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適当に癒されたいの。『地獄のリラックス温泉』




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『地獄のリラックス温泉』
恋煩シビト/新潮社/2014年

こんにちは。日々同じ場所で働いていると目に見えない澱のようなものがどこかに溜まってきて、遠くへ行きたくてどうしようもなくなるコミック担当スタッフの朝日です。
ひと雨ひと雨ごとに秋が近づいているって実感する近頃ですね。
真夏の陽光に灼かれながら入る露天風呂もいいですが、外気が裸に寒いくらいになってからが本番だとやっぱり思います。
ああ、出かけたい。ここではない☆どこかへ行きたい。

今回紹介したいタイトル『地獄のリラックス温泉』。
アラサーBL漫画家の「M」が仕事の合間合間に車を飛ばして、方々の温泉に入りまくるという内容。
同じ温泉マンガでも濃厚な『湯けむりスナイパー』とかに比べると、格段に人間に興味がなくてユルい感じです。


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半ばエッセイ入ってそうな食事や入浴描写、ご当地イケメンと出会ってドキドキ…とそんなマンガではあるんですが、正直言って私、そこまでもの凄くこの作品を名作だとは思ってないんです。主にBL方面で活躍されている方ですが、そっちの著作もそこまでピンときてはいません。じゃあなんでわざわざここで取り上げるんだ?っていうところですが…。

・おもしろみ1
入浴描写がすごいてきとう。


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だって、女の人描いて、岩描いて、あとトーン一枚でできている!


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女の人+岩+トーン2種


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手前にいる女の人と奥の背景植物の細かさの縮尺が実にてきとうだ!

「省略の美」とか「シンプル」でなく、確かなてきとうさなんですが、読んでいて全然悪い気がしないのがこのマンガの面白いところだなーと。新鮮な感覚です。
たぶん妥当感があるからなんです。あー、いざ湯船に来ちゃってめがね外して浸かったら、だいたいこんな感じよねと腑に落ちるてきとうさが、こころよい。
私もこの「M」ほど、そこら中巡ってはいませんが、それぞれ特色ある温泉を経験してます。泉質、温泉街、その歴史、特産グルメなどそれぞれたんまり蘊蓄を含有してるんですが、結局めがねを外して浸かってしまったらまあだいたいこんな感じよね。
タオルで鼻頭に浮いた汗を拭って、のぼせるまで入っていたい。

ここだけの話、いくつも温泉に入っていると、あれはいつのどこの事だったかなんてわからなくなりませんか?
することはどこでも一緒なんです。疲れる毎日から脱け出して、気力をふりしぼってたどり着いて、湯につかって、うまいもん喰って寝て帰る。
あたかも恋において行為のみを抽出すると途端に退屈になるように、ただの繰り返しなのでしょうか。
結局やる事は一緒?でもしている間はめちゃくちゃ気持ちいいんだよ。

・おもしろみ2
温泉イケメン群

この「M」、行く先々の温泉でイケメンと出会います。しかもただのイケメンではなく、温泉ご当地っぽさを擬人化したようなイケメン達ばかり。


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たとえば熱海で「M」と交流をもつこの御仁。
若い頃はさぞモテただろう事が窺えるナイスミドルで、まるで過去の賑わいを思わせる熱海そのもの。
本業はBL作家だけあって、女性キャラクターより何倍か魅力的。ファンタジー感すらあります。
女性キャラはホントずべーっとして土着的な体型なのに。


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他にも、北海道白金温泉にて、大地の滋味を感じるようなイケメンと…


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長野県白骨温泉にて、うそ寒いほど白い肌を持った妖しいイケメンと…。


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そして主人公「M」はこれらイケメンと触れそうで触れ合わないんです。
「M」には一度行った温泉地には二度と訪れないというマイルールがあり、それぞれのイケメンとの出会いも一度限りの儚いものとして描写されます。で、これってまるで「観光」そのものじゃないかと思えてきます。
その土地に住むものでしか描けない風景もあるでしょうが(作品としては、古い所では『まんだら屋の良太』とか、最近では『雪にツバサ』とかでしょうか。)観光で訪れたものにしか描けない、至極てきとうで恣意的で、色眼鏡越しにしか見えない景色というものがきっとあって、作中で主人公「M」がご当地イケメン達に一方的に向ける性的な眼差しも同様に、じつに「観光」的です。


・おもしろみ3

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Googleで試しに「混浴 ワニ」と検索してみて下さい。
けっこう怖い感じの結果が出てくるはずです。ご存知でしたか?
私も噂くらいしか聞いた事はないのですが、確かに有るらしいのです。女性を待ち構えて何時間も入浴している「ワニ族」たむろす混浴温泉が。
温泉と言えば、温泉芸者だコンパニオンだ、風俗的要素とは切っても切れない関係にあるものですが、ここまでダイレクトだとさすがにちょっと引きますね。

・結び
ともかく、我々は(というか、私は)温泉に行く事で解放されたいのか?本当に解放されているのか?
結局することは一緒なのに、家の風呂と圧倒的に違うのは何故なのか。


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よくわからないし、ずっと湯に入っているとぼんやりしてどうでもよく思えてくる。
温泉に行こう。地獄のような日々の塩梅を9だとすると、湯につかっている1は極楽だ。
極楽の為の地獄なのだと、そういうことにしておこうかな。

あと、杉浦日向子の『百物語』だと思うけれど、さすらう父子が野原で温泉を見つけ、滅茶苦茶熱湯なのに触れたら離れられなくなってしまいどんどん引きずり込まれ、しまいには子供だけ残されるーという恐ろしい話を思い出しました。
多分温泉に行きたいだけなんだと思います。

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いつだったかマイシャンプーの誘惑を捨てて、シリコン入り安シャンプーだろうが竹炭入りのちょっといいやつだろうがかまわず頭を洗えるようになったとき、自分のこと成長したなって思いました。











『地獄のリラックス温泉』はこちら
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そのほか恋煩シビト作品はこちら
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(中野店/朝日)
  1. 2016/09/02(金) 10:57:00|
  2. 中野店山田

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