岩井の本棚、SAHRAの本棚

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根底に流れる兄弟愛。金と銀に光輝くむさ苦しい漫画。




いましろたかし「新釣れんボーイ」単行本出ましたね!
前作から約15年の時を経ての新連載と単行本の発売!
出版元のエンターブレイン(eb)の懐の深さに敬意を評したいです。
ですが、いましろさんのツィッターで「1巻と表示はしない。何故なら売れなかった場合2巻がでないから」との事。売れたら「続 新釣れんボーイ」として出されるそうです。みんな買いましょう。
それと、来年2月頃には未収録含む「ぼくトンちゃん」の完全版が発売されるとの事。(これは超絶嬉しい!)
そして現在、いましろたかし企画・原案で、ドラマ「そのおこだわり私にもくれよ」でキスシーンを見せた漫画家大橋裕之が初主演の異色映画「あなたを待っています」の制作と話題に事欠きません。

で、久々に「むさ苦しい男たちの漫画」を紹介しちゃいます。ebから2000年に完全版として発行された「平成地獄ブラザーズ ハード・コア」作者は勿論いましろたかしで原作は狩撫麻礼の黄金コンビ。


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物語は、権藤右近(兄)権藤左近(弟)の兄弟が主軸になります。


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どこかで見た事ありますね。過去に紹介した「初期のいましろたかし」に登場する兄弟まんまなのです。こちら!


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                    「初期のいましろたかし」より


読んでいない方はこちらから
http://iwainohondana.blog85.fc2.com/blog-entry-216.html


エリートの弟とは、対照的なむさ苦しい兄。
相変わらず社会に馴染めずに行き場のない怒りや性欲に日々悶々としています。
この「ハードコア」前半部だけ読めば初期のいましろワールド全開でそれだけでも楽しめますが、原作者が「越境する魂の探求者」狩撫麻礼が描いているのだから一筋縄ではいきません。
後半部はネタバレになるので触れませんが、前半部をちょろっと。

ざっとあらすじ…
社会に適合できない権藤右近を毎月親の命で監察するエリートの弟、左近。
右近は、廃工場に住む知恵遅れの牛山を友達とし、埋蔵金を掘るアルバイトに従事していた。

上巻3話目「夜に誘われて」
 
9月の暑い日に牛山の居る廃工場に右近が冷えた缶ビールを持って訪れます。
二人で飲んでいると牛山がおもむろに「オンナ…」と呟きリュックサックから
風俗(デリヘル)のビラを取り出し右近に見せます。「システムをわかっているのか?」との
問いにサッポロ一番塩ラーメンとおもしき空袋からジャラ銭を広げ始めます。
ジャスト2万円!金はある!!しかし右近は牛山に「おまえセックスしたことあんのか?」


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                         虚しすぎる!


右近は牛山のピュアな部分を敬愛しており、友として何とかしてやりたい気持ちで、
自宅をデリヘル用に使えと提供するのです。


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      電話で予約を入れて部屋を片付けて、布団を敷いて枕元にティッシュ箱とコーラ2本をセット!用意は万端!!



右近は心配なので押し入れに身を隠して待機。
時間が来てついにデリヘル嬢がドアをノックします。緊張の牛山とそれを暗がりで見守る右近。


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これはもう嬢(じょう)とは1mmも呼べないババァが来てしましました。
部屋に入るなり、嫌味を言いタバコを吸いだすババァ。前金制だと金を先に要求し、
例のごとく、サッポロ一番塩ラーメンの空袋から小銭をジャラジャラ出すと、ババアは
「数えるの大変じゃん万札ないのぉ?」と怒り狂いながらもしっかり数えはじめます。
それでも欲情してしまう悲しい牛山。ババアの尻を触ろうとしたら「焦るんじゃないないよ」
とタバコの煙を顔面に吹き付けられます。
しまいには「あんた年いくつ?」などと説教しだして見え見えな時間稼ぎをして(牛山にはわからない)便所に行くと言ってプレイをせず逃げようとするババア。
居てもたってもいられず押し入れに身を隠していた右近が飛び出しババアに問い詰めます。
「てめえこそ年はいくつだ!!」
集金したジャラ銭が部屋中に飛散して象のような重くて鈍い足音をたてババアは逃走していきます。

そんな虚しい夜。(この後も右近は牛山に筆おろしをさせたくて色々奮闘します)
牛山の寝床の廃工場近くから猫の鳴き声が聞こえてきます。
「猫の集会」と牛山は言い、かぶり物を右近に被るよう指示出しして集会場に向かいます。


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そこには数十匹の猫たちの大合唱が。それを見て微笑む牛山と牛山を見てまたも
「不憫なヤツ」と涙ぐむ右近。
なんかこの最後の詩的なシーンに繋がるこの回が好きです。という事を伝えたくて長々説明
しました。

他にも、怒りっぽい兄右近と常識人でエリートの弟左近の殴り合いだとか、牛山が歯が痛くて
左近(弟)から保険証を借りて歯医者に行く話などどれも面白い。
でも、上巻後半から下巻にかけてのスピード感や緊張感は圧巻で前半は言ってみれば、
いましろワールド全開ですが、後半部からそれに狩撫ワールドが加わり急転直下の展開を見せて
くれます。
またこの二人のタッグの新作を見てみたい。できれば説教臭くないやつを!


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担当・札幌店田村
  1. 2016/12/08(木) 11:00:54|
  2. 札幌店田村

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