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楽しめ!バターになっちゃうぐらいに!卑屈な高校生たちが織り成す青春群像劇




普段、剣と魔法のファンタジーばっかり読んでいて
青年誌の漫画にあまり手を出していない担当ですが
何を隠そうヤマシタトモコさんの漫画が好きです。
伝えたいこととかを、くどくど長文で講釈垂れるのではなく
見開きでバッ!バッ!とか、ページめくったら一面の泣き顔!とか
小さなコマの僅かな表情や仕草でこちらに全てを悟らせてくれたりする。
そんな繊細な感性が漫画で思う存分出力されていて涙腺をいつも刺激されます。
そんな中でも、特に最近読み直して胸にキたのがこちら。


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「BUTTER!!」 ヤマシタトモコ

タイトルのバター!!は、ちびくろサンボのトラを追いかけて
ぐるぐるやしの木の周りを回り続けたら
遠心力でバターになっちゃった・・・というアレが元ネタですね。

この作品は、それぞれの鬱屈を抱えた高校生たちが
部活として巡り合った社交ダンスを通じ、
楽しむことの嬉しさや難しさ、全力を尽くす達成感を知り、
自分や周りと向き合っていく青春群像劇です。

ワォ!社交ダンス!バラエティ番組の某社交ダンス部でしか
実際に踊っている模様を目にした事がないわたしですが
最近、バレエやダンスなどに造詣が深いアニメにハマったばかりだったので
久しぶりに読み返すのもとってもわくわくしました。わくわく。


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主人公たち新入部員は、それぞれ小さな理由から入学してすぐに社交ダンス部の門を叩きます。
中でも、ダンスのジャンルを勘違いして入部した夏(なつ)ちゃん、いじめっこに勝手に入部届けだされてしまったオタクの端場くんの二人は、
若干不本意な気持ちのまま社交ダンスの世界へと飛び込みます。


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最初こそ慣れないステップや、不用意にパーソナルスペースを侵す
ダンスの組合いなどに戸惑いを隠し切れなかった新入生部員たち。
自分、家族、友達など、いろんな物事に対して半端な気持ちで向き合っていた彼らはうまく踏み出せないことばかりで他人の機微にいらいらするばかりです。

しかし、先輩たちから厳しく教えを請い、まだ知り合ったばかりの
新入部員同士で汗を流し、笑いあい、本音でぶつかりあっていくうちに
ダンスを通じて物事に全力で挑むことの本当の楽しさに気づいていきます。


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楽しいを飛び越えた先に、もっと楽しいが待っている。
考え込んでダメになりそうな端場くんより先に体を動かし感じることで
そのことに気づいた夏ちゃんは、出遅れてしまった頭でっかちな
端場くんをぐいぐい新しい景色へとリードしていきます。


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時には、プロのダンサーから楽しさの真髄を知ることもあります。




個人的にはこのプロダンサーのお兄さんこと宇塚さんがめっちゃいいキャラで
台詞とかもハッとなることが多くて凄く好きなんですが、
ヤマシタトモコさん作品の天才キャラって
何故変人ばっかりなんでしょうね・・・いや最高。
宇塚さんもそうですが、衣装協力してくれる女の子が
クリエイターとしての苦悩にぶちあたる話だったり
顧問の先生が問題を起こした生徒に対して重い一言を放ったりと、
彼らの楽しいを支えてくれるサブキャラクターの人間性の厚みも
またこの本の魅力のひとつです。



体調を崩したり、時間に追われてしまったりで
何かに全力を充てるというモチベーションが徐々に下がってきた頃。
担当は、この作品を読み直したおかげで
「やらない後悔より、全力でやってする後悔!」という
とても前のめりな気持ちに大きく傾きました。
どの趣味にも通ずることだとは思いますが、
心がそれしか考えられないほどに踊っている時は
最高に気持ちよくて、言葉では伝わらないようなことも
きっと誰かの心に響きます。

担当も彼らのように体が反射的に動いて、息があがって、耳たぶが熱くなって
それこそ、どろっどろのバターになってしまうぐらいの
“ 楽しい!! ”を、もっともっと見つけてみたいものです。


(中野店/まりな)
  1. 2016/12/30(金) 11:00:55|
  2. 中野店まりな

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