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石田のしわあせなマンガの日々 第3回「ブロードウェイオブザデッドに貴方は出てますか?って聞かれた」


こないだ、アメリカ系っぽいカップルが「ねえねえ、ちょっとイカしたゾンビ漫画探してんだけど、あんた知らねぇ?(意訳)」と話し掛けて来て、大方アレかい?ウォーキングオブザデッドでも探しに来たんだろ、それとも何かい?ちょっと背伸びしてアイアムアヒーローでも探しに来たのかい?と思って、頑張って中学英語で会話に挑戦してみたところ、なんとまぁ、探してるのは『ブローウェイ・オブ・ザ・デッド女ンビ』だって言うじゃあありませんか!すぎむら先生!あなたの漫画はワールドワイドだ!!「ブロードウェイは私の庭」「クールだよね、ブロードウェイ」「貴方もこの漫画に出てるの?」などと嬉しいこと言ってくれるじゃないのこのねーちゃん、などと気持ちが盛り上がってしまったので、
これもあれもそれもぜんぶ!ど次元!こんにちは、中野店少年コミック担当の石田です。
「ゾンビ」をテーマにした漫画を共に拝読してみましょう。ちなみに自分は残念ながら、女ンビに出られてないし、出てても自分でも気付かないと思われる没個性人間です…。

・久正人 / 幽幻夜想曲


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久正人さんのデビュー作『グレイトフルデッド』の前日譚にして、「久正人さんの前日譚」とも言える作品。


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全く、スマートな野郎だぜ…。
現在の作風に比べると、黒白のコントラストは抑えめに、やや「普通の漫画」っぽい印象ですが、殺陣の格好良さ・構図の斬新さはやはり随一の漫画家さんだと思わされます。
個人的には『ノブナガン』の連載からのアニメ化が物凄く早く、しかもアニメを観てみたらちょっとなんだかな感があり、出版社のアーススターを「よくも俺の久正人先生を使い潰してくれようとしたなァ…ぐぎぎぎ」等と訳の分からぬ怨み節を吹いていたのですが、こと、『ジャバウォッキー』の復刊・『フォービリオンナイツ』の出版に至り、アーススター様々やんけ!!ありがとうアーススター!!等と軽やかに掌返し。
こちらの漫画は一編のみ収録の小冊子なのですが、単行本複数購入のうえ、抽選という中々の入手難度。何人の方が手に入れたのやら…?
グレイトフルデッドに登場する老人、リー・リンチュウ、若き日の霊幻道士としての活躍。キョンシーが感染・発症で広がるゾンビ的なものとして描かれるのですが、死後硬直後の体をポキポキ鳴らしながら動く様が、なんとも痛々しい…。

福満しげゆき / カワイコちゃんを二度見る


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ゾンビ取りガールのいる場所は既に(ご自分で)福満さんが10年前に通過した場所だッッッです。
古泉智浩さんが、あの冴えない感じの日常系にゾンビをメインテーマとして取り入れた名作『ライフ・イズ・デッド』はこちらの作品に影響を受けた、と公言されている作品「日本のアルバイト」が収録されたのがこちらの短編集。


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関係ないですが、「ゾンビランド」って映画が割とこんなノリでオススメ。マッチョなやつだけがゾンビパニックから生き残れる訳ではない!…と思いたい、もやしもんです。
この本、初期ガロ作品とアックス掲載作品とが入り交じって掲載されてて、福密さんの現在に至るまでの絵柄3種全部見れる、ってのもオススメポイントの一つです。


うぐいす祥子 / フロイトシュテインの双子


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「ひよどり祥子」名義で「しびこえ」を連載中に、突如「うぐいす」名義単行本の出版。
うぐいす祥子復ッ活ッ うぐいす祥子復ッ活ッ…小躍りしました。


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金持ちの家に家庭教師のバイトに行ったら、内臓全消しのゾンビにされちまったぜ!ピャーッこの双子邪悪!という酷い話。絵は底暗いのにアッパーなギャグノリ、な祥子先生のエンジン全開っぷりを存分に楽しめます。
こんな感じでバンバンさっちゃん先生の作品集が読みたいのだぜ!頼むゼアオハル!!と思ってましたが、雑誌休刊。続くアトモスも休刊。ホラーが生き延びる道は狭い。とりあえず、アトモスの作品集は是非とも出版宜しくです、集英社様。
…このペンネーム、もしかして「闇夜に遊ぶな」復活の布石だったりすんのかな!?なんて期待してましたが、しびこえ以外を描く時はコレ、ってだけっぽいですね…。

日野日出志 / 畸書


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日野日出志の作った映画「ギニーピッグ」だったり、妖怪図鑑みたいのとか、絵物語とか、色々素敵に詰め込まれた本。漫画も少々。まぁー、ヤバい話が多いです。胎児を料理して食べてたら祟られる産婦人科医とか。魚を研究してたら怪魚みたいのに出会って体の内側から支配・変異させられる研究者とか。


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中でも随一のヤバさがコレ。体が腐っていく病気にかかってしまったのだけど、痛みとかが無くて、それを止める術も無くて、「自分が腐って死ぬ様子を主観的に追いかける絵物語」。
日野先生の作品に出て来る死とか生とかに関する考え方の柱が、形になった様な作品なのかな、と思うのですが、まぁーコレが怖い。
「死ぬ時のこと」をイヤでも想像させられてしまうイヤさ。
ゾンビに噛まれてゾンビになってしまえればもう、思考とか放棄して、仲間と人をガブーッとやっちゃったりなんかして毎日楽しく暮らしていけるんじゃないかなー、なんて思うんですが、「滅びる最後の時まで意識が残り続ける」のはめっさイヤだ。ゾンビハンターとかに一思いでやってくれー、って頼みにいくと思う。
死ぬにはいい日など
死ぬまでないッッ
いつだって今日を生きるしかないッッッ

なお、こちらの作品は「DEADMAN」のタイトルでコミカライズされているのですが、何故か単行本未収録。コンビニコミック『サーカス綺譚DEADMAN』のみでしか読めません。2016年2月現在、こちらのコンビニコミックは500円買取中です。

白川まり奈 / 怪奇!猫屍鬼(ニャンシー)の街


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最後はコレ。俺ベストゾンビ漫画。力みなくして解放のカタルシスはありえねェ…。


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非常に恐ろしさ溢れる表紙画像からの、ちょっと頭のおかしくなりそうな背景説明スタート。これですよ、力みから得られる解放のカタルシス。
でもまたすぐに表紙画像のヤツが登場して来て、読者は力むことになるのですが、そいつの行動がまた気が抜ける様な間の抜けた雰囲気で弛緩。
結局、悪いことしたら自分に返って来るぞ、的な物語なので、自分に子どもが出来たら是非共読ませたいひばりコミックスベストワン、でもあります。まぁ、脳味噌露出させた女の子がメインで登場する漫画が、果たして子どもの読むものとして正しいのかどうかよく分かりませんけども…。

近年、QJのキノコンガすら手に入れにくくなっており、こちらの作品も白川作品の中でも人気が高く、現在当社通販には載っけられておりません。すみません。
なので、面白い漫画はバンバンまんだらけに持って来て下さい、ってことですね!高く買い取りますので!!(綺麗な終わり方)


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(中野店:石田)
  1. 2016/02/13(土) 10:51:54|
  2. 中野店石田

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