岩井の本棚、SAHRAの本棚

スタッフがマンガ界のニュースとおすすめマンガを紹介します!

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

小粒でピリリと辛い、ゴブリン公爵




170617-01.jpg

170617-02.jpg


「ゴブリン公爵」が好きっていうと返答が「はぁ?」と95%ぐらいの確率で返ってきます。
大体数ある手塚治虫作品の中から好きなもの、ってなると普通は「BJ」「火の鳥」、たまに「シュマリ」「陽だまりの樹」あたりなわけで、奇をてらうと「サンダーマスク」「ブッキラによろしく」(のズルむけチンコ)とか出てくるわけで「ゴブリン公爵」とかはあんまりネタにもならないし出てくることは少ないタイトルです。
ゴブリン公爵は所謂「ビッグX」「マグマ大使」、特に「魔神ガロン」の流れを汲んだ巨大ロボットもので特撮ものやロボットアニメの影響が強いタイトルとなっています。
表紙の巨人像は燈台鬼という、人の精神を宿らせて動かす一種の巨大ロボット。宿る人間の精神によって善にも悪にもなる存在=良いも悪いも使い手次第といった設定は鉄人28号やマジンガーZからの巨大ロボットの一つのテーマでした。


170617-03.jpg


燈台鬼は古代中国の産物で頭のろうそくが消えてしまうのが弱点。その身近な要素と東洋的なデザインと設定が一風変わったロボットものとして作品に風味をつけています。
ではタイトルの「ゴブリン公爵」は誰かというと自らをゴブリンと名乗る珍鬼という敵役。


170617-04.jpg

170617-05.jpg


主人公に毒を盛られる!この微妙にリアルな描写が後期手塚作品の世界全体に対する不信感!



このゴブリンは見た目は美形の少年で強力な超能力を持つという悪のカリスマ的存在…といえば「バンパイア」のロックを想像させますが、そこは手塚作品、どうにもぬぐえない小物感が彼にも宿っているのが手塚作品の宿命なのでした。
ヒロインの愛愛は幼い頃救ってもらって恩もあってゴブリンに気があるものの、主人公にも心惹かれる…といった三角関係もこの作品の肝で、似た要素も多く含む怪作「アラバスター」や「MW」などにも繋がる要素となっています。


170617-06.jpg


主人公は「ミクロイドS」などの後期作品にありがちなアッケラカン、すっぱりとした面も好少年でここら辺も上記作品に似たところを感じます。
こうやって作品を因数分解すると、この「ゴブリン公爵」、「バンパイア」「魔神ガロン」など要素を継承しつつ再構築した作品で、二巻という割合小粒な作品ながら手塚作品らしさが一杯に詰まった作品であることがわかります。
きちんと終わることがなかった「バンパイア」「魔神ガロン」といった作品と比べて「ゴブリン公爵」は後半の燈台鬼大暴れのシーンでストレスを解消させつつきちんと終わっており、手塚作品晩年の落ち着きを感じさせる作品となっています。


170617-07.jpg

170617-08.jpg


そういった中でもお楽しみ要素を残しているのも手塚作品の良い所で、後半現れる「ロボイド」の今までの手塚メカとは一線を画するデザイン(デザインライン的にはプライムローズの宇宙船などよりか?)や、吾妻ひでお作品に影響を受けたと思われるロリっぽいキャラなどアンテナの強い手塚らしい要素も楽しめます。


170617-09.jpg
わざとらしいパンチラまでしてくる吾妻風美少女。ヒロインが美女寄りの成長をしてしまったので急に後半華を添えるために登板した模様(?)



170617-10.jpg

170617-11.jpg
こちらが前述のロボイド…と、なぜか突然しゃべり始める燈台鬼…


「アラバスター」「プライムローズ」「ミクロイドS」そして「ゴブリン公爵」と秋田書店から販売された後期手塚作品はどこかしら退廃的、終末的な雰囲気が感じられ、その独特の「闇」が一般人気を阻害している感もありますが、円熟していた時期だからこその美味しさのある作品ばかりです。
特に過激な「アラバスター」「プライムローズ」は話題になりますが、小粒ながらもピリリと効く「ゴブリン公爵」もなかなかどうして手放せない作品ですよ。


170617-12.jpg


いつもゴブラーダ、ゴブリーンと唸ってたのにホブゴブリンと唸りだす燈台鬼…

あ、でも一番の見所はカバー開いたところの手塚先生ご本人ですかね(笑)


170617-13.jpg


(中野店 黒田)



ゴブリン公爵はこちらから
  1. 2017/06/17(土) 11:00:21|
  2. 中野店黒田

まんだらけ 通販

まんだらけ オークション

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。