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ささいなことから超悲劇

ちょっと前の女子向けケータイ小説ではレイプ、妊娠、自殺未遂が3種の神器(もしくはクスリ、DV、友達の死)でしたが、これらは難しい心理描写なしに、簡単に悲劇を味わえたから多用されたわけです。探してみたわけではないですが、上記の6種類が全部登場するのだってあってもおかしくないですね。たとえば・・・

再婚して家にきた義理の父にレイプされた少女が妊娠、自暴自棄になって自殺未遂、友達に誘われクスリに手を出すも、友達がクスリのやりすぎで死亡・・・でも人生をやり直して明日からは違う自分になる!って、なんか意外にスパっと要約できたしホントにありそうです。

少女マンガでもこの「不幸もの」は連綿と続くジャンルですが、昔の少女たちはあまりに些細なことが不幸への発端となってました。今の子達の「クスリくらいはヤンチャで済ませてOK」的な道徳のなさからは考えられないほど、犯罪に対して道徳的。

まず1974年のマーガレットから。

あした1

どうとでも取れるけれど、いったん不幸だと分かったらなんとでも味付けできる抽象的な不幸タイトルですね。どんな物語にでも流用可能なタイトルです。少女マンガなのに、左下に古紙回収業の人が写ってますが・・・。

あした2

主人公はあこがれの男子とやっと帰り道に話が出来た!と喜んでると、そこにちり紙交換の車で父親が通りかかる。カレは裕福な出なので、自分の父の仕事への恥ずかしさのあまり何もいわずに走り去る主人公。

あした3

それを知って傷つく父親は、何とか娘のためにも甲斐性見せてやらなきゃな・・・と「知り合いに紹介してもらったんだ、マイホームを作ろう!」。喜ぶ主人公。

あした4

しかしそれはサギだった!金利が膨大になり気苦労でやつれる夫妻。金策?何とかするよ・・・といって父親が選んだのは宝石店への強盗だったのです!このシーンの苦悩さを表すヨジヨジ線の描写が怖い!なんだか不穏になってきましたね!

あした5 あした6

急に場面は変わり大晦日。主人公にご馳走を振舞い、きれいな洋服も着て、さあ初詣にいこう!と咳き込みながら両親は言う。だけれど向かった先は人けのないガケだった・・・

「かあちゃん、なんでこんな所へくるの?あたりにはだれもいないわよ」
「誰もいなくていいのよ・・・悦子」「私達は私達だけの新しい世界へ出発するのだから」

ギャー! 一家心中。ガケから飛び降りて、主人公以外全員が死亡、主人公だけが生き残る・・・これだったら死んだほうがよかったよ!と誰しもが思う悲惨な結末。

あした7

でも柱には「悦子、生きていて本当に良かったわ!これからがんばって、みんなの分も生きなくちゃ!!」・・・んなバカな!わーんお母さん、そんな明るく前向きな話じゃないよう。

あたしがわがまま言ったばかりに・・・って主人公泣いてるけど、たいしたわがまま言ってないんですよ。教訓的には「背伸びするとロクなことない」なんだろうけど、せめてマンガの中くらい逃避させて欲しいですよ? 善人しか登場しないのに、あれよあれよという間に一家心中。怖すぎる、怖すぎます。

昨今のケータイ小説では思いもよらないアットホームだけれど凄惨な結末。これを読んだ多くの少女はうっかりパパのプライドを萎えさせる発言せんようにと言動に相当注意するようになったと思うのです。

でもコレくらいで驚いちゃいけません。たかだが色えんぴつ一本で関わった人全員が不幸のドン底に落とされるのが「誰もゆるしてくれない」。続きはまた明日に!
  1. 2009/05/17(日) 21:05:57|
  2. 少女マンガ

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