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年末にふさわしい出物「理想主義者の屍に乾杯」

年末年始、そして首都圏、われわれの業界だとコミケ商戦ともいわれるこの時期。各店選りすぐりのよいものを取り揃えて準備していますが、個人的にはコンプレックスのこれが注目ですね。全3種、オリジナルでそろうとは・・・。

実は各店、水面下で「どこが最も早く全3種そろえるか」を競っており、少年マンガ、サブカル、さらにBLスタッフまでレースに参入してきた結果、もっともヤマジュンにふさわしい店コンプがそろえるとはある意味収まるとこに収まったなあと感慨しきりです。

そんなわけてこの時期は各店でトピックスに掲載されないよいものも多数放出するのですが、過去の僕の記事を読んでいただけると一目瞭然なとおり、僕のところにはメジャーなものは回ってこず、コミケ時期だというのに僕があげてるのはこんなもの

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だったりします。あまりにニッチ。あまりにアンチ季節柄。今改めてこの画像を見ると、浮かれ気分の世間に対してなんか腹に一物持っているかのような振る舞いです。そんな気持ちは全然なかったんですが、それはそれでやっぱり問題ですね。

さて今回、12月30日には久しぶりにこれが出ますよ。

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「理想主義者の屍に乾杯」です。
この本、山田玲司さんが23歳のころ、個展を開いたときに会場にて販売されたものではないかと思われるのですが、この本には「個展以後は商業誌に戻る」とあったので、モーニングで初期に短編などを定期的に発表していた後、宝島で「イデオロキッズ」を連載してたあと、それで「Bバージン」ブレイク以前という時期でしょうか。
バブルに沸き立ち平和ボケしてた大学生の中であえて学生運動するという浮いてる主人公を描いた「イデオロキッズ」はうまいこと娯楽と山田先生の主義主張がかみ合ってて、「イデオロキッズ」はそんなに嫌いではありませんでした。

そしてそれから20年後にスピリッツで連載された「ココナッツ・ピリオド」。連載当時われわれ従業員の中で、なんというか、うまく言い表せないんですが端的に言うと「スゴイ」「ヤバイ」といった表現に集約されるカンジでひそかに話題になってました。
表記で言うと「凄い」「すごい」「スゴい」ではなく「スゴイ」、「ヤバい」ではなく「ヤバイ」です。

将来的にスピリッツをこの時期読んでいた人のひと握りが、ノドに引っかかった小骨を取るように、あれはなんだったのかと気になって単行本を手にするだろうなという予感のする作品です。

さてそんな「理想主義者の~」は、氏の個展に来るという熱量の高いハードルをクリアした人に向けて作られたものですから、前フリも凄いことになっています。

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これが序文です。

つられて本作を通して読みましたが、マンガと「絵画小説」の区別がつかないのがやはり辛いところのように感じます。絵がマンガチックで、ふきだしを用いて発言するマンガ形式を則ったものですから、これがマンガではなく「絵画小説」といわれてもウームというか。

これはかつて弘兼憲史先生が、自分の描いているものはマンガではなく「ビジュアル・○○」だ・・・と自称していたのに酷似しています。マンガの様式をすべて用いているのに、自分の描いている内容は小説と同じ。一緒にしてほしくない・・・というのでしょうか。マンガを描いていながらマンガとくくられることを嫌がる感じは旧来の小説家・アーティストらと漫画家の社会的な立場の微妙な差を考えるとわからなくもないですが、しかしCGが身近になり、音声も映像も独自配信も含め、自分の表現が理想に近いところまで実現できる技術が現実にあるのに、先生方がそれによって新たな表現を開拓したという話は耳にしません。

「絶薬」からの山田玲司先生しか知らないファンの方はお勧めしたい本です。初入荷から数えると、1年に1度入ってくるかこないかの本ですし。

12月30日、本店2のショーケースにて出します。
  1. 2009/12/26(土) 23:57:51|
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