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スタッフがマンガ界のニュースとおすすめマンガを紹介します!

見守らずにはいられない、ヒゲミミシッポの思春期男子




お久しぶりですこんにちは。
数年前に実家を出て以来、猫成分の枯渇が深刻化する中野店白石です。常に3~4匹の猫に囲まれていた生活が長く続くと、夏場クーラーを入れるタイミングの指標として猫たちのだらけ具合を確認しようとしたり、冬場こたつに入るとき必ず中を確認したりという癖が抜けなくなります。そして威嚇の声とともに飛んでくる猫パンチがないことに空虚感を覚えるわけです。
今日はそんな心の死活問題に一石を投じるこちらをご紹介。

集英社/稲葉そーへー/しらたまくん(1巻~最新7巻)


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しらたまくんこと白玉雄介は、突然変異で人の言葉を話すようになった猫。人並み以上の知能もあり、世界で初めて人権を与えられた猫として一躍有名になります。飼っていた夫婦に養子として迎えられ、息子(猫)となり生活することに。
…という出来事を過去話にして始まるのがこの漫画。しらたまくんが高校生になり、一連のバックボーンを全く知らなかったヒロインの同級生・葵が「入学式に猫がいるーーーー!!!!」と驚くシーンが第一話です。


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この葵がとにかく最強の人で、割と控えめで大人しいしらたまくんにガンガン絡んでいきます。それに半ば強引に引きずり出されながらも、しらたまくんの周りに輪ができ、世にも不思議な高校生活が紡がれていくのです。基本的にはあっさりめのギャグなんですが、猫が人と同じように生活するにあたりどういう折り合いやフォローが必要なのかという描写が結構細かいです。たとえば


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こういうちょっとしたリアリティが世界観をファンタジーにさせず、その上で思春期男子あるあると猫あるあるが絶妙にミックスされています。


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お母さんの気合いの入ったお弁当を恥ずかしがったり(ちなみに中身はカリカリとささみ)


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家に友達を招いたときの母親のはしゃぎっぷりにガチギレしたり。
あとスケボーにハマったり、アルバイトをしたり、ヒロインのピンチを助けたあとにめちゃめちゃヘタれたり。なんかこう…「高校生だけど猫」じゃなくて「猫だけど高校生」なんですよ。
で、しらたまくんは自分が猫であることをひけらかしたり自慢するタイプではなく、むしろ抗えない習性を人前では見せたくないと考えるシャイボーイ。
特にのどを鳴らすことに関しては神経質で、どうも世間一般に浸透している「のどゴロゴロ=気持ちいい」と思われるのがいたく恥ずかしいもよう。このゴロゴロにまつわるエピソードや小ネタは随所に散りばめられています。
他にも
・毛づくろい


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・桜の花びらにじゃれたいのを我慢


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別にいんじゃね…?と言われる部分が本人の中では大問題というのは思春期の定石で、しらたまくんの場合はそれが自分の「猫っぽさ」なんです。


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このシーンかなり好き。
とはいえ猫は猫、運動会の胴上げはこうなる。


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合宿でお風呂に入ればこうなる。

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くしゃみはこうなる。


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(猫のくしゃみってほんとにこんな感じ)
作者が猫を飼ってるだけあって、このへんの描写力はさすが。か、かわいい……。
そして喋る猫をさらっと養子にした、ちょっと天然なしらたまくん一家がこちら。


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妹がいるんですよね。もちろん人間なのですが、言葉遣いや関係性は「ちょっと歳の近い兄妹」そのもの。こんな感じで、全編通してしらたまくんの日々を見守るまったり日常系……かと思いきや
・文化祭後のあるシーン


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・スキー場での一幕


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…?!
そう、実はこっそりラブコメ要素が出てきます。しかも「きゃーネコかわいー」ではなく、なんだか見てるこっちが妙にドキドキしてしまう雰囲気。なぜ人と猫の間でそれが成立してくるのかといえば、やっぱりしらたまくんがあくまで“男子高校生”だからでしょう。
葵をはじめしらたまくんのあらゆる仕草に内心メロメロな人は多いのですが、それを口に出して「かわいい」と言いまくるようなことはしません。ましてや不用意に撫でるなんてもってのほか。
作中ではそういう社会的な気遣いというか、露骨に表すと「猫なのか人なのか扱いにくい」リアルな戸惑いがほんの少し語られます。実際どう接して良いか分からない周りの空気が原因で、しらたまくんの中学時代はあまり楽しくなかったそう。その壁を空気の読まなさと好奇心でぶち抜き、あらゆる学校行事を猫ならではの方法で楽しもうと提案してくる葵は、ある意味正統なヒロインなんです。
よってこの『しらたまくん』は、猫成分を存分に提供する日常系ギャグ且つその本筋は「猫という個性を持ったごく普通の男の子の青春ラブコメ」漫画というわけです。
……稀有だぞ?
『よつばと!』のよつば、『甘々と稲妻』のつむぎちゃんに続いて、あ…見守らなければ…と思わせてしまう癖になるヤツ。本自体が薄めで刊行ペースが早いので、少し枯渇した頃にサッと新刊が出てくれることでしょう。
ああ…猫さわりたい…ちょっと実家帰ってくるわ………。


担当:白石


「しらたまくん」はこちらから。
https://order.mandarake.co.jp/order/listPage/serchKeyWord?categoryCode=11&keyword=%E3%81%97%E3%82%89%E3%81%9F%E3%81%BE%E3%81%8F%E3%82%93
  1. 2016/08/30(火) 11:00:41|
  2. 中野店白石

“ONE AND ONLY COMIC MAGAZINE”




Re:LO画集の2冊目が9月末に出ると聞いて狂喜乱舞の私がグッときたバックナンバーの画像を貼りまくるだけの記事

日本を代表するロリ漫画専門の成年雑誌COMIC LO(コミックエルオー)。
2002年の創刊時から話題になったのは内容もさることながらその表紙の美しさ。イラストレーター兼漫画家のたかみち氏による絵は、少女たちの日常のふとした情景をトリミングしたよう。特に雨、川、海、温泉といった水の表現に関してはハイセンスで、一見すると少ない情報量ながら他の追随を許さないクオリティを誇ります。そしてその絵に添えられたキャッチコピーもすばらしく、twitterにはこれだけをまとめたbotが存在するほど。今日はその絵とコピーの中から、独断と偏見により選び抜いたというか単純に大好きなやつを片っ端から貼っていこうと思います。
申し遅れました、中野店白石です。
今回はもう文章なんて全部読み飛ばしていいので画像だけ眺めて帰ってください。

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BEST.1(11年11月号)
「孤独をつぶやくな。沈黙を誇れ。」

問答無用のベストワン。コピーも絵も最高。



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BEST.2(12年01月号)
「さよならは、またあした。」
手前の白線と奥の店の明かり。二人の会話。海岸線沿いの国道なのだろう。



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BEST.3(No.22/06年01月号)
「僕は、ロリコンであってよかったと、時々思う。」
土間の階段。きっとドライフラワー。そしてタートルネック。とにかく上品。




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BEST.4(No.21/05年12月号)
「ほら。拍手が止んだ。」
雨を「拍手」と表現するセンスと、空気感の余白がすさまじい。



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(No.12/05年01月号)「脱 (衣) 子供宣言」


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(11年12月号)「ひとは、ひとりでに、恋を知る。」
個人的にこの2枚は同じストーリー上にあると信じて疑わない。



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(13年10月号)
「この夏は、シビア過ぎる。」
スク水部門ダントツ1位。しずく程度の水と、びしょ濡れの髪。この水着の張り付き具合はずっっと見ていられる。



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(14年10月号)「夏はそこにあって、少女はここにいる。でも僕はどこにもいない。」
キャッチコピーの身を切るような切なさと、夕日の光を唯一飲み込んだようなビーチボールのハイライト。



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(07年10月号)「―(中略)―僕は単純に興奮していた。」
エロさでいうならこの絵。硬いコンクリに腰かけたスパッツのやらかい尻と、ド直球に吐露した訳アリのコピー。この背徳感である。



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(06年12月号)「…ぬおっ!」
重たいカメラを持たせてみてくれた叔父さんが、自販機から自分の好きな飲み物を抱えて戻ってきたのを見つけてこの子が言ったセリフが「…ぬおっ!」という設定(が自分の中にある)。



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(12年03月号)「きれいなお日様を見つけた」
この薄氷の表現力。パキッと踏んで割っちゃわないでそっと抱えて透かして見たんだねって。



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(09年02月号)「NO MORE UNHAPPY TV -正月番組なんていらない-」
その氷も一瞬で溶けそうなアツい場面。誰かと話してるっぽいコタツの外との温度差がすごく好き。



最後に、キャッチコピーと絵のストーリー性が秀逸な2枚。


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(15年02月号)「そういえば前に一度だけ、あの娘から年賀状をもらったことがある。」

文章は同級生だった男の回想、絵はその年賀状を送った女の子。年末年始の家族旅行めいたワンシーンと、その子の書いた年賀状を受け取ったであろう冬休みの朝。決して交錯しないのだけど綿密に関わっているような、複数の時間軸がシンクロしあうように感じた一枚。


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(16年04月号)「捨てられる って思うと、胸が詰まって苦しかった。」

…たぶん、一時的に父方の実家に預けられているのかなと思う。服も靴もリュックもお気に入りなんだけど実はちょっとよそゆきで、じーちゃんばーちゃんは優しいんだけど内心肩身が狭くて……みたいな状況下での冬の日没。オレンジと青紫の水面に不安感が滲んでて、もうなんかロリ雑誌の表紙どころの話じゃないだろうこれと思った一枚。




以上すべて妄想。
LOの表紙に関して、雰囲気があるとかサブカル受けがいいとか、それはそうかも知れないけどほんとは違うと思うんだ。そういう文脈に乗せながらも、三次元レベルで本当に小さい女の子が好きな人たちの需要にこっそりしかし堂々と応え続けているんだと私は思う。これが救いになるのならと。

***

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以上のうち約1/3ほど収録されているのが既刊のLO画集。ページをぜいたくに使い、No.1~No.50まで各号のイラストが雑誌と同じ大判で見られる。文字の入った表紙ver.が並べてあり、見開きで比べられるところもいい。描き下ろしも多数。


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何より読みごたえがあるのが、後半の解説。絵(たかみち)・コピー(編集長W)・デザイン(宮村和生)を担当する三者が、いかに試行錯誤を経て表紙を作りあげているのかがヒシヒシと伝わる。3枚も4枚も並べられたデザイン案をつぶさに眺めると、コピー・ロゴ・号数・作家名一覧という必須の項目を配置するにあたり、絵を邪魔せず且つ効果的に、表紙としてしっくりまとまるようにという尋常ではない手腕のプロの仕事が垣間見える。何度引っ越しても家宝として本棚に置いておきたい。
9月28日発売予定のLO画集第2弾については、たかみち氏のHPにてちょろっと告知があります。正式なアナウンスは本誌にてといったところか。

Amazonが取り扱いやめちゃっても「ロリコン ジャパン アタマ オカシイ」と世界中から言われても構わないから、この雑誌だけは永遠に続いてほしいと願う。

COMIC LO  バックナンバー
https://order.mandarake.co.jp/order/listPage/serchKeyWord?categoryCode=100298&keyword=comic+LO

LO画集
https://order.mandarake.co.jp/order/listPage/serchKeyWord?categoryCode=00&keyword=%E3%81%9F%E3%81%8B%E3%81%BF%E3%81%A1+LO%E7%94%BB%E9%9B%86


5~6年後に『好色少年』でまったく同じ記事が書ける日を今から楽しみにしている。


担当:白石
  1. 2016/07/21(木) 11:00:45|
  2. 中野店白石

今最も渋くて熱い男がコロコロコミックにいる




どうもこんにちは、中野店白石です。今回紹介するのはこちら。
ウソツキ!ゴクオーくん/吉もと誠/小学館(1~最新11巻)


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主人公は「ウソ」が大好きなゴクオーくん、舞台は八百小学校5年2組。実はゴクオーくんの正体は地獄のボス・初代閻魔大王で、人々の魂を裁くのが本来の仕事です。そんな彼が子供の姿で現世に降り、小学校生活を通して人間を観察するのが大元のストーリー。基本1話完結で、【トラブル発生→クラスメイトの証言からガサ入れ→ウソを使った誘導尋問で犯人を暴く→地獄に招待して舌を抜く→現実世界で本当のことを喋らせる】という流れ。ゴクオーくんは表紙通りの悪人ヅラで、しかも自他ともにつく「ウソ」が大好物。悪事を隠そうとしてシラを切る犯人を、おちゃらけたり脅したりして追い詰めていく、所謂ダークヒーローなんです。さて、ウソを使って暴くってどういうこと?という人のために第1話のシ
ーンをどうぞ。


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…とまぁこんな感じで、犯人がボロを出すような発言を誘導するためにウソを用います。こうやって書くと言葉のトリックめいていて難しそうですがそこは天下のコロコロ、児童向け漫画テイストに至極分かりやすく料理されてます。そしてヒロイン・小野天子(おのてんこ)ちゃんがこちら。


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先ほどの犯人(先生)に罪を被せられ、クラス中から非難を浴びつつ言った「ぜんぜん平気」という〝ウソ〟が、ゴクオーくんを本気にさせます。真面目でバカ正直で優しい女の子で、ヒロイン兼ツッコミ役兼狂言回しとして活躍。
そして第1話のラストにゴクオーくんが放ったのが激烈に渋いこのセリフ。


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ちょっとカッコよすぎないかコレ。最初読んだ時に「…えっ?コロコロだよなこれ?」と背表紙のレーベルを確認する始末。
何よりも魅力的なのが話の軸になる「ウソ」の多彩さで、失敗の隠ぺい、他人を陥れるための仕業、無知をごまかすようなものから友達を守るウソまで様々。敵役の犯人も、ガチャポンのレアを抜いて転売していたコンビニ店員とか立ち回りの良さだけでいいトコ取りしようとするイケメンとか、「あぁ…いるわこういうヤツ」というリアルなところを突いてきます。ではその中ですごいと思ったシーンを一つ。クラス対抗の大なわとびで失敗ばかりの雨地くん。足を引っ張るくらいならと仮病で離脱しようとした彼のウソを裁いたあと、敵と味方が言い争う中、いざ大なわに挑戦という場面です。


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「ウソツキ」をこんな節回しで使うとは…!!結局無事に飛べてハッピーエンドという反面、その裏で更にこっそりこのセリフ。


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成功したからいいけど、失敗してたら一生もののトラウマになってただろうねと呟きます。なんだかんだでゴクオーくんは事件を解決に導くので人気者なんですが、影で“もう一歩踏み込んだ深層部分”をちょいちょい差し挟んでくるのが怖いところ。そこに人間的な感性は無く、やっぱり地獄の閻魔大王、ダークヒーローなんだなぁと思います。なので、ゆうても子供向けやろなんて甘く見てると


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犯人側も“すなおなきもち”という凶暴さでグイグイえぐってきます。水面下にあるフリをした露骨なヒエラルキーとか、好意・嫌悪・劣等感・優越感・羨望・失望…。思えば小学生って一番利己的で小ズルく、かつ初歩的なこういう起伏に富んでいた時期かもしれません。ゴクオーくんは、まだうまく名前も付けられないような感情の揺らぎを、ほんとに10歳くらいの世界観で次々と明るみに引きずり出してきます。
大体1話で1人を裁くので、10巻まで達する頃にはクラスメイトの半数以上が一度裁かれています(無論、悪い大人や他の学校・学年の生徒も混ざりますが)。しかも裁かれた人は、弱みと称するには甘いような、もっとドロドロした愚かさや自分勝手さ、みっともなさを一度公衆の面前に晒しているわけです。だから“5年2組”というクラスの人間性というか、説得力がハンパじゃないんですよね。
さらにもう一つ。先ほどの画像にもチラッとある通り、ゴクオーくんは地獄で舌を抜いたあと犯人に「ウソのつけない舌(=本当のことを話してしまう舌)」を与えます。地獄での出来事は夢と捉えられ、ゴクオーくん以外に知る人はいません。よって、物語の最後にあるのは“自白”。発端となったウソをついた理由を、本人が自身の言葉で洗いざらい明かすのです。大人の場合は言い逃れの出来ない自供として、子どもであれば謝罪や和解という救いになります。むしろここで本音や真実を伝えたからこそ新しく何かが発覚することも。そして、一度登場して立ち位置を確立したキャラはその後も普通に出てくるため、一人一人に愛情と責任があるというか、クラスのモブが単なるモブじゃなくなっていきます。

ちなみにここまで書いておいて、ゴクオーくんが地獄で舌を抜く時に使う「悪漢舌(あっかんべー)」を始めとした必殺技の数々、ちょくちょく地獄に帰って執り行う激務、それを補佐する10大地獄長やなんやかやには一切触れていません。しかも4巻から登場するスカしたライバル天使ユーリィと天子ちゃんの魂を取り合ったり、ゴクオーくんが力を奪われて人間になっちゃたり、最近登場した二代目閻魔大王候補サタンが超絶な悪人だったりと気の抜けない展開だらけ。今回紹介したのはあくまで日常パートだけです。

小学生が人格形成の途上にあって性格も感情もまだ柔らかいままと考えれば、裁きを通して思い知り、悪事を謝ることで自分自身を軌道修正できます。漫画の中で描かれているのは主にそういう“成長”の姿。大人になっちゃうと誰もウソツキの舌なんて抜いてくれないし、それに起因するような短所も「こーいうトコだけはどうしようもない奴だな」とみなされるだけ。自ら気付くチャンスがなければもうそこに救いなんてないのが現実ですよね。

なのでゴクオーくんがやっているのは、“今のうちだから許される”ニヒルで優しい裁判なんです。

では最後に、全く関係ないけどめちゃくちゃ可愛かった児童会長・藤堂さんの画像と、天子ちゃんに語ったゴクオーくんの本音でさらば。


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★★★よろしければこちらもどうぞ★★★

大人の社会になった途端⇒闇金ウシジマくん 

ある意味似てるかも⇒学糾法廷 

「人間って…面白!!」⇒DEATHNOTE 


担当:白石

  1. 2016/06/11(土) 10:49:21|
  2. 中野店白石

「なんか短い話でいい漫画教えて」って言われたら絶対これ言う短編3本





どうもこんにちは。ここ数日で既に蚊に刺された中野店白石です。
今日は私が「あー」でも「へぇ」でも「おぉー」でもなく「……ぅおあ゛っ!!!」となった短編漫画を3つご紹介します。


『さらば、やさしいゆうづる』 (有永イネ「さらば、やさしいゆうづる」/講談社・ITANコミックス)
2012年に出た有永イネの商業デビュー作。今回挙げるのはその表題作であるこちら。

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登場人物はマキとナオの二人。
シングルマザーの母親が蒸発、祖母も早くに他界したマキは、色々なことを肉親に「教わってこれなかった」というコンプレックスを持つ大学生の女の子。ブラのホックはどう留めるとかティーバッグは何回使うとか、なんてことない日常の感覚や所作を、自分だけの手探りで学んでいくしかなかったという意識を持っています。ナオはそのお隣さんに住む七つ上の男性で、マキの母親が蒸発した直後に引っ越してきた人。今現在も気に掛けたり夕飯を作ったりと世話を焼いています。

大体こんな感じ


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で、サラッとしたギャグにのせて二人の気兼ねない関係性が描かれます。んで、出てくるのが不思議な箱。


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この「本当に欲しいものが入っている」という箱をマキが開けるとビー玉、ナオが開けると折り鶴が入っていて、その理由が少しずつ明かされていくのが物語の本筋です。思い出話を辿るような情景の明暗と、しとやかながら淡々とした語り口の併せ技でなんかもうすでに新人離れしているのですが、一番グッときたのはココ。


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話はマキを中心に進むので、道化役のナオはなんやかやでマキを照射するのみのストーリーテラーとして機能していました。ですが最後の最後、このたった一言だけでふいにものすごく個性が滲みます。このラストシーンでカットアウト、改めてもう一度タイトルを見直して「……え ヤベ なにこれ…」と戦慄しました。デビュー作とは思えない構成力と演出に、読んだあと数日間は“チート”という単語が頭を駆け巡る事態に。
2012年当時は『地上はポケットの中の庭』の田中相も出てきたばかり。講談社の新創刊雑誌「ITAN」レーベルの、まさしく最初のワンパンがみぞおちにクリーンヒットした出来事だった訳です。というかこないだまでアニメやってた『昭和元禄落語心中』(雲田はるこ)もこのITAN発の作品なので、その…こう…



柔軟で頭良い女性作家マジ恐えぇーーーー!!!

…っていうよく分かんない結論に至ったところで次いきましょうか。


『ピノキオの♪と』(武富智「B SCENE 武富智短編集」/集英社ヤングジャンプコミックス)

知ってる人は知っている。海外の人もなぜかけっこう知っている。そう、武富智ですね。
ヒョロっとした愛嬌のある絵柄で、20~30歳前後の男女が織りなす群像劇、絶妙に泥臭いエロと青春と葛藤ならお手のもの。『キャラメラ』『この恋は実らない』『EVIL
HEART』等、過去作の入手難易度がさりげなく高い作家でもあります。ですがA5サイズの短編集「A SCENE」「B SCENE」「C SCENE」シリーズは本屋さんでも比較的よく見るところで、ちょっと読んでみたいという人にはオススメです。
今回は「B SCENE」より、初読でボロ泣きしたこちらをどうぞ。


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あらすじは単純。偶然ケータイを拾った女の子(春美)が、それをある男の子(きよし)に届けるってだけです。
でもこの春美には言いたいことと言えないことと言わなきゃいけないことがあって、それらを飲み込んだまま、届け先のきよしと一緒に半日を過ごします。その最後、別れ際の2ページ。


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このシーン…!!なびいたカーテンが男の子に掛かってるとこも、仕草も言葉も、もうホントに描写がスゴいんですよ…!!
敢えて内容には踏み込みませんが、これはとてつもない非日常の数時間を描いた話なんです。
なんてことない会話と表情に思いのゆらぎが見え隠れして、ドラマ性の高さは群を抜いています。
そして最も慄いたのはこれが19ページ、僅か20ページ足らずの作品だということ。
ちょっとその辺の漫画を手に取って、8~9ページだけめくってみてください。たとえば巻数もののストーリー漫画だと、大して話なんて進んでないはずです。そういう限られたスペースの中にある程度のセリフ、空気感、余白、大ゴマも使って起承転結をきっちり収めるのは至難の業。しかも窮屈さを感じさせずに“ごく普通に読ませる”ところはさすがにプロの力量というべき。
道満晴明のようなショート・ショートの手練れとはまた少し異なるニュアンスで、短編漫画の威力を思い知った一作です。


③『部屋』(ウィスット・ポンニミット「ヒーシーイット アクア」/ナナロク社)


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最後はタイの漫画家ウィスット・ポンニミット(通称タムくん)の著作から。
高橋留美子とあだち充とうのせけんいちを足してトンカチで割ったような絵で、なんともいえないユルさとエグみを持っているのがこの作家。感情も表現も全部“素揚げ”の状態で出てきた短編集「ヒーシーイット」は、ギャグ・シリアス・ロマンスがいい感じに等分配された11編を収録。
この人、話は勿論なんですけど幕間のコラム(つぶやき?)みたいなのにやたら味があります。左→右の順に読んでね。


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こういう衒ってない四方山話がちょいちょい差し挟まれる為、読んでるあいだよく分からん異国の風にも吹かれるハメに。
さて紹介したいのはその巻末、すでにあらゆる人が絶賛(帯にそう書いてある)したらしい『部屋』です。


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セリフのない無音(無声)漫画で、一人の男の一生を部屋になぞらえていくストーリー。物が増える、模様替えをする、棚ができる、家族が増える…と時間の流れを定点カメラで捉えていくのはまぁよくある手法なんですが、すごいと思ったのは、そこから一歩引いてアングルがパノラマになるところ。住み暮らす部屋そのものも変わっていくんです。


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で、ここからがヤバい。

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身体という“部屋”を出たあとのラストスパート、最後の4ページは物も線もどんどん消えていきます。
この訥々とした表現は、何回読んでもうるっときてしまう。読むたびに現時点の自分がどのコマのどの時間にいるか、その体感覚が少しずつ変わってきているからこその感じ方がある気がします。
四角と絵だけで形作られる漫画の、シンプルな強さに直面する一本。
ちなみにこの『部屋』のあとがきはこちら。やっぱりユルい……。


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***

どうでしょう?少しは気になるものがありましたか。
商業漫画というのはとかく一冊、一作品、もしくは一作家まるっとひとまとめで語られたり評価されることが多いものです。でもたまにはそうじゃなくて、1話、1ページみたいにもっと近寄ってミクロな視点でじっくり眺めるのも面白いですよ。
なんせ最小単位は1コマなんですから。



①有永イネの作品はコチラ 
http://order.mandarake.co.jp/order/listPage/serchKeyWord?target=01&keyword=%E6%9C%89%E6%B0%B8%E3%82%A4%E3%83%8D&shop=55&soldOut=0&dispCount=48

②武富智の作品はコチラ 
http://order.mandarake.co.jp/order/listPage/serchKeyWord?target=01&keyword=%E6%AD%A6%E5%AF%8C%E6%99%BA&shop=55&soldOut=0&dispCount=48

③ウィスット・ポンニミットの作品はコチラ 
http://order.mandarake.co.jp/order/listPage/serchKeyWord?target=01&keyword=%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%8B%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%88&shop=55&soldOut=0&dispCount=48


担当・白石
  1. 2016/04/30(土) 10:50:03|
  2. 中野店白石

キラキラうるうる☆ドスケベファンシー18禁☆小川ひだり『ちちんくりくり』





どうもこんにちは、中野店白石です。今日はこの1冊を紹介します。
ちちんくりくり/小川ひだり/ワニマガジン


(白)①表紙(白)②裏表紙


女性向けのBLと同じく日々ウゾームゾーがチョーリョーバッコしている成年コミック界に、またとんでもないものが転がり込んできました。単刀直入に申しましてこのご本、フリフリできゃるきゃるでフワフワのおにゃのこがぽよんぽよんでズッコンバッコンです。


(白)③

(白)④

(白)⑤


冒頭3作品「バカップル+1」より。黒髪巨乳の友達に勃起したら浮気確定というアホな実験の一場面。心頭滅却するために徳川将軍だけでなく円周率も登場します。もうこういうのホント好きです。

5年分のキャリアを詰め込んだ商業デビュー作のため絵柄に変化があり、一冊通読してみるとふくやまけいこや竹本泉といった、なんとなく手練れの女性作家を彷彿とさせる雰囲気。そして最新の画風である表紙や中身は見ての通り、なんだか…こう、「ちゃお」っぽいんですよ!!ちゃおといえば「りぼん」「なかよし」と並ぶ月刊少女雑誌の代表で、小学生の頃クラスの女子の間でこのみつどもえのどれに属するかで盛り上がったみたいなそういう感じです。……なのに!なのにおっぱい丸出しであられもない擬音が飛び交うエロエロ18禁!!なんだろう…この妙な背徳感……!! 実は成年界隈だとほしのふうたも同様のニュアンスがあり、こちらはさらに年齢層の下がった〝児童書〟っぽいポップな絵。そんでいたずら・ひみつ・ないしょといった魔法の言葉をちりばめてこれまた18禁。自分の中では成年コミックに「こども向け」という新ジャンルが確立されつつある今日この頃。
さて内容に戻りましょう。1冊の中には動物に囲まれてサークルの部室のこたつでヤっちゃったり、クソ生意気なお嬢様を庭師がハメまくったり、おっとり人妻メイドにイロイロ教えたりなどなど全13作品がまとまっています。攻め側に回る男性がけっこうキュートに描かれていて、おねショタ率も高いのが特徴。そんな紳士にとってはたまらないであろうシーンもちらほら。


(白)⑥


あとやっぱり女子の身で男性向けのエロ本を読む時、実用目的ではないのだから男(=竿役)の顔やキャラクターがちゃんと描かれている方が好きなんですよね。誰かと行為に及ぶ、その関係性も見えてこその女子の悶え顔が可愛いなぁと思うわけです。他の作家だとこんちき新堂エルもストーリーありきで作り込む人なので、ある意味ではライト層向きでもあり、読み応えのある作品が多いです。そこは「エロイ!!抜ケル!!」
で男性人気の高い布陣とは少し感覚がズレてしまうため、流行の波に乗り切れないのがちょっと悔しいところ。
では他に目に留まった点をもう一つ。


(白)⑦(白)⑧


出てくるチ○コがやたらプリプリつやつやで活きのイイ宝石みたい。作者は女性のようなんですがこれアレかな、男性が描く女性器とか胸とかお尻がプリプリつやつやなのと同じなんでしょうか。お互いに「美味しそう♡」に見える対象を極限まで昇華させると18禁になるって積極的なのかシャイなのかもうよく分かんないです。今自分が何言ってんのかもよく分かんないです。

で、本題はココから。
巻末に収録された同人誌発表作「メルヘンぼっき!!」これがヤバいです。裏表紙の帯にも「幻の衝撃作!」のアオリ付き。


(白)⑨(白)⑩


背中になぜか男性器が生えちゃった女の子が、アヤしいクリニックで相談に乗ってもらうというあらすじ。治療の名目でフリフリナース服の二人組と百合百合な展開になった挙げ句、


          (白)⑪

                               …………!!!!???


わが敬愛する掘骨砕三の漫画やなんかで巨根、奇根、多根のたぐいは充分たしなんでいるつもりでしたが、このファンシーさでこうもドギツくやられると破壊力が尋常じゃない。底抜けにハイテンションなのがさらなる拍車を掛けています。ちなみに続編は、ワケあって双頭チ○コを孕んだ女の子がナースの(膣圧の)助けを借りて出産し、


(白)⑫


となる奇天烈展開で、こちらもバッチリ収録済。完っ全に頭のネジが飛んでいて、去年読んだヤバい本ランキング1位をかっさらいました。むしろこの2編を商業誌として世に出すことが担当編集者の真の目的だったんじゃないかと(個人的に)思っています。…とこういった風に、作家そのものの来し方をいっぺんに読めるのが初単行本の醍醐味ですね。以上を踏まえた上で更に磨きのかかった「ちゃお」テイストな18禁、今後一体どうなることやら。作者の小川ひだりさん、イベント参加も活発でtwitterにはイラストをいっぱい上げています。「なんじゃこりゃ!?」からの近況・続報求ムって方は是非そちらにどうぞ。

いつどこからどんな人が斬り込んでくるか分からない成年A5コミックのジャンル。独自のカテゴライズ「こども向け」枠の拡大を目指し、飽くなきエロ本の探究は続きます。……あ、そういえばもうすぐ春ですね。


担当・白石
  1. 2016/03/22(火) 11:00:29|
  2. 中野店白石

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