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ネコは写植で鳴く、ぎゃ~お~

貸本マンガ界では、望月みさおといえば怪奇マンガの描き手として名の通った作家ではありますが、かといって怖さを演出できてたわけではなく、ずいぶんとファニーな恐怖マンガを残していた作家です。望月みさおは化け猫マンガ、化け動物マンガ(タヌキなど)をたくさん描いてますが、基本的展開は伝承や言い伝えを応用したものが多く、目新しさはありません。望月みさおは望月あきらの兄弟なので、貸本隆盛期はそんなに高齢ではなかったと思うのですが、年はともかくセンスはじいさんだった人なんでしょうな。

しかし猫に噛みつく少女というショッキングな表紙の「猫になりたい」

猫になりたい2

もそうですが、絵の衝撃度という意味ではなかなかのものです。あらゆるマンガジャケットの中でもこの本のインパクト、そして僕の好き具合はかなり上位にランキングされます。内容はいつも勧善懲悪の似た感じですが、識域下への望月絵の焼付け温度は高く、カッと脳裏に書き込まれること請け合いです。
(この本もいつかきちんと紹介しますのでそれまでお待ちを)

今回紹介したいのはこっち、「怪猫少女」。

kaine1.jpg

貸本、というとまぬけな写植アートセンスが横溢していたジャンルです。望月作品にもここぞとばかりに写植アートが繰り広げられますが、もう少し何とかならなかったのか、いやむしろこの方が野放図で好ましいのか、いやまてこれじゃ恐怖マンガっていう趣旨目的にはそぐってない表現だろとか、なかなかに考えさせられます。

人間に化けることが出来る年を経たネコ、たまは鳴き声がすべて描き文字ではなく写植。間が抜けていて最高です。とはいえ文字でチコチコどうイイのかを表現するよりも実物を見てもらったほうが早いでしょう。たま登場シーン。

kaine2.jpg

「ニャ~~~ン」

kaine3.jpg

なにこの変なネコ、出て行きなさい!というシーンでも「ニャ~~オン」。
背景がサイケデリックですね。叫んでる、という表現なのだとしたらそれもそれでアバンギャルドだ。ネコが可愛くなくてホントぶさいくなのも望月作品の特徴ですよ。

kaine4.jpg

怪猫ですからな、鳴き声も恫喝ムードになるもこの鳴き方では怖くない。「ぎゃ~~ご~~」。

kaine5.jpg

しまいには妙に巨大化して「ぎゃ~」。
「うえ~っ、こーこの猫を~。」発音難しいですね。うん、ちょっとこのコマはタマやわらかそうなのもいいですね。巨大に見えますけれど、これ実際は普通の猫サイズなんですよ。すごい遠近感です。

この物語も「醜い老婆が裕福な家に復習するため、猫を人間に化けさせるも、猫が人間のオトコにほれてしまってうまくいかん」という、どこをどう恐怖するんだかポイントを事前にレジュメで配ってくれといいたくなる難解なストーリーです。それでもラスト勧善懲悪にムリヤリ押し込めていくあたりの手腕も見もの。すばらしいデタラメぶりです!

望月みさおはほかにもタヌキが尼さんに化けるとか、怖がらせるためのポイントをはずしまくったところに面白みがある作家ですが、動きや描写に吉田戦車ぽい一面もあり、「今日は好美のぼるほどアッパーな気分じゃないんだよな」というダルな日には最適な作家といえましょう。
  1. 2010/02/20(土) 23:49:29|
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