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食べ物マンガは時代を超える




少々古い話になるが、食いしん坊福田が寄生獣の実写映画を観て驚いたのが、新一がスマホを使っていたことである。現代の高校生としては、いたって普通のことであるが、寄生獣の連載されていた1990年頃にはスマホはおろかケータイすら全く普及しておらず、当然原作にも出てこない。
けれども、今を舞台に映画化するのなら、それらを使わないのは不自然極まりないので、この変更はあたりまえであろう。そして映画は、細かな原作との差異は他にもあれ、きちんと「寄生獣」で良かったのだけれど、このような名作でさえ、やはり時代と無縁ではいられないのだなあとしみじみしてしまったしだいである。
なぜ、今頃こんな話をするのかといえば。最近、「大市民」の傑作集という名の抄録をよく見かけるからである。


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柳沢きみおのライフワークともいうべき「大市民」シリーズ。90年代から雑誌、出版社を変えつつ、途切れつつも続いている。
作者の分身・小説家の山形が、こだわりを語りたおすマンガで、美味し、という決めゼリフが有名である。


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山形は別に食べ物ばかりでなく、政治、野球、日本の四季、健康法など、気になることはかたっぱしから話題にしているのにもかかわらず、この傑作集はすべてメシネタ中心なのだ。
食マンガが流行っているから、というのはもちろんだけれども、やはり、食べ物マンガは時代を超える、ということではないか。
例えば、30年前のプロ野球事情を今読んでも、たいていの人間は面白くないだろうし、バブルの時代の話など、ピンとこない読者が多いのではないか。
それにひきかえ、カツ丼の旨さは共感しやすい。喫茶店のナポリタンがいいと言われれば確かに、と首肯できる。


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さあ、時を超えた山形の美味しを体験してみようではないか。

(名古屋店/福田)




柳沢きみおの「大市民」シリーズはこちらから。
  1. 2017/05/17(水) 10:52:04|
  2. 名古屋店福田

れっつ、めしタイム




食いしん坊福田は大盛りが大好きである。「目玉焼きの黄身、いつつぶす?」の8巻でゴローが語っていた、「ライス大盛り無料なのに大盛りにしない人の気持ちがわからない」というセリフには激しく首肯するし、大盛りをうたっておきながら量がいまひとつの店にあたるともうがっかりしてしまう。
さて、そんな嗜好の人間には要チェックのマンガ。小林銅蟲の「めしにしましょう」。


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某マンガ家のチーフアシスタントである作者が、その職場でつくる「めし」。メシスタントによるまかない?とんでもない!ボリューミーなだけでなく、そのフツーではない材料と豪快な製作方法は常軌を逸している。


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スッポンもカエルもフジツボも食べたことないよ…


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このカツ、掲載誌のイブニングのグラビアで実際に作っていたなあ。


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そうかと思えば、料理は科学だ、な部分も。
わりと丁寧にレシピ解説があるわりには、つくるにはハードル高いものだらけだけど、ワクワク感はバツグンなマンガですね。





通販ページはこちらから。

名古屋店/福田
  1. 2017/04/10(月) 11:00:29|
  2. 名古屋店福田




食いしん坊福田は、マンガの著者が食いしん坊か否か、そのマンガを読めばわかる気がする。
近頃はどの雑誌でも食べ物マンガが人気のようだが、必ずしも食に情熱をかたむける作家ばかりではないし、メインストーリーとはからまない食事描写にすこぶる食欲を刺激されてしまう「3月のライオン」のようなマンガも存在する。
問題となるのは、作者の食べ物に対する距離感であり、それの非常に近い人間、すなわち食いしん坊の描いたマンガこそが自分にとって至高の食べ物マンガなのである。(ちなみに、羽海野チカとよしながふみは何をテーマに描こうとも、食べ物マンガと呼んで差しつかえないと自分としては感じている。)

さて、今回紹介するのは、木村いこの「いこまん」、「たまごかけごはん」。


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「たまごかけごはん」の前半に載っているチビキャラのファンタジーもかわいらしくて好きなのだけど、後半と「いこまん」の日常マンガがいい。
本人である主人公がビジネスホテルに自主カンヅメになったり、イラストが上手く描けなくて悩んだりといった日々が綴られていて、別に全編これ食べ物、ではない。ないのだけれど、食に対するこだわりっぷり、すなわち食い意地に非常に共感を覚える。
コンビニからカップ麺を食べながら出てくる人を見かけて、ガマンできずにまねしてしまったり、


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回転寿司でまわっているネタを細かく吟味したり。


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ハレはいうまでもなく、ケの食事にも常に真剣、そんな姿勢が食いしん坊福田は大好きなのである。


(名古屋店/福田)
  1. 2017/02/05(日) 11:00:40|
  2. 名古屋店福田

ふつーのゴハンが好きなんだ!




食いしん坊福田は、たぶん、グルメではない。食べること自体は、マンガとどちらが一番か悩むほど大好きだけれど、高級な食事やら珍しい食材やらにはたいして興味はない。ただ毎食、手ごろな値段で、手抜きされていないおいしいもので腹いっぱいにしたいと考えているだけである。
具体例をひとつ。揚げ物は揚げたてが命なので、コンビニ弁当やスーパーの惣菜では選ばない。持ち帰り弁当屋なら、できたてをつめてくれるのでアリ。高級仕出し弁当のエビ天ぷらなら、家庭のアツアツいも天の勝ち。
さて、そんな自分の、どストライクの食堂話。きくち正太の「瑠璃と料理の王様と」。


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下町にある、なんてことない食堂にみえて、店主の女子大生がサラリとスッポンさばいたりする。


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この少女が、実は魯山人の血縁という設定なのだけれど、でてくる料理はホントに日常的なおいしいもの。奇をてらうのではなく、ひと工夫、ひと手間でおいしいが生まれてくる。


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こんなポテトサラダが出てくる店がもし近所にあったら、絶対通うね。
しかも、主人公、瑠璃の心意気がたまらない。


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料理上手な著者ならでは、レシピもわかりやすく、しかもストーリーを中断しないかたちでくみこまれている。


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料理勝負的な展開もあったりするのだけれど、瑠璃の気負わないキャラが本作品一番の見どころでしょう。

(名古屋店/福田)
  1. 2016/12/23(金) 11:02:59|
  2. 名古屋店福田

俺的理想献立




食いしん坊福田は、実はSFが大好きである。小学生時代から小松左京、筒井康隆を愛読し、星新一のショートショートは全単行本読破した。三浦健太郎が、「ベルセルク」はこの作品へのオマージュです、と先日ヤングアニマルで語っていた「ダークグリーン」は、へへん、リアルタイムで読んでたもんね、というのが自慢だったりする。佐々木淳子は本当に、ハードな設定のSFをきちんと少女マンガに落とし込んでいるのが見事で、「SHORT TWIST」なぞ、よくまあこのスケールの話を短編にしたな、と感動してやまないのだが、今回語りたいのはまた別の作品。
東京のど真ん中にいきなり出現した巨大な花のせいで、都市機能は壊滅状態におちいり、安否のわからない大勢とその帰りを待ち続ける家族たち。
こんなSFマインドを刺激してやまない設定なのは、「花と奥たん」。高橋しんが週刊および月刊スピリッツに描いていた、未完の作品。


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主人公の奥たんは、帰ってこない夫を心配しながら、いつ帰ってきても大丈夫なように毎日おいしいごはんを工夫してつくっていて、この献立が、もう、素晴らしくおいしそうでたまらないのである。


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そう、このマンガ最大の魅力はステキごはんにほかならない。巨大バッタに襲われるシーンでも、戦闘のワクワクよりもまず、コメ大丈夫か、バッタから守ってごはんつくれるかが心配になってしまう。
実際、マンガ後半になるとメニューに変化が見られるのがわかるだろうか。


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主食がない。米も小麦も不足して、オカズだけ的な内容になってしまっている。それでもとびきりおいしそうなことに変わりはないのだけれど。
献立で切なさを現せる珍しいマンガ、食い意地のはったSF者にオススメです。


(名古屋店/福田)
  1. 2016/11/14(月) 11:00:55|
  2. 名古屋店福田

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