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本気と書いて「マジ」の世界

僕が子供の頃の大人は「マジで」「ヤバい」「ビビる」「ハンパない」などという言い回しは使わなかったのですが、気がつくと僕より一回り上の世代でも、これらの言葉を普通に使うようになっています。特に「マジ」は、「真面目に、ですか」ではなく「それホントですか」と、どちらかというと「本気」のほうに意味がかかって今しばらく経ったようですね。言葉は時代とともに移り変わっていくものです。

かつて吉田戦車と川崎ぶらが「頼もしい日本語」の中で「ヤバい」の語源がいまひとつ不確かなことから「本来は矢が飛び交う場所のように危険」という意味ではどうだろう、とデタラメに提案していたことがありました。かなり古い方言由来とききますから、案外あたってたりするかもですね。

さて今日のお題ですが、本気と書いて「マジ」――。いうまでもなく立原あゆみの代表作です。
「マジ」以降も、立原先生は今でも現役でバリバリ量産してて、男の哀歌(ココ重要)を描き続けてます。

主人公がヤクザ・チンピラが多いため必然的に風俗嬢も多く登場するのですが、風俗上に向けるまなざしの優しさは全マンガ界でもピカ一だと思います。キャバ嬢やホステスが悪役で登場、もしくは汚く描かれたことがあっても、風俗嬢を汚く描くことはほとんどありません。
かつて高橋ヒロシ先生は「いかなる理由があろうとも女に手を上げる男は認めましぇん」と作外で記していましたが、これを見たとき、ああチャンピオンの美学であり遺伝子なんだなあと感じずにはいられませんでしたね。

さて立原先生の特徴といえば「本気とかいてマジ」のような変読ルビ。
さて問題です。では次のタイトルは、なんと読むでしょうか?

「弱虫」

答えは

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「チンピラ」です。えらくなったヤクザに興味が薄く、青臭く美学に準じがちな若いチンピラが好みな立原先生らしいセンスですね。でもよくかんがえるとブッとんでます。
次「仁義S」。

答えは

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「仁義たち」。仁義エスか?それともジンギーズか?と思いきや「たち」と言い切ってくる。人気作「仁義」の続編でもあります。

さて次「恋愛」は? だんだん難しくなってきますよ。

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なんとこれは「いたずら」。恋愛と書いて「いたずら」・・・。まあラブホ街のトラブルシューターが主人公なんで、多くの男女の不倫を描いてるという設定はあるにせよ。5秒以内にこの答えスラリと当ててくる達人は、日本でいる十人いるかいないかでしょう。その10人に入ってなくてよかったなあーとすら思えてきます。
帯も振るっていて、

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このきりつけるような字体! つのだフォントに次ぐ「立原フォント」です! そして
「世の中、どんな事も、不幸とは言わねえ。恋愛と書いて『いたずら』と読むんだから不幸なんてこの世にない」
よく考えてみると答えになってるんだかちょっと微妙ですが、立原センスが横溢してるのだけは確かです! たぶん立原先生は「不幸」ですら「さまよい」とか「むこうみず」とか「みらい」とか、とんでもない当て字してくると思う。

じゃあここで難問です。じゃあこれはどう読むんだろう?

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これは「ポリ公」そのままなのです! 僕悩みに悩んで「さすらい」とか「はぐれる」とか、そういう読み方するんだと洗脳されてましたが、ハズレ! 警察はどうがんばっても「ポリ公」、というなんか諦念にも似たタイトルです。

むしろ「警察」と書いて「ポリ公」と率直に読んだりしたらそれも愉快な気がしますが、でも桜田門の中の人は愉快でもなんでもないでしょうね。

さて、そんな立原先生の近刊で、いままでの変読センスを凌駕する極め付けが。さあ皆さん、

「涙星」

と書いてなんと読むのか。いままでの立原先生センスを学習しなおして考えてみてください! 

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さあ答えは出ましたか? 
正解は

「アース」

です! 
すげえセンスだ! 最高です、ついていきます! 絶対、来年度以降に男の子の名前で流行るよこれ! ジャケも最高なので(なんと装丁はナルティスだ!)ぜひ見てほしいんですが、画像なくてすみません! ナルティスのブログ(いつも読んでます!)の2010年1月16日に画像ありますよ!
  1. 2010/03/12(金) 23:15:30|
  2. 立原あゆみ

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