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石田の漫画フルバースト 第5回「昨年俺が一番他人に送り付けた漫画の画像」





そうだ、ピジン語で飛行機を意味する”バルス”という語は、原住民語ではハトを意味する語だ・・・。
こんにちは、中野店少年コミック担当の石田です。

世間ではラインだ、キドクムシだ(福島聡さんの4月の新刊『ローカルワンダーランド』表題作において非常に印象的な使い方が為されていました。1・2巻各250円買取)、等と新たな言葉が飛び交い、ライン上ではスタンプなるものが飛び交っているそうですが、中途半端にディジタルディバイドしている私は、メールだろうがラインだろうが、俺の好きな漫画の一コマを送り付けるのみ、です。
ラインスタンプなんて男らしくない。
分かりますか、このディバイド感。

昨年度、もっとも人に送り付けた画像が以下。

都留泰作『ムシヌユン』
『ナチュン』におけるオープンワールド感を真逆にしたかのような、世界観の狭さ。
亜熱帯・沖縄を舞台にしたにもかかわらずなんでそんなことになっちゃってるかと言えば、それは主人公の視野の狭さがそのまま、作品の世界観に反映されちゃってるから。

この漫画、雑誌を見てなんだろう、怖い、気持ち悪い、不思議、と強く感情を動かされて、単行本発売を心待ちにしていたのですが、単行本の帯がね、諸星御大だったんです。

もし諸星大二郎好きがこのブログを見て下すってたらもう、素晴らしく嬉しいのですが、私はこの会社に書かされるブログの、毎回一番初めに諸星名言をひとつ載せておこう、と決めて書いているのですが、どれだけの人にそれが伝わってんだろうなぁと一抹の不安もありつつ、冒頭のバルスがどうたら言っているのは諸星大二郎『マッドメン』より。
訳が分からないよ、という方はまずマッドメンを読むのです。山の上からマッドメンの呼ぶ声が聴こえるようになるので。なるのです!

話が逸れましたが、諸星御大がこの帯に書かれてる文章が、端的で、素朴で、イイんです。


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「これは何だろう?
ギャグにしては怖すぎる。
ホラーにしては変すぎる。
とにかく気になる!?」



そう、例えばサガノヘルマー『BlackBrain』は歪ながらSFですし、松井優征『魔人探偵脳噛ネウロ』はミステリ風エンターテイメント。『ファブル』は変則日常系で、『宝石の国』は煌びやかなアクション漫画。大体どんな漫画でも、やろうと思えばレッテルを貼り付けられる。
が、ムシヌユンを上手くジャンル分け出来る言葉が無い。

読んだこと無い人に勧める時は「股間がエイリアンになる漫画だよ」って言ってますが、果たしてそれで魅力を1/4も伝えられてるかどうか…。

で、人に送りつけてた、ってのはそのエイリアン部分じゃなくてですね、この漫画の個人的に一番恐ろしいと思う部分です。

主人公の視野が狭い、と書きましたが、まずスタート時点の主人公の状況が
「昆虫が好きで好きで堪らなくて、大きくなったら昆虫学者になろう、と決めてこれまでの人生を昆虫の観察に全て捧げてきた結果、昆虫分類学には異様に強くなったものの、生態研究や応用化学などはカラッキシの主人公は、大学院進学のための試験・面接を受けるも、よりにもよって心酔していた昆虫学の権威から院進学を諦めるように言われ、試験に落ちまくった結果、コネもカネも無く故郷の沖縄に帰らざるを得なくなり、沖縄へ、けれどもコミュ力ゼロの主人公が他に行くところもなく、母親の働き先へ行ってみると、帰って来たこと・本気で生きてこなかったことを説教され、かつ自分は再婚・出産をしようとしていること、主人公のようなオトナを抱えて生活することは出来ないこと、故に自力で生きろ、と端た金を押し付けられた主人公は途方に暮れ、ジャングルへ。」
というもの。
アッパーにダウナー。

で、その後、寝てたら流れ星が落ちて来た!と思ったら頭がグバアと割れて気絶、目覚めたら股間がエイリアン、もう死ぬしかねえ!でも死ぬ前に大好きだったあの娘を、自分を見下したあの女を、犯してから死ぬ!犯し殺す!と死ぬために生きることを決意、働く!と決意と股間をビンビンに固めて工事現場に踊り出たところまでが1巻収録分。

「好きなことを追求した結果、一点特化型人間になったものの、それを利用して生きていくにはあまりにそれは潰しが利かず、かといって他の技能を身につけるには時間も金もない、親に頼れるほど親も財力があるわけでもない、さぁどこへ行こう?」
という不安、いや、恐怖。書いてる自分もそうですが、読んでるあなたももしかしたら持つヤツなのでは…?


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「本当に働くところを探したのか?」とお母さんに詰められて、泣き出しちゃう主人公。
なぜ泣き出しちゃうのか、と言えば、勿論お母さんが怖いからではなく、彼が何も持っていないから。金も無い、居場所も無い、知恵も無い、人望も無い、未来も無い。そんな恐ろしい場面のコマがこちらなわけです。

ご縁があり、ギリギリこの会社で会社員なぞやっている私ではありますが、そんな私でもこんな恐ろしい場面の画像を度々人様に送らねばならぬ状況がある。

いやはやなんとも末恐ろしい世の中です…(我が身のおかしさを世のせいにして美しく終わる)


もう、すぐコレ買っちゃうぜ!という御仁はこちらを。
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まだ買わないぜ。もうちょっとちゃんと内容知りたいぜ!という御仁はこちらを。
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もう読んだけど、もっと化け物みたいな珍子とかいっぱい見たいぜ!という方はこちら
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の「コミック・ライトノベル」の項より「山口貴由」もしくは「堀骨砕三」「ほりほねさいぞう」、または「町野変丸」、または「激しくて変」「暗黒抒情」「知的色情」なんかで検索して頂ければちょっとしわあせになれるかと思います。


(中野・石田)
  1. 2016/05/05(木) 11:00:52|
  2. 中野店石田

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