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つにてんてん/1

「ブラックジャック」の「報復」という話は割と有名なエピソードなので、読んだことがある人も多いかもです。この話はエピソード以上にことばの問題で印象的です。

ブラックジャックに息子の難病を治してもらおうとイタリアの富豪が来日。しかし日本医師会は無免許医だから、メンツをつぶされることになるから日本では手術させないよと言い放つ。富豪は怒り、政治力をもってしてブラックジャックに手術してもらうぞ! と医師会会長に通告。それを見送った会長が一言

「なめるなよイタ公め」。

ところがこの単語は、まず初期の文庫判ではこう修正されます。

「なめるなよイタリアやろうめ」と。

さらにその後、平成になってからの版、つまり現行バージョンはこう変えられています。

「なめるなよイタリアの成金め」。

ita1.jpg ita2.jpg

今回「イタリアやろうめ」バージョンだけ見つからなかったのですが、「イタリアやろう」だけだとよく意味がわからなかった言い回しをうまく言い換えた3番目は自然ないいまわしなので、セリフが書き換えられたかどうかは初見だと判断つきません。こうやって言葉やそれを生んだ時代性というものは消し去られなかったことにされていきます。

これに限らずブラックジャックはセリフの書き換えが非常に多いのですが、イタ公をイタリア野郎に直せばよいのかというとそうではない。ことばも概念も時代によって移り変わってくものなので、後になって問題になることがあるかもしれないけれどそれをひっくるめて表現なのです。それが後にあやまりになったからといって体裁だけ整えても意味はありません。

何故こんな話をしたのかというと、刊行が予定されている「手塚治虫全集・文庫判」で、このような書き換えがどの程度行われるのかが気になるからです。
旧全集も初再で言い回しが異なる部分がめだちますが、昔のように言葉尻を捕らえただけの言葉狩り的なものがそこそこ収まった今だからこそ、初収のまま掲載してくれないかなあと感じます。
  1. 2009/07/06(月) 23:01:48|
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