岩井の本棚、SAHRAの本棚

スタッフがマンガ界のニュースとおすすめマンガを紹介します!

そんな日常もあり




明けましておめでとう御座います。本年もよろしくお願いします、山崎です。


年中無休で営業のまんだらけ!!

この記事が掲載されるころには学校もお仕事も始まっているとは思いますが……『まんだらけは年中無休で営業中!!』この言葉を2017年の年末頃に思い出していただければ幸いです。
ぶらりと歩けば、記憶の彼方にしまいこんだ懐かしい思い出が溢れだすこと請け合いです。お時間のある日に散歩がてらゆっくりと店内を見て回られてはいかがでしょうか??

年中無休とは言え、スタッフにも定休はあるわけで運よく年末、定休日と合致した僕はゆっくりとした正月を迎える事が出来ました。
こたつの中、ビール片手に毎年恒例のガキの使いを見つつ、SNSにて怒涛の年末挨拶&新年あいさつ、友人の生存確認と親への生存報告を済ませ、ソシャゲの年始ログインボーナスガチャに一喜一憂し、送られてきた新年会の様子があまりに楽しそうだったので、なんとなく追加のビールを買いに走ったり。
僕の手と耳の届く範囲で、誰も欠ける事無く新年を迎えられたという事は、個人的に2016年はいい年だったと感じます。


さてさて個人的な正月は置いといて、今回紹介するのは……。


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だいたいめる子/それでもめる子
ワニマガジン社 作者:縁山(へりやま)

成年雑誌コミックX-EROS(ゼロス)にて巻末連載している作品。
どんな感じの内容かと言うと、X-EROS編集部の読者投稿コーナーでアルバイトするお姉さん“南谷める子”と、友人の“ゆきえ”と“あてな”の3人で展開する日常ギャグ漫画。


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める子

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ゆきえ

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あてな

成年雑誌で連載しているのに「全年齢対象」!!
キャラクターの可愛さもさることながら、内容も面白い。帯にある通り、グルメ・旅行・ファンタジー・お色気・日常生活……そして読者コーナーキャラということもあってか、メタ内容やパロディも混み込みで日常ギャグというベース上に彩られた多彩なネタは好奇心を刺激されます。


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ゆるい日常

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ジェイコブズ/猿の手のパロ

エロは少なめ(というかほぼ無い)ですが“黒ロン”と“ストッキング”が好きならもうそれだけで本棚行きは確定かと!!(ジャケットもカラフルで可愛いですし)


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そして、「それでもめる子(2巻)」には中野ブロードウェイも出てきます。※作中でブロードウェイとは描かれてはいませんが“あてな”のプロフィールから推測出来ます。


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なぜか“変や”で引っ掛かるっていう……(笑)※内容は読んでからのお楽しみ!!

こたつでゆっくりとパロディを探しながら読めば楽しさ倍増!
長編物の箸やすめにも最適です。「おせちも良いけどカレーもね」またの機会に!!

担当:山崎

・縁山先生の作品はこちらからもお求めいただけます。
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  1. 2017/01/07(土) 11:00:48|
  2. うめだ店山崎

朱に交われば赤に染まる




秋も深まり冬の気配を感じるこの頃……。
茶屋の縁台に腰掛け、紅葉を眺めながら団子を食べ熱いお茶をすする。ただ時間を忘れ、ゆったりとした空間を楽しむ。時に、年配の観光客に声をかけられるも「これ一興」と、シャッターの一つ二つ押した縁の深さを胸に残し、和の心をもってその場を去る。
これぞジャパニーズテイスト。今年もまた京都に紅葉を見に行こうと思っている山崎デース。

今回紹介するのは情緒溢れるこの作品。


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不成仏霊童女:花輪和一
温情というよりは怨情。因果応報とはまさにこの事と思える一冊。


花輪和一先生といえば、平安時代の日本を思わせる世界観の作品が多く。魑魅魍魎・悪鬼羅刹、神仏ほとけに至るまで、怪奇幻想を散りばめた異色の漫画家として多くのファンを現在も魅了し続けています。そして当時の時代を知っているかのような緻密で彩のある背景。喜怒哀楽をこれでもかと言わんばかりに表現した力強い表情、過激な暴力描写。
読み進めるうちに腹の底に溜まるような“黒い感情”は、ペンに込められた怨情や呪いがページを伝って流れ込むようで花輪作品の独特の味として楽しむ(?)ことが出来ると思います。

また、自身の獄中体験を描いた『刑務所の中』では獄中に経験した内容を、おもしろくも分かりやすい内容で描いており異色ながらも読みやすい作品になってます。


今回、記事として書かさせていただく『不成仏霊童女』は花輪作品の中でも(個人的に)屈指の名作で、人間の業によって繋がる負の連鎖、残酷な事件や仕来たりなど…仏教的な考えをベースに展開するちょっと宗教色の強い作品。

分かりやすく言えば「悪い事をすれば地獄に落ちる」といった感じ。この世も十分苦しくて、そんな“現世という地獄”でもがき苦しむ人達を、不成仏霊(童女)の視点から観察する内容なのだけれど…この童女がすごい。


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この質問に対して


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「気がいたらここに…」なんて次のコマで話すんですが、不運というかなんというか。この時代なら落ちていた魚を食べてもおかしくないのでしょうが、なんというか不憫。

さらに、今なら(仮死状態だから)現世に戻る事が出来るチャンスも棒に振ったあげく


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差しのべられた手を振り払う様なこの一言。


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「「「えぇぇぇぇぇぇ~~~???」」」と言わんばかりの表情が最高。


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童女(メンタル)つょぃ……。不幽霊とかってこんな感じで生まれるのかと思うとぞっとします。

この後、童女は修行僧と共に旅をしていくのですが、行く先々で巡り合わせる残酷な事件を第三者目線で観察する事になっていきます。

人を殺めた罪で死刑の確定した二人。
一人は己の罪を悔い改め懺悔するも、もう一人は己の行なった悪行に一片の後悔もない。


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恐らく、現代で言うサイコパス的な青年。

娘を殺された母親は、怨念から心が地獄と繋がってしまい呪いの言葉を発する日々。


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死刑当日に溜めに溜めた地獄汁をサイコ青年に飲ませる。
サイコ青年が地獄に落ちる事を願い、村人も祈り続ける。


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ここから食べ物飲み物は無し。ただ地獄汁を飲まされ続ける日々が続き(10日以上)サイコ青年は命を落とす。


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サイコ青年は鬼の厠地獄へ落ち、殺された娘二人と罪を悔いた青年は天国へ。
母親も、恨みが消え老婆の様な姿から元の姿へもどってめでたしめでたしとはいかないのが花輪作品である。


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背中でゴキブリを飼う謎の女……。

その正体は。


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地獄汁を飲まされ死んだサイコ青年の母親(銀さん)。
子どもを殺された恨みから、自分の背中に地獄怨霊虫(ゴキブリ)を飼いならし村人に仕返しをするつもりで怨念だけで生きているとんでもない人。

童女が真意を確かめるために時空を越えて過去を覗き見した結果は


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黒。そしてとんでもないセリフと共に石をぺろりと……本気で危ない人間だった。


真実を知った童女は、そのことを銀さんに伝えるも


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銀さんは聞く耳を持たず。そればかりか恨みは募るばかり。


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なんとかしてあげたい童女。しかしどうすることも出来ないまま。


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結局、自分の込めた呪いで死ぬ事となってしまった銀さんは自分自身が地獄怨霊虫となって地獄に落ちてしまう。そこには鬼の糞尿を受け止めるわが子がいるのに飢餓感から気がつかない。


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ためらいなくわが子の血をすする母。


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腹が満たされれば正気に戻るが、すぐに現れる飢餓感によってまた息子の血を吸うという無限地獄。
そして親子共々、地獄で責め合いながら永劫の時間を過ごす羽目になるというとんでもないスケールのエンディング。

己から出たものは己に帰って来る。因果応報。
悪い意味でもいい意味でも、多くを考えさせられる作品です。

いい縁に恵まれますよう。


読んでみようかな? と思われた方はこちらから↓


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すごくいいTシャツあります。
【Tシャツ】
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(うめだ店/山崎)
  1. 2016/12/02(金) 11:00:44|
  2. うめだ店山崎

青春真空パック




今回は、うめだ店山崎です。よろしくおねがいします。

どちらかというとピンキーな感じの少女コミックコーナーに、こんな黒い帯がずらっと並ぶと嫌でも目に入るわけで、何気に手に取ってしまったのは書店員さんの巧妙な店頭作りの賜物なんだろうなとおもいましたまる


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普段回らない少女コミックコーナー。
「桃栗みかん先生」の本が復刊されているということさえ知らなかった僕は、あほ丸出しの顔であらすじを見ていただろうと思うわけで……その「桃栗みかん先生」とうのが、“りむむキッス”や“いちご100%”の「河下水希先生」の別名義という情報は、まんだらけに入社してから知った情報なのですが、気になる方はWikiを参照してください汗

「知らん間にめっちゃ出てるやん……」

いつかは「桃栗みかん」名義の作品を読もうと思っていた機会が、こうも早く来るとは。完全なリサーチ不足は棚に上げ、財布と相談、まとめて購入、即家に。

一読して“かえで台風”と“あかねちゃんOberDrive”は少女マンガに耐性低い方でも(僕もですが)読んでいて、懐かしさこみ上げる楽しい作品だと思います。



でもやっぱり、お色気シーンがもっと欲しい……。



一読してこみ上げる感想は、そんな思いでした。

そうなるのも仕方ないわけで、僕の中の河下水希先生と言えば“いちご100%”といった青春(エロ)ラブコメが主軸にあったから。
リアルが恵まれない学生(僕達)には、それが救済でもあり癒しでもあり希望でもあったわけで、月曜日に教室に持ち込まれたジャンプを巡っての争奪戦は毎週のように行われていたし、授業中・休憩時間を合せてお昼までにはクラスの全員がほぼジャンプを読んでいて、長い昼休みにはお互いの意見をぶつけ合う。

現在「少年ジャンプ+」で、いちご100%は50話まで無料で読めます。単行本で6巻くらいまで。


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懐かしさに駆られ、“いちご100%”全19巻追加購入してさらに一気読み。


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展開を知っていても、結末が分かっても、損なわれぬ面白さ。
甘酸っぱい恋と青春が全19巻に詰まっています。

ネタばれに内容の記述は無しですが、結末は賛否両論。
王道ラブコメとは、一線を画す河下水木先生の青春ラブコメ。秋の夜長にどうでしょうか?



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(うめだ店/山崎)
  1. 2016/10/23(日) 10:15:40|
  2. うめだ店山崎

ミス・ポピーシードのメルヘン横丁




長い研修期間を終えて無事大阪に帰還しました。山崎です。

着いた頃は雪が積もっていたアスファルトも陽炎ゆらめく季節になり、いざ東京を離れるとなった時、その期間の長さを実感しました。単純な季節の移り変わりというより、居心地の良さだったと後になって考察します。

自身の確かな変化を感じつつ、7ヵ月ぶりに扉を開けたマイルームはあの日のままで、とはいえ変わっていたら変わっていたで驚きなのですが、埃一つ積もっていないという状態は驚愕しました。
※ただ、1つ……室外機が壊れていて1週間エアコンが使えないという地獄を味わいましたが

今回紹介するの大掃除を済ませ、ひと段落した所で久々に本棚から取り出した一冊から――


ミス・ポピーシードのメルヘン横丁/山本ルンルン
A5版/小学館


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山本ルンルン先生の作品は定期的に読み直します。
それは大体何かの節目だったり、本棚から目についた時だったりするのですが読むたびに底知れぬ魅力に感心させられます。
代表作に“シトラス学園”“オリオンストリート”“マシュマロ通信”、そして現在連載中の“はずんで!パパモッコ”どれもがメルヘンでキュート、時折ブラックでポイズンな調子もルンルンワールドの魅力。


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ファッションの「ファ」の字も皆無な自分が語るのもなんなんですが、登場キャラクターのファッションも最高にかわいくてオシャレ。60~70年代のヒッピースタイルを思わせるファッションで、ボタンフライのベルボトムとかめちゃくちゃカッコイイ(おしっこしずらいけど)


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多くはフルカラーコミックで色彩も楽しむことが出来ます。

その中で個人的に1番だと思う作品が『ミス・ポピーシードのメルヘン横丁』
純粋に、ポピーシードのキャラクター良い。気だるげな表情でいつもタバコを片手に世の中を冷めた目で見てるけど、しっかりと人情家で達観した考え方は、悲しみや不幸とどう付き合えばいいのかを知っているかのようで読むたびにポピーシードに惹かれます。


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B6版/芳文社①②巻と復刻版のA5版/小学館上下巻があり、復刻版には書き下ろしのエピソードが入って、個人的にもA5版をおすすめします。(装丁の配色がいい)


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※こちらは芳文社版

ストーリーは、春から大学生活を送るマーガレットがメルヘン横丁にあるアパートを探す所からはじまります。


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雑務をこなすだけで家賃はタダという破格の物件のオーナーは、はぐれ魔女のポピーシード。ポピーシードは自身の魔力を使った「ポピーシードのよろず相談所」を開き執事のベルガモットと細々と生活をしています。


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話しの内容も紹介したいのですが、それは読んで実際に感じて欲しいと思うのでここには掲載せず(汗)
ざっくりと言えば、どの話しも心にグッとくるストーリーで、暗い話が多いとも言われますがじっくり読めば案外そうでもなかったり。ほどよいブラックユーモアが心地良いビタースイートな作品。
一度立ち止まってゆっくりと落ち着きたい時にお薦めします。


ルンルンの本置いて無いーー!!そんな時はこちら↓
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(うめだ店/山崎)
  1. 2016/09/13(火) 10:59:08|
  2. うめだ店山崎

劣情チェリー




はじめまして、コミックスタッフの山崎です。「ザキ」ではなく「サキ」です。個人的にもそれほど気にしてない問題なのですが自己紹介ということで一つお願いします。


はじめて記事を書くという事もあって、何を書けばいいのか分からず…ブログの過去ページを遡り、偉大な先輩方が書き残した記事を読むことに。

個人でブログを持った経験も今や昔、特筆する記事があるわけでも無く少し体を張った面白画像をアップする日々を思い出しました。いつしか「毎日更新しなければ」という固定概念の重圧に耐えきれずそっとアカウントを消した憶えがあります。
そして、ここ「岩井の本棚」も毎日更新。全店のまんだらけコミックスタッフが当番制で“約月1回”変わり代わり記事を書き運営しています。

「なんだか交換日記ぽい……。そうだ!!」

その着想から、脳内にある記憶の扉がバリバリと開き思い出した1冊。


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『純情パイン』


『マコちゃんのリップクリーム』が完結するまでは“打ち切り作家”とよばれていた「尾玉なみえ先生」のジャンプデビュー作。

オナップ星人の襲来に対抗すべく、選ばれた子ども“みちお”“みちる”が交換日記を5分以内に2往復させ“大きな乙女純情パイン“に変身し地球を救う、という分かりやすいストーリー。しかし、中身はソフトエログロナンセンスギャグという……。
WJ版と赤マル版の読切りがありますが、そのどちらも読んだ日は忘れられないインパクトがありました。


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コロコロの軽快な下ネタとは違う独特の生々しさ。


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軽快なコマ割り+衝動的暴力描写。


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敵の倒し方はどこか無慈悲。


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主人公のトラウマ。

生理的で淡々とした作風。少女マンガとも少年マンガともつかない絵。
不快と愉快のグレーゾーンを確かめたくて何度も読み返した覚えがあります。


そして同年47号……


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――連載開始


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「純情パインが連載になった!!」
ジャンプの表紙を見てはじめて興奮した瞬間だったんじゃないでしょうか。1話を読んで、『読切りよりマイルドになったなぁ』と首をかしげましたが……


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連載が続くにつれて異常なストーリー展開に。

中でも、みつおの拾った怪獣の卵によって寄生されたみちるが妊娠して母性に目覚めるという6話は特に際立っていました。
敵の倒し方とか露骨な生々しさは薄れたものの、毎話得体の知れない不快感が心地良く。


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まあ、受け入れるべき事実……。


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生まれた子どもは巨大だったり。


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ヒロインが3本毛パーマになったり。


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敵を倒す時に仔犬を潰してしまったり(膨らまして生き返らせる)


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ギャグ漫画としてのテンポの良さも健在。


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そして13週で打ち切り――



謎の設定、ポップでキュートなキャラクター、コミカルな中にギラリと光るリアル、そしてギャグを交えつつ暴力的かつ変質的な内容で13週間にわたり週刊連載という枠で大暴れし、そして突然の打ち切り。
少年少女に与えた衝撃は大きく、がっつりとトラウマを残して風のように去る。それがなみえ先生とのはじめての出会いでした。

なみえ先生の作品に登場する人物はどこか心に問題のある人物が多いのですが、それ許容するストーリー。『ダメでいいじゃない、人間だもの』『無茶苦茶でも生きてるぞ!!』とでも言わんばかりのパワフルさを持って読者を勇気づけてくれます。

「純情パイン」に続き、「少年エスパーねじめ」「アイドル地獄変」「スパル・たかし」「モテ虫王者カブトキング」「たおれて尊し!」発表するも次々と打ち切られる連載作品の数々。しかしめげずそれどころか打ち切りを“持ちネタ(自虐ネタ)”にまで昇華させる精神力と根性に僕はいつしかファンで、部屋には「キスマーク付きサイン色紙」が飾られ、1勝2敗フェアに応募した1247人の1人になっていました。(色紙は404人)


僕も今や思春期を過ぎ、いろんなものに影響を受け右往左往しながら曲がりなりにもヒトとしての道を歩んで来ましたが、あの日「純情パイン」に出会いなみえ作品に触れていなければ、人生の厳しさにどこかで挫折してしまっていたかもしれません。
現在、なみえ先生の仇である中古市場に身を置く僕ですが、金銭では表せない作品の素晴しさなんかを紹介していければと僭越ながら思っております。


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担当:山崎
  1. 2016/07/31(日) 11:00:00|
  2. うめだ店山崎

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