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和製クトゥルフの萌芽を感じよ・・・「アリシア・Y」」





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今回ご紹介するのは茜新社にんじんコミックスから出版されたタイトル「アリシア・Y」です。
作者は成人向け漫画家として有名な後藤寿庵先生です。
成人向けの作品では主に「童貞」や「ドM」などを題材をテーマにした作品を今でも発表し続けている大ベテランの作家さんですが、初期の作品にはSFテーマやコメディタッチの作品も存在しています。
「アリシア・Y」もそのような初期作品となります。

この「アリシア・Y」、94年の作品ですが今でも語られることが多い作品です。
その理由が日本でも「クトゥルフ神話」をメインテーマに持ってきた最初期の漫画だからでしょう。
「クトゥルフ神話」といえばいわずと知れたHPラブクラフトの作り出した創作世界であり、その世界観を使った作品は小説だけでなく、TRPG、ゲームと様々な広がりを見せており今でも強い人気を持っています。

「ニャル子さん」のアニメ化やニコニコ動画の動画配信などで若年層にも認知度グッと高まった「クトゥルフ神話」ですが、80~90年代のHJでの翻訳出版されていた時代はSFの延長線上にあったコアホビーという趣が強いジャンルでした。
そのような流れで「クトゥルフ神話」そのものを題材にしたアニメ、漫画、ゲームはまだ数少なく「アリシア・Y」も数少ない漫画作品と一つでした。

「クトゥルフ神話」関連の漫画作品では「アリシア・Y」よりも若干前に発表された矢野健太郎「邪神伝説シリーズ」も有名です。
「邪神伝説シリーズ」は短編シリーズが続くオムニバスの形式を取っており、本家ラブクラフトやその周辺作家達による「クトゥルフ神話」作品と似た形式ながら、ラストエピソードを代表する少年漫画らしさも上手く融合しており、和製クトゥルフ作品として人気のあるタイトルです。

「アリシア・Y」も「邪神伝説シリーズ」に続いて発表された和製クトゥルフ作品であり、出版社の特色かエロティックな表現も多い作品となっています。


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こちらが主人公のアリシア。苗字に注目・・・



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こちらは敵役となるジョン・ディー博士。一応実在の人物です!


1巻完結の作品ながらクトゥルフ神話に登場した人物が多く登場し、日本漫画的な能力バトルを繰り広げたりと「邪神伝説シリーズ」ともまた味付けの異なった「クトゥルフ神話」と日本の漫画の融合が楽しめる作品となっています。


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もはや隠す気もないナイアールさん(=ニャルラトホテプ・・・)とクトゥルフさんの楽しげな語らい。さりげなくニャル様とクトゥルフの絡みは珍しい・・・なんかクトゥルフさまはいい人みたいな雰囲気が出てるのも日本的・・・?


面白いのが、主人公のアリシアを代表としたキャラクター達のパワーインフレぶりで、アリシアの友人(?)ナイアールとアリシアの出自もチートクラスの設定。
実際に「クトゥルフ神話」を読んだことのある人ならば誰もが想像したことがあるであろう、宇宙的驚異をなぎ払う妄想を具現化したかのごとき内容となっており、実に日本漫画的に正しい展開となっております。


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主人公勢がヨグソトースとニャル様というチートパーティーでディー博士涙目の案件であります。

このような作品が源流となり、更なる和製クトゥルフ神話である「沙耶の唄」、「デモンベイン」や「ニャル子さん」といった作品へと繋がっていきました。
最近もデータ販売やウェブ公開などで続編が描かれたりと未だに後藤寿庵先生的にも特にお気に入りの作品の模様。
ウェブ公開も存在する作品ですが、そこはやはりクトゥルフ神話的な「怪しげな本、物といったアーティファクトを手にとり、そこから恐怖が忍び寄ってくる」といったプロセスに沿った、本実物の重みも手にとって頂くのも一興ではないでしょうか?


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続編が載っているクトゥルー神話ダークナビゲーションもどうぞ・・・


(中野店/黒田)
  1. 2016/04/17(日) 11:00:14|
  2. 中野店黒田

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