マンガを読んでてひとつでも気にかかったコマ、好きなコマがあればそれだけで僕は満足してしまいます。
マンガは物語である。絵がいくら美麗達筆でもストーリーや構成が伴っていなくては意味がない・・・と考えるような方とは真逆の立場かもしれませんね。
今週の「夜王」。
「うちはロマネ10本や!!」
「ヒエエ~~ッ!!」
こいつらがナンバークラスのホストになれない理由がわかりました。ナンバークラスはヒエエ~なんていったりしません!
それにしてもリシャールとかロマネとかドンベリゴールド、というのがもう「高級酒」でもなく、はては「金額」という意味さえ喪失して、あらたなる単位になりつつありますね。なにしろ頼むことが主目的で、飲む必要がない高級酒ですから。
たぶんホストはスカウターみたいなの持ってて、それで水商売の女性見ると
「3リシャールと0.5ドンベリゴールドか。まあまあだな」
「20ロマネ?すげえな」
などと預金残高が単位換算して見れるんじゃないかと思います。男だったらリシャール入れられてみたいものですね。
発行が40年前になると、うってかわって静かな絵ですね。タイトルフォントが手塚っぽいです。
これは貸本「げじげじの死」。「うばすてやま」の池川伸治の社会派、難解で野放図な作品です。中表紙ですが、この腕のない少女が作中にひとコマたりとも登場しない、というキッパリとした潔さには惚れ惚れしますね。タイトルのげじげじ、も1P、ひとコマどころか、単語単位でも登場しません。なんでもアリです!
おなじく貸本から。岡部多美の「すてきなフレンド」の1コマですが、バスケのドリブルの小刻みな動きを、とくにバカにしようとして描いてるわけではないのだが、結果的に非常に小バカにしたように描いているのが必見ですね。
このコマも恋人が大手術を乗り越えての物語のクライマックス、いいシーンであるべきですが、絵心とテクニカルポイントの致命的な欠如の為、70年代少女がサンリオの包み紙の裏に、黒電話のヨコにあるような安いペンで、突き刺し箸するような手つきでグリグリ勢いにまかせて描いたようなハッピー&ピースフル&大惨事な出来になってしまいました。病室にこんなにハートが漂わせられても。大部屋ではなく個室であることを祈るばかりですね。
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- 2009/11/27(金) 23:46:16|
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