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映画と立ちそば

今号のスピリッツ見ましたか? 高橋のぼる「土竜の唄」が映画化とのことですよ!

まあアクション要素も多くて美女を絡ませやすく、下ネタもオッケーということでVシネ向きの作品ではありますが、監督三池崇史で脚本が宮藤官九郎なんてコンビで来るとは思わなかった!

そんなわけで期待してページをめくったのですが、いつもの歌舞伎町のゴージャス&ロボットレストラン的なバカなきらびやかさを想像してたらぜんぜん違ってちょっと驚いたわけですよ。

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上海での騒動を終えて帰国した玲二がまっさきに向かったのはというと、なんと立ち食いそばだったんですな。和食が恋しくなるというのはもちろん分かりますが、立ち食いそばというのが泣けます。連載が8年くらいやってるのでみんな忘れてるけど、主人公の玲二ってまだハタチですからね。ハタチの男が恋しくなる和食ってのは立ちそばであり、吉牛であり、はなまるうどんだったりするのがリアルでしょう。いやあ、わかるなあ。

実際海外から帰ってきたら蕎麦だ、という人は多いようで、映画の字幕を訳すという仕事柄、海外出張が多い戸田奈津子なんかは帰国したらどこにもよらずに蕎麦屋に直行するとのこと。

そういえば芸能界きってのそば好きで知られる渡辺健は、けっこういろいろな蕎麦屋、それも地方の名店にも色紙を残しててそば好きが地方遠征すると咲に渡辺健の足跡がついてる、なんてこともあるそうですが、氏は美味しい蕎麦屋が見つからなければぜんぜん駅の立ち食いそばでも構わずに直行するとのこと。気取らない人柄が伝わると共に、しかし、となりであんな目立つ男性が蕎麦食べてたらドキドキしますわ。

ちなみにそば好きではなく「立ち食いそば好き」では稲川淳二が有名。地方営業が多いこともありますが、都内の主だった路線の駅蕎麦は制覇しているとのこと。もっともこの情報は2000年以前の話なので、今はどうかは定かではありませんが・・・。

実は僕もけっこうな立ち食いそばファンで、青春18切符をつかって鈍行でトロトロとひたすら遠くに行くという旅行をしていたときは、接続の関係で立ちそばしか垂れないことが多かったのですが、ぜんぜん苦になりませんでしたな。
名古屋に行ったときにはてんぷらをいちいち揚げるきしめん屋に遭遇したり、仙台では拳ほどあるカラアゲがはいったから揚げそばに出あったり、門司で名物かしわそばを食べたらごぼう天が前日のだったのか油臭くて閉口したり、姫路駅ではうどんつゆに中華そばが入ってる「えきそば」でビックリしたり・・・といまでもスラスラと出てくるほどに忘れられない出会いだらけ。下手(げて)な食べ物、って言い方(そしてある種の褒め方)は「B級グルメ」って単語が流行ってからあまり使われなくなりましたが、そう、立ちそばはB級ではなく「下手」としか言いようがない旨さがあるんですよ。

というわけで本誌にもどりますが、おや、中野ってありますね。中野で「おろししょうが」というと、わがブロードウェイからも程近い北口の「田舎そば かさい」でしょうなあ、元ネタは。

北口にはアーケードを入ったところに「梅もと」そして「富士そば」という座って食えてセットメニューもあって、という二大巨頭があるにも関わらず、客が4人立ってたら満員になる「かさい」も負けてはいません。どんな時間帯でも誰も立ってないということがない。ある意味駅そばよりもはるかに人気です。

この店は特徴があり、本誌でも述べられてるとおり、おろししょうがを入れるのがポイント。そばも細くなく、やや平べったく太く黒くボソボソしてます。汁も関東風に甘っからいのではなく、しょうゆっぽくやや薄め。が、このみっつが合わさるとなぜか美味いんですなあ。
なんでも信州のほうでこういう食べ方があるらしいんですが、立ち食いそばでは珍しいですね。

本誌を水曜日に読んで、なんだか無性にたまらなくなって今日の朝いってきたのがコレです。

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ぼくここでちくわ天は初めてだったんですが、以下、作中との違いをいくつか。

・かけの値段は270円
・ちくわ天は一本まるまるではなく、タテ半分に切ったもの(それでもデカイ)
・ちくわ天は「青のり入り」つまり磯辺あげではなく、ふつうの天ぷら

・・・くらいでしょうか。ちくわ天がモチモチしててやっぱりウマかったです!

それにしても以前は書いてなかったんですが「しょうがは小さじ2杯程度がおいしいです」なんて文言が貼ってあります。タダだとおもってバンバンいれる奴があとを立たなかったんですなあ。ショウガなんてバンバンいれても仕方がないとも思うんですがなあ。
「食いばな刑事タチバナ」のセルフうどんの時の話でもありましたけれど、けっきょくそういう一部の「タダ大好き」なヒトのせいで、タダという制度自体が廃止に至ることは少なくないと思うんですが。

ちなみにこの店はイカ天がめっちゃデカくて、丼から数センチもはみ出してるくらいです。まんだらけ中野店にきたら是非。ただ、日曜日は休みですので注意!

さて余談ですが、ここから数十メートル離れたところに「梅もと」もあり、広くてスピーディそして廉価なセットメニューで人気を博してるわけですが、4年くらい前に改装したんですな。通路に面したところに、おにぎりとお茶のテイクアウトのコーナー作ったですよ。まあとはいっても自家製ではなくフィルムに巻かれたおにぎりとペットボトルのお茶がいずれも100円、と、そば食う時間すらないヒト用のコーナーというか、そんなカウンターが出来たんです。

で、おばちゃんが1人そこに配置されたんですが、いままでソバ茹でてた人ですから、おばちゃんには通路をあるく人に声かけた経験なんてなかったわけで、どんなカンジでお客さんを勧誘すればいいのかが分からなかった。声はどんな風にかけたらいいのか、声の大きさは、手はどの位置にとかそういうアライメントですね。
実際、チラシを配る人は手に何か持ってるからいいけれど、そば屋のカウンター内からお客さんをどう勧誘するかというのは難しい。手に何も持たないとして、その手の位置はどう処置したらいいんだろう? テーブルの上に置いたまま声をかけてもおかしいし、後ろ手にするのも妙だ、とおばちゃんは自分なりに考えたんだと思うんですよ。考えて結果としてどうしたか?

まず手は頭の位置まであげ、手のひらは向こう側に向け、指は折り曲げ、指と指はくっつけず2センチほど空けて、手には何も持たない。つまり男の人が「おっぱいもむぞ」と意思表示したときの手のひらみたいな力のはいった感じで、微動だにしない。それで「おいしいおちゃとおにぎりいかがですかー」と声をかけ始めたんですよ。失敗、これでは怖いだけです!

ピンと来ない人がいたら先ほどの解説とおりにやってみるといいんですが、ものを何も持たずに腕を上げ、手のひらをこちらに向けて大声を出すというのはけっこうな妙さで、おばちゃん声をかけてるけれどもぜんぜんおにぎりが売れない日々がしばらく続いた、というのは記憶に残ってます。やっぱみんな怖かったんだと思うよ。20円の怪獣消しゴム、もしくは組み技系格闘技の相手と組む直前、みたいなポーズでしたからね。

で、一ヶ月くらいでしょうか。お茶を手に持ったほうがいい、とおばちゃんがやっと気がついた。逆に言えば、ひと月間くらい、毎日毎日雨が降っても風が吹いても地震が来てもオバちゃんは愚直なまでに怪獣消しゴムみたいなポーズを欠かさずやってて、中野区民は毎日のように「怖いポージングだなあ」と思いつつ通り過ぎてたわけで、これもなかなかにシュールな話です。

いまはそのカウンターにおばちゃんは立ってないのですが、まだお茶だけは売ってます。中野まんだらけに来るときにはチラと気にしてみてください!
  1. 2013/01/24(木) 23:29:51|
  2. こねた

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