かつて
「殺伐としたムーミン」で紹介したことがある朝日ソノラマ・ソノシート「ムーミン」のジャケ中に収録されているマンガ版のムーミン。
パパの猟銃を勝手に持ち出すムーミン、納屋が火事になり放火魔として疑われるスナフキン、スナフキンをぶちのめせと騒ぐスニフやヘムレンさん・・・牧歌的とは程遠い物語に驚いた方も多いかと思うのですが、やっぱりこのコマがインパクトありましたね。

「トランペットのケースにライフルが入っているとはだれもしるまい」
「だれもしるまい」がムーミンの無邪気さを覆い隠してますね。
ところがこれ、じつは2バージョンあって、このせりふがない版もあるのです。

ほら!
このコマのセリフの部分だけ赤く塗りつぶしてるんですが、セリフあり版、セリフなし版、どっちが先なのかはまだ調べてません。普通に考えればこのコマの次のコマで、ミイが「あたいが知ってるわよ」と云うので、「だれも知るまい」がある版が話のつながり整合性がとれてます。
ではなぜ「だれも知るまい」をわざわざのちの版で消したのでしょう? 全編通してみたのですが、セリフの改変が行われているのはここのみなのです。
やっぱりこのコマこのセリフに違和感を感じた良識人がいたんでしょうねえ。それをおせっかいと見るか正しいと見るかは人それぞれです。
でも「スナフキンをぶちのめせ」「ざまあみろこんどはめをえぐってやるぞ」とかのコマはお咎めなしなんですよね。どういうんだかいまいち尺度が分からないというか。
ちなみにこういった細かいレベルでの異版の存在など書誌的な知識は、ムダと思われる細かか過ぎる知識も含め、マンガにおいてはあまり堆積していないのが実際のところ。マンガ書誌は絶対的に後世で必要になるし残すべきなので、せっかく大学がマンガ学に乗り出している昨今、だれかが系統的に行ってほしいところです。
ついでにこのコマ
もなんだかアナーキーですね。ライフル万歳みたいです。
まあ、とはいえちゃんと上からの流れを

を鑑みればそんなにヘンでもないんですが。
でもこういった「流れを無視してインパクトある1コマだけ抽出する」、っていうのは画像掲示板やtumblr上で割とよく見かけるんですよね。僕もよくやっちゃうので、自省しないとです。
- 2010/02/21(日) 22:09:43|
- こねた
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