そんで面白くて持って帰ってきちゃった人もいるんじゃないでしょうか。さぁ今一度、寒い日に自宅でまったりこたつ+みかん+ドラえもんの最強コンボを味わってみてはいかが……。

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
amazonプライムのお急ぎ便でドラえもんの1巻を新刊で買う中野店・白石がお送りしました。

  1. 2017/01/10(火) 10:25:13|
  2. 中野店白石

死因:ポストの角にガンってやった




どうもこんにちは。寒くなると鼻の頭から冷えていく中野店白石です。
今日はこちらの漫画をご紹介。
吸血鬼すぐ死ぬ/盆ノ木至(秋田書店) 既刊4巻
まずは1巻表紙とともにキャラと内容を簡単に説明いたしましょう。


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ロナルド(赤い服のやつ):吸血鬼退治人(バンパイヤハンター)
ドラルク(それっぽいやつ):吸血鬼
ジョン(左下にいるやつ):ペットのアルマジロ
で、この吸血鬼・ドラルクが


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すぐ死ぬ。〔原因:ドアでバーンて挟んだ〕
で、砂になったあとすぐ再生するんだけど


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すぐ死ぬ。〔原因:小学生にスネを蹴られた〕
豆腐メンタルなので何かにビビったりしても死ぬ。寝転んでて顔にスマホ落としたりしても死ぬ。


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日常生活のあらゆる場面で死ぬので、途中からもはやネタとしては使われず背景の一部になっていく仕様。
と同時に死亡時の砂になる擬音「スナァァァ」と時折使われる再生時の「ァァァナス」が次第に癖になってきます。
この吸血鬼・ドラルクと彼を退治しに行ったハンター・ロナルドが、紛れ込んだクソガキに翻弄されたすえドラルクの居城がぶっ壊れるというオチの第一話から始まります。まあ構成自体は王道なギャグ漫画ですね。そして第二話で、家を失ったドラルクがロナルドの経営するハンター事務所にやってくることで舞台が整います。基本的に一話完結で、このコンビがあらゆる面倒事だの吸血鬼退治だのに巻き込まれるドタバタ劇が中心です。
ちなみに二人のいる事務所の所在地は新横浜だそう。
……ん?新横浜?
さらにロナルドは副業としてハンターの経験を生かした自伝小説『ロナルドウォー戦記』を出版しており(そこそこ売れてる)、巨大な斧を引きずって続編原稿の進捗を聞きに来る担当編集者・フクマさんの影に怯える日々を送っています。
……??
かつハンター業というのは人気商売のため、近所の人たちに媚びへつらったりどうしょもない依頼を断れなったりと、なかなか世知辛い環境をサバイブする生活なのです。
………???
えーと、ハンターVS吸血鬼というファンタジー設定で日常系…といえば丸く収まるんでしょうかこれは…。とにかく、非現実的なアレコレと日常あるあるが絶妙にミックスされているわけです。
作中での吸血鬼とは空想の産物ではなく、主に「血を吸う」「吸血による感染で仲間を増やす」「特殊能力を持つ」といった性質をもつ生物群を指し、ドラルクのような人間型から動物・植物型までさまざま。人の場合は退治・捕縛、動植物だったら駆除という感覚で社会に認知されています。吸血鬼よけスプレーみたいなのがあるので、下等な種族は害虫のニュアンスもある模様。
全編通してやたら生活感が滲んでいるのが特徴で、かつ本来カッコイイ肩書きのはずのキャラ「ハンター」と「吸血鬼」がどちらも非常にみみっちい。そして情けない。
たとえば、第一話の冒頭で“真祖にして無敵”と民衆が恐れていた吸血鬼・ドラルクは


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ただ単に押しの弱い引きこもりのゲーマー。作者の嗜好が反映しているのかどうなのか、のちにどんなクソゲーもクリアしてしまう伝説のクソゲープレーヤーというのが明かされます(どうでもいい)。なのでもちろんゲームハードが故障したりセーブデータが消えたりするとショックで砂になって死にます。で、一方のロナルドは


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なんともダサい。二人して主人公とは思えぬザコさです。普通なら嫌悪感が勝ってしまいそうなんですが、ツッコミ(主にロナルド)のセリフの根底にどことなくお人好しっぽい雰囲気があり、通読しても別に好感度は下がらないから不思議。
では一通り説明が終わったところで、すごく好きなシーンをいくつか。


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この「蓋について怒ってんだよ!!」っていうツッコミがツボ。
あと何気にドラルクがスプラトゥーンみたいなゲームやってる。
次、これは吸血鬼≒害虫化した生野菜に家を占拠される回(この説明が既に若干意味不明)。


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「ウワッ セロリの威嚇行動」。このコマは週一くらいで仕事中に頭をよぎります。つーかどんだけセロリ嫌いなんだよ。
それから


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「絶対殺すセット」というネーミングが好きすぎる。スプレー+物理攻撃の装備って確かにそうだよな。
あと


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代本板…代本板って………!!!!!20年ぶり位に存在を思い出したし小学校の図書室以外でこの単語初めて見た!!
こう、細かい言葉のセンスだったり差し挟まれた小ネタのクリーンヒットが多い気がします。
“吸血鬼”と称されるキャラクター達も独特で、「吸血鬼・Y談おじさん」「吸血鬼・野球拳大好き」「吸血鬼・マナー違反」だの、それただの奇人・変人・変態もしくは困ったさんの群れじゃねーかという始末。
その中で唯一まともなのが実は、ドラルクのペット・アルマジロのジョン。「ヌーヌー」としか喋らないものの、持ち前の優しい性格とザコ二人に向ける純真無垢な健気さでみんなに愛される、隠れたヒロインキャラです。どの話もハイテンションでボケとツッコミのペースが速いなか、たまーにジョン回が挟まれるとほっこりするのもまたいい塩梅。


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…しかしなぜアルマジロ?
読み進めるうちになんだかしっくりきちゃうので、改めて説明すると違和感が際立つ…。


*** ここから先は 腐女子 の提供でお送りします ので どうぞ 読み飛ばしてください***


そんで…読んでる途中でふと気付いてしまったんですが……うっっっっっすらBLくさいんですよ……。
まぁ基本イケメン?だし少年誌で女子ウケしそうな絵柄だよなってのはあるとして、しかしなんでだろと思って状況を概観してみたら

・男が男の家(仕事場)に転がり込む
・とてつもない生活感
・基本的に仲が悪い設定

これらはすべて我々の餌であり糧となります。そんなつもりはなくても気づいてしまったらターンエンドです。
あとそもそもギャグ漫画なので、ネタを作る以上当然っちゃ当然なんですが

・お互いのみっともない、もしくはカッコ悪いところを惜しげもなく晒す

多分これが「それっぽさ」の決定打に。この根本的な関係性の気兼ねなさってのは脳内で巡り巡って謎の信頼関係に近いニュアンスに変化し、傍から見ててあーいいコンビだなって思い始めたところに


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健気なジョンですよ。上のシーンは留守番中に家事をやろうとして失敗したジョンを、全力で二人がフォローするコマ。なんなの?ジョンは子供ポジションなの??(心の叫び)ペットの域をとうに越えたこの大事な同居人のためなら、ロナルド・ドラルク両方とも本気で怒ったり心配したり、敵に反撃したりするんです。この「何か別の要因で二人のベクトルが同じ方向を指す」というのもなんつーか、ツンデレのツン:9デレ:1のデレ部分に似たスペシャル感というかなんというか…何言ってんだろなさっきから……ダメだこれやめときゃよかった………。
もういいやこの際なんで「そう思っちゃった」場面の画像貼りますね。


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なんか…わかるかな…この…同棲感……うん…。
あとこれ。

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 長命な高等吸血鬼がみな料理上手である設定が割とまともに説明されているコマなのですが、大事なのはそこじゃねぇ、腐女子センサー(通称フジョセンサー)に引っかかるのは“いけすかない同居人に認めざるを得ない特技がある”という一点のみだ!!ええ、私にはそう見えました。
かといってじゃあ作中でこういう絡みが増えればいいかってーと全くそうではなく、あくまで「今のまま」の行間や余白がとても大事なんです。これはどんな作品にも言えることで、少年誌系に関してはあくまで少年漫画を貫き通していて欲しいのです。本来意にも介さないはずの部分に沸き立つところは腐女子の敬遠される理由の一つではありますが、もうこれは本能の一部というか女子ヲタ独自の感性に因るところです。男性向けにおけるきゃわゆいおにゃのこ達が直接的な“形而下の萌え”であれば女性向けにおけるこれらは餌と糧を元にした“形而上の萌え”ともいえます。どちらも非常に美味しいもので甲乙つけがたく、まあどっちも同じ穴の貉ですけど男女で若干頭の構造が違う場合があんだなーくらい
の認識で十分だと思います。
えー…で、話を戻すと、こうして我々がいくら賑わっていようと決して迎合しない、作品そのものの持つギャラリーへの無関心さが、コンテンツとして強固であり続ける魅力の一つになっているわけです。またこのあたりの感覚が、趣味嗜好を前面に打ち出した商業BLと二次創作ジャンルの違いなのかも知れません。
要するに「このままこっそりニヤけながら眺めていたい」んですね。という訳で“こっちサイド”から見て今のところ一番にニヤけるのは、各キャラの人格が入れ替わる第40話なんで百戦錬磨の貴腐人の皆様そこんとこよろしく。
しかしあれだ、こないだ発売した4巻にとらのあな描き下ろしSD缶バッジ付限定版と特典クリアファイルが出た事実を加味すると、すでに鼻の利く女子ヲタの皆様とそれを察した編集ないし専門店が動きつつあります。知名度がじわじわ上がってゆく今が、ファンとしては一番楽しい時期なのかも知れません……という考察で締めても許される気がしますのでそうします。
あ、ちなみにクリアファイルの絵柄良かったんで貼りますね(チョロい)。


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ドラルクと一緒に悪だくみをしているのはロナルドの同級生・半田。手つきが無駄に丁寧。こいつも大概狂ってます。あとすべてを知っているらしいジョンがやっぱりかわいい。

***

まぁ、単純にギャグ漫画としてあまりダレずにちゃんと続いているっていうのと、秋田書店が少しずつ推し始めている作品ってのだけは覚えていただけると嬉しいです。
あとホモくせえとか言いましたが登場する女子だって可愛いですよ。パイスラと絶対領域コンボの制服でお菓子に釣られて床下から出てくる警察官のヒナイチ(左)とか、「吸血鬼・野球拳大好き」の術中にありながら真っ先に下着を脱いだ勇ましきハンター・実家はマタギのマリアさん(右)とか。あと個人的にはハンターのギルド兼たまり場であるバーのマスターの娘さん(下)が好きです。もっと登場増えてほしいです。


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それから、第一話で話を引っ掻き回したクソガキ。

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どういうわけかレギュラー化し、2巻3巻4巻としばしば登場しては舐め腐った態度でフルバースト、気付いたら表紙の見返しにカラーで載り続けている事実なんかも実際のコミックで確認してほしいところ。クソムカつくけど多分コイツ、主人公二人の「天敵」にして狂言回しなんだろうな。


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最後に、既刊すべての表紙絵を貼って逃げます。


白石122 (28)白石122(29)

では今回はここら辺で。


通販リンクはこちらから


(中野店/白石)
  1. 2016/12/07(水) 11:11:34|
  2. 中野店白石

ブラックジャックアンソロの種村有菜がヤバい件




お久しぶりですこんにちは。自宅のベランダにカメムシが来る中野店白石です。
今日はこちらの本をご紹介。
手塚治虫ブラックジャック40周年アニバーサリー・ピノコトリビュート『アッチョンブリケ!』(秋田書店)


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読んで字のごとく、手塚の往年の名作ブラックジャックに登場するピノコに焦点を当てたトリビュートコミックです。
表紙がキュート&スゥイートな星野リリィであることからお察しの通り、執筆作家のほとんどが少女or女性漫画家で構成されています。
そうすると自ずと中身は似通ってきまして、あらゆる絵によるかわいいピノコ…と見せかけてあらゆる絵でリメイクされた作者のブラックジャック先生への恋心が好き勝手爆発するという現象が多発しています。要するに、ダークでクールなBJの元でおくたんポジションを保持するピノコが羨ましすぎた女性読者による「ちょっとお前そこ替われ」なトリビュート本です。まっったく同じことを常々思っている自分としては「せやろな」の一言です。
その中で、突出したクオリティで異彩を放つ作品がいくつか。紗久楽さわと種村有菜です。

まずは紗久楽さわ。


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とにかく画面の密度が高い。誰もがイケメンBJとピノコの絡みを描く中で、「ケン一探偵長」のケン一と「リボンの騎士」のサファイアというなんともツボをつく組み合わせで展開します。勿論そこにピノコも加わる訳ですが、そもそも画面からほとばしる手塚治虫愛がハンパない。


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漫画に出てくる人物が、モブまで含めすべて手塚キャラなんです。人間昆虫記の男(十村十枝子の正体を掴もうとして結局埋められたヤツ)なんて名前すら出てこないけど、それらが一目で分かる画力に敬服。細かい演出や擬音をちゃんと手塚風に描いているところも熱い。


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見よこのプール際のショタロリエリア!!ちっちゃい一コマの中にピノコとアトムとメルモと写楽とリッキーですよ?もしここにブッキラがいたら卒倒もんですよ(個人的に)!ピノコとケン一の行く先々にこれでもかってくらいあらゆる作品のキャラが詰め込まれてて、読んでるこっちがニヤニヤしてきます。
紗久楽さわはエンターブレインで『かぶき伊左』を描いている新しめの作家でして、この画面作りへのこだわりを見るに、そっちのオリジナル作品にも手を出してみたくなるワクワク感があります。

で、本命の種村有菜。

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まずは知らないやって人のために少々。
種村有菜は90年代後半から活躍している少女漫画家で、昭和と平成のあわいに生まれたりぼんっ子が骨の髄まで洗礼を受けて“有菜っち世代”と化したほどの作家です。「イオン」「神風怪盗ジャンヌ」から始まり「満月をさがして」「紳士同盟クロス」「桜姫華伝」で少しずつ下の世代へ、…でそういや音沙汰ないなーと思っていたらここ数年の「猫と私の金曜日」であっという間に前線へ返り咲きました。
パッと目を引く華やかさはデビュー時から変わらず、そればかりか「アイドリッシュセブン」のキャラデザで昨今の二次元アイドルウェーブもがっつりおいしく料理していただきまして、もうこの作家と絵柄は世代問わずお年頃の女子の脳にクラクラきちゃうんだなという普遍的な概念にまでなりつつあります。
トレードマークはなんといっても、他の追随を許さぬキラキラの瞳。作画時間の半分はこの目なんじゃないかって位手が込んでます。自由帳に真似して描いてた子いるでしょ?でしょ??
という作家によるピノコトリビュートです。そりゃもう予想通り&期待通りですよ!


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………と思った矢先の大事件。


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………?……????

これにはホント驚きました。
女子のキラキラを敷き詰めたようないつもの有菜っちがどこにもいない、いわば作家性をギリギリまで削ぎ落とした画面。そしてブラックジャックの絵柄・演出を細部までトレスした上でのオリジナルストーリーです。絵だけでも十分ビビったのに、この話がまたすごくいいんですよ。トリビュートの名にふさわしく、BJと結婚式を挙げたいというピノコの訳アリのお願いが主軸になります。


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この背景とモブの雰囲気がまんま手塚。ピノコの髪の線も然り。


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右のコマのレトロSFめいたトーンとかどっから持ってきたんだという。

テンポのいい構成とシリアス&ギャグの割合、フキダシの形に至るまでかなり研究・模倣されています。ファンの一人が描いた別の漫画というより、この本のために拾われてきた未収録作品と言えば10人中7~8人は信じてくれそうな完成度。個性の強い作家からの完璧な剛速球、全く予想だにしない方向から期待を裏切られて「え…種村有菜って何者なんだ…?」という今までの作家イメージに瓦解が起きたのは言うまでもありません。
先の紗久楽さわ同様、この2本に関しては単なるアンソロへの寄稿ではなく、プロの手によるリスペクト作品なのだと感じます。

そして最後、「ふたつのスピカ」でおなじみの柳沼行による作品。


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あらゆるBJ愛と萌えピノコが飛び交う中、ストーリーは道に迷ったピノコとおばあさんのやりとりだけ。全体的にうっすらと夕焼け感というか、なんだか寂しいなぁと思いながら読み進めると、最終ページで種明かしが。


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この本が刊行されたのが2013年。そうか、被災地にかのブラック・ジャックが来ていたのか、凄まじい数の人々を救っていたから話に出てこなかったんだ…という祈りのような筋書きが炙り出され、思わず涙が滲みます。素朴な雰囲気で放たれた芯のある結末に、軽くボディブローを食らった気分。

まーー基本的にはピノコかわいい狭間黒男マジかっこいいで構成されるお祭り本です。版権が関わってる以上、このコミック以外に再録されることは稀かと思われます。ちなみにコラボイラストの寄稿者に市川春子、高橋葉介、水沢悦子など、けっこうなメンバーが揃っているのも特徴。ブラックジャック生誕40周年記念としてまとめられた本ですが、半世紀近く経った今なお、あらゆる世代のあらゆる作家にここまで羨ましがられる「奥たん」も他にはいないでしょう。
では最後に


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山本ルンルン。絵柄との親和性が最強。話も最強。


そして

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安定の田中圭一。アッチョンチョンておまえ。


***

手塚治虫ブラックジャック40周年アニバーサリー・ピノコトリビュート『アッチョンブリケ!』はこちら。

アンソロに出没した良作といえば
萩尾望都、植芝理一 → 『ネオ寄生獣』
福満しげゆき、逢坂みえこ → 『短篇集ヒミツキチ』
吉田基巳 → 『蟲師 外譚集』
鉄巻とーます → 『人間以外じゃダメですか?人外っ娘あそーと』
***

担当:白石
  1. 2016/10/18(火) 11:00:28|
  2. 中野店白石

見守らずにはいられない、ヒゲミミシッポの思春期男子




お久しぶりですこんにちは。
数年前に実家を出て以来、猫成分の枯渇が深刻化する中野店白石です。常に3~4匹の猫に囲まれていた生活が長く続くと、夏場クーラーを入れるタイミングの指標として猫たちのだらけ具合を確認しようとしたり、冬場こたつに入るとき必ず中を確認したりという癖が抜けなくなります。そして威嚇の声とともに飛んでくる猫パンチがないことに空虚感を覚えるわけです。
今日はそんな心の死活問題に一石を投じるこちらをご紹介。

集英社/稲葉そーへー/しらたまくん(1巻~最新7巻)


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しらたまくんこと白玉雄介は、突然変異で人の言葉を話すようになった猫。人並み以上の知能もあり、世界で初めて人権を与えられた猫として一躍有名になります。飼っていた夫婦に養子として迎えられ、息子(猫)となり生活することに。
…という出来事を過去話にして始まるのがこの漫画。しらたまくんが高校生になり、一連のバックボーンを全く知らなかったヒロインの同級生・葵が「入学式に猫がいるーーーー!!!!」と驚くシーンが第一話です。


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この葵がとにかく最強の人で、割と控えめで大人しいしらたまくんにガンガン絡んでいきます。それに半ば強引に引きずり出されながらも、しらたまくんの周りに輪ができ、世にも不思議な高校生活が紡がれていくのです。基本的にはあっさりめのギャグなんですが、猫が人と同じように生活するにあたりどういう折り合いやフォローが必要なのかという描写が結構細かいです。たとえば


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こういうちょっとしたリアリティが世界観をファンタジーにさせず、その上で思春期男子あるあると猫あるあるが絶妙にミックスされています。


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お母さんの気合いの入ったお弁当を恥ずかしがったり(ちなみに中身はカリカリとささみ)


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家に友達を招いたときの母親のはしゃぎっぷりにガチギレしたり。
あとスケボーにハマったり、アルバイトをしたり、ヒロインのピンチを助けたあとにめちゃめちゃヘタれたり。なんかこう…「高校生だけど猫」じゃなくて「猫だけど高校生」なんですよ。
で、しらたまくんは自分が猫であることをひけらかしたり自慢するタイプではなく、むしろ抗えない習性を人前では見せたくないと考えるシャイボーイ。
特にのどを鳴らすことに関しては神経質で、どうも世間一般に浸透している「のどゴロゴロ=気持ちいい」と思われるのがいたく恥ずかしいもよう。このゴロゴロにまつわるエピソードや小ネタは随所に散りばめられています。
他にも
・毛づくろい


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・桜の花びらにじゃれたいのを我慢


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別にいんじゃね…?と言われる部分が本人の中では大問題というのは思春期の定石で、しらたまくんの場合はそれが自分の「猫っぽさ」なんです。


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このシーンかなり好き。
とはいえ猫は猫、運動会の胴上げはこうなる。


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合宿でお風呂に入ればこうなる。

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くしゃみはこうなる。


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(猫のくしゃみってほんとにこんな感じ)
作者が猫を飼ってるだけあって、このへんの描写力はさすが。か、かわいい……。
そして喋る猫をさらっと養子にした、ちょっと天然なしらたまくん一家がこちら。


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妹がいるんですよね。もちろん人間なのですが、言葉遣いや関係性は「ちょっと歳の近い兄妹」そのもの。こんな感じで、全編通してしらたまくんの日々を見守るまったり日常系……かと思いきや
・文化祭後のあるシーン


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・スキー場での一幕


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…?!
そう、実はこっそりラブコメ要素が出てきます。しかも「きゃーネコかわいー」ではなく、なんだか見てるこっちが妙にドキドキしてしまう雰囲気。なぜ人と猫の間でそれが成立してくるのかといえば、やっぱりしらたまくんがあくまで“男子高校生”だからでしょう。
葵をはじめしらたまくんのあらゆる仕草に内心メロメロな人は多いのですが、それを口に出して「かわいい」と言いまくるようなことはしません。ましてや不用意に撫でるなんてもってのほか。
作中ではそういう社会的な気遣いというか、露骨に表すと「猫なのか人なのか扱いにくい」リアルな戸惑いがほんの少し語られます。実際どう接して良いか分からない周りの空気が原因で、しらたまくんの中学時代はあまり楽しくなかったそう。その壁を空気の読まなさと好奇心でぶち抜き、あらゆる学校行事を猫ならではの方法で楽しもうと提案してくる葵は、ある意味正統なヒロインなんです。
よってこの『しらたまくん』は、猫成分を存分に提供する日常系ギャグ且つその本筋は「猫という個性を持ったごく普通の男の子の青春ラブコメ」漫画というわけです。
……稀有だぞ?
『よつばと!』のよつば、『甘々と稲妻』のつむぎちゃんに続いて、あ…見守らなければ…と思わせてしまう癖になるヤツ。本自体が薄めで刊行ペースが早いので、少し枯渇した頃にサッと新刊が出てくれることでしょう。
ああ…猫さわりたい…ちょっと実家帰ってくるわ………。


担当:白石


「しらたまくん」はこちらから。
https://order.mandarake.co.jp/order/listPage/serchKeyWord?categoryCode=11&keyword=%E3%81%97%E3%82%89%E3%81%9F%E3%81%BE%E3%81%8F%E3%82%93
  1. 2016/08/30(火) 11:00:41|
  2. 中野店白石

“ONE AND ONLY COMIC MAGAZINE”




Re:LO画集の2冊目が9月末に出ると聞いて狂喜乱舞の私がグッときたバックナンバーの画像を貼りまくるだけの記事

日本を代表するロリ漫画専門の成年雑誌COMIC LO(コミックエルオー)。
2002年の創刊時から話題になったのは内容もさることながらその表紙の美しさ。イラストレーター兼漫画家のたかみち氏による絵は、少女たちの日常のふとした情景をトリミングしたよう。特に雨、川、海、温泉といった水の表現に関してはハイセンスで、一見すると少ない情報量ながら他の追随を許さないクオリティを誇ります。そしてその絵に添えられたキャッチコピーもすばらしく、twitterにはこれだけをまとめたbotが存在するほど。今日はその絵とコピーの中から、独断と偏見により選び抜いたというか単純に大好きなやつを片っ端から貼っていこうと思います。
申し遅れました、中野店白石です。
今回はもう文章なんて全部読み飛ばしていいので画像だけ眺めて帰ってください。

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BEST.1(11年11月号)
「孤独をつぶやくな。沈黙を誇れ。」

問答無用のベストワン。コピーも絵も最高。



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BEST.2(12年01月号)
「さよならは、またあした。」
手前の白線と奥の店の明かり。二人の会話。海岸線沿いの国道なのだろう。



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BEST.3(No.22/06年01月号)
「僕は、ロリコンであってよかったと、時々思う。」
土間の階段。きっとドライフラワー。そしてタートルネック。とにかく上品。




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BEST.4(No.21/05年12月号)
「ほら。拍手が止んだ。」
雨を「拍手」と表現するセンスと、空気感の余白がすさまじい。



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(No.12/05年01月号)「脱 (衣) 子供宣言」


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(11年12月号)「ひとは、ひとりでに、恋を知る。」
個人的にこの2枚は同じストーリー上にあると信じて疑わない。



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(13年10月号)
「この夏は、シビア過ぎる。」
スク水部門ダントツ1位。しずく程度の水と、びしょ濡れの髪。この水着の張り付き具合はずっっと見ていられる。



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(14年10月号)「夏はそこにあって、少女はここにいる。でも僕はどこにもいない。」
キャッチコピーの身を切るような切なさと、夕日の光を唯一飲み込んだようなビーチボールのハイライト。



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(07年10月号)「―(中略)―僕は単純に興奮していた。」
エロさでいうならこの絵。硬いコンクリに腰かけたスパッツのやらかい尻と、ド直球に吐露した訳アリのコピー。この背徳感である。



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(06年12月号)「…ぬおっ!」
重たいカメラを持たせてみてくれた叔父さんが、自販機から自分の好きな飲み物を抱えて戻ってきたのを見つけてこの子が言ったセリフが「…ぬおっ!」という設定(が自分の中にある)。



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(12年03月号)「きれいなお日様を見つけた」
この薄氷の表現力。パキッと踏んで割っちゃわないでそっと抱えて透かして見たんだねって。



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(09年02月号)「NO MORE UNHAPPY TV -正月番組なんていらない-」
その氷も一瞬で溶けそうなアツい場面。誰かと話してるっぽいコタツの外との温度差がすごく好き。



最後に、キャッチコピーと絵のストーリー性が秀逸な2枚。


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(15年02月号)「そういえば前に一度だけ、あの娘から年賀状をもらったことがある。」

文章は同級生だった男の回想、絵はその年賀状を送った女の子。年末年始の家族旅行めいたワンシーンと、その子の書いた年賀状を受け取ったであろう冬休みの朝。決して交錯しないのだけど綿密に関わっているような、複数の時間軸がシンクロしあうように感じた一枚。


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(16年04月号)「捨てられる って思うと、胸が詰まって苦しかった。」

…たぶん、一時的に父方の実家に預けられているのかなと思う。服も靴もリュックもお気に入りなんだけど実はちょっとよそゆきで、じーちゃんばーちゃんは優しいんだけど内心肩身が狭くて……みたいな状況下での冬の日没。オレンジと青紫の水面に不安感が滲んでて、もうなんかロリ雑誌の表紙どころの話じゃないだろうこれと思った一枚。




以上すべて妄想。
LOの表紙に関して、雰囲気があるとかサブカル受けがいいとか、それはそうかも知れないけどほんとは違うと思うんだ。そういう文脈に乗せながらも、三次元レベルで本当に小さい女の子が好きな人たちの需要にこっそりしかし堂々と応え続けているんだと私は思う。これが救いになるのならと。

***

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以上のうち約1/3ほど収録されているのが既刊のLO画集。ページをぜいたくに使い、No.1~No.50まで各号のイラストが雑誌と同じ大判で見られる。文字の入った表紙ver.が並べてあり、見開きで比べられるところもいい。描き下ろしも多数。


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何より読みごたえがあるのが、後半の解説。絵(たかみち)・コピー(編集長W)・デザイン(宮村和生)を担当する三者が、いかに試行錯誤を経て表紙を作りあげているのかがヒシヒシと伝わる。3枚も4枚も並べられたデザイン案をつぶさに眺めると、コピー・ロゴ・号数・作家名一覧という必須の項目を配置するにあたり、絵を邪魔せず且つ効果的に、表紙としてしっくりまとまるようにという尋常ではない手腕のプロの仕事が垣間見える。何度引っ越しても家宝として本棚に置いておきたい。
9月28日発売予定のLO画集第2弾については、たかみち氏のHPにてちょろっと告知があります。正式なアナウンスは本誌にてといったところか。

Amazonが取り扱いやめちゃっても「ロリコン ジャパン アタマ オカシイ」と世界中から言われても構わないから、この雑誌だけは永遠に続いてほしいと願う。

COMIC LO  バックナンバー
https://order.mandarake.co.jp/order/listPage/serchKeyWord?categoryCode=100298&keyword=comic+LO

LO画集
https://order.mandarake.co.jp/order/listPage/serchKeyWord?categoryCode=00&keyword=%E3%81%9F%E3%81%8B%E3%81%BF%E3%81%A1+LO%E7%94%BB%E9%9B%86


5~6年後に『好色少年』でまったく同じ記事が書ける日を今から楽しみにしている。


担当:白石
  1. 2016/07/21(木) 11:00:45|
  2. 中野店白石

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