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北冬書房の本はどんなものなのか?





北冬書房から発行された雑誌「夜行」。ガロ系にカテゴライズされがちですが、北冬書房には青林堂や青林工藝舎と似て非なるムードが漂っています。


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前回は13号を紹介しましたが、今回は18号についてです。
この本には伊藤重夫未収録作品「反省生活入門」が掲載されています。


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4コマ形式の短いエッセイながらも視点、間、言葉で伊藤重夫らしさが溢れる作品です。
勿論こちらも本誌の推しポイントなのですが、注目して欲しいのは以下の2名。
両名とも夜行感全開のいかした漫画を描いています。


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1人は映像作家としても知られる山田勇男、今号には氏の漫画集「戯れ」にも収録されている「日向の匂ひ」が収録。
扉のフォントでもわかるように、夜行18号の表紙デザインも山田氏によるもの。


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肝心の内容はと言うと、日記をつけている中年男性と少女が表を歩き、短い会話をする…出来事を記すとただそれだけの漫画ですが、独特な絵と文章・余韻によって、僅か8Pの話にも拘らず読者へ強烈な印象を与えます。


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世界観の情報は少なく、登場人物も実質二人。
その状況でほんのいくつかの何気ない台詞が響くのが不思議です。
詩的な漫画を好む方はぜひ読むことをおすすめします。


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もう1人は、この本でしか見た事がない作家、雨川ミユキ。「失敗」「或る事件」と1冊に2編掲載されていますが今回取り上げるのは後者の「或る事件」。


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恋。と、それにより軌道をはずれた日常。
駆け落ちした過去を悔やむ男、この現状は「俺のせいだ」と。


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それでどうするか、というと、どうすることもできず………ただ哀れに日々を過ごすのみ。


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夜や雪の不気味さ・静けさ・不安と希望を描く表現力を有しながらも 雨川ミユキ氏の作品はこの2つだけ。
ここではお見せしませんが、ラストのページの男の表情や文章…絶妙過ぎるのに、なぜ他に作品を残していないのか?不思議でなりません。
本誌はその他にも三橋乙揶に菅野修、南日れん、齋藤種魚と、夜行とその後継誌 幻燈でおなじみの作家たちの漫画が収録されています。作品群が織り成す暗さ、明るさ、日常、抽象は幻燈にも共通する北冬カラー。北冬書房の本はどんなものなのか?それが存分に感じ取れる1冊。ぜひ。


夜行18号はこちらから。


北冬書房の本はこちらから。


(中野店 せきロ)

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  1. 2016/05/23(月) 10:46:38|
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