岩井の本棚、SAHRAの本棚

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ミス・ポピーシードのメルヘン横丁




長い研修期間を終えて無事大阪に帰還しました。山崎です。

着いた頃は雪が積もっていたアスファルトも陽炎ゆらめく季節になり、いざ東京を離れるとなった時、その期間の長さを実感しました。単純な季節の移り変わりというより、居心地の良さだったと後になって考察します。

自身の確かな変化を感じつつ、7ヵ月ぶりに扉を開けたマイルームはあの日のままで、とはいえ変わっていたら変わっていたで驚きなのですが、埃一つ積もっていないという状態は驚愕しました。
※ただ、1つ……室外機が壊れていて1週間エアコンが使えないという地獄を味わいましたが

今回紹介するの大掃除を済ませ、ひと段落した所で久々に本棚から取り出した一冊から――


ミス・ポピーシードのメルヘン横丁/山本ルンルン
A5版/小学館


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山本ルンルン先生の作品は定期的に読み直します。
それは大体何かの節目だったり、本棚から目についた時だったりするのですが読むたびに底知れぬ魅力に感心させられます。
代表作に“シトラス学園”“オリオンストリート”“マシュマロ通信”、そして現在連載中の“はずんで!パパモッコ”どれもがメルヘンでキュート、時折ブラックでポイズンな調子もルンルンワールドの魅力。


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ファッションの「ファ」の字も皆無な自分が語るのもなんなんですが、登場キャラクターのファッションも最高にかわいくてオシャレ。60~70年代のヒッピースタイルを思わせるファッションで、ボタンフライのベルボトムとかめちゃくちゃカッコイイ(おしっこしずらいけど)


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多くはフルカラーコミックで色彩も楽しむことが出来ます。

その中で個人的に1番だと思う作品が『ミス・ポピーシードのメルヘン横丁』
純粋に、ポピーシードのキャラクター良い。気だるげな表情でいつもタバコを片手に世の中を冷めた目で見てるけど、しっかりと人情家で達観した考え方は、悲しみや不幸とどう付き合えばいいのかを知っているかのようで読むたびにポピーシードに惹かれます。


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B6版/芳文社①②巻と復刻版のA5版/小学館上下巻があり、復刻版には書き下ろしのエピソードが入って、個人的にもA5版をおすすめします。(装丁の配色がいい)


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※こちらは芳文社版

ストーリーは、春から大学生活を送るマーガレットがメルヘン横丁にあるアパートを探す所からはじまります。


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雑務をこなすだけで家賃はタダという破格の物件のオーナーは、はぐれ魔女のポピーシード。ポピーシードは自身の魔力を使った「ポピーシードのよろず相談所」を開き執事のベルガモットと細々と生活をしています。


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話しの内容も紹介したいのですが、それは読んで実際に感じて欲しいと思うのでここには掲載せず(汗)
ざっくりと言えば、どの話しも心にグッとくるストーリーで、暗い話が多いとも言われますがじっくり読めば案外そうでもなかったり。ほどよいブラックユーモアが心地良いビタースイートな作品。
一度立ち止まってゆっくりと落ち着きたい時にお薦めします。


ルンルンの本置いて無いーー!!そんな時はこちら↓
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(うめだ店/山崎)
  1. 2016/09/13(火) 10:59:08|
  2. うめだ店山崎

劣情チェリー




はじめまして、コミックスタッフの山崎です。「ザキ」ではなく「サキ」です。個人的にもそれほど気にしてない問題なのですが自己紹介ということで一つお願いします。


はじめて記事を書くという事もあって、何を書けばいいのか分からず…ブログの過去ページを遡り、偉大な先輩方が書き残した記事を読むことに。

個人でブログを持った経験も今や昔、特筆する記事があるわけでも無く少し体を張った面白画像をアップする日々を思い出しました。いつしか「毎日更新しなければ」という固定概念の重圧に耐えきれずそっとアカウントを消した憶えがあります。
そして、ここ「岩井の本棚」も毎日更新。全店のまんだらけコミックスタッフが当番制で“約月1回”変わり代わり記事を書き運営しています。

「なんだか交換日記ぽい……。そうだ!!」

その着想から、脳内にある記憶の扉がバリバリと開き思い出した1冊。


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『純情パイン』


『マコちゃんのリップクリーム』が完結するまでは“打ち切り作家”とよばれていた「尾玉なみえ先生」のジャンプデビュー作。

オナップ星人の襲来に対抗すべく、選ばれた子ども“みちお”“みちる”が交換日記を5分以内に2往復させ“大きな乙女純情パイン“に変身し地球を救う、という分かりやすいストーリー。しかし、中身はソフトエログロナンセンスギャグという……。
WJ版と赤マル版の読切りがありますが、そのどちらも読んだ日は忘れられないインパクトがありました。


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コロコロの軽快な下ネタとは違う独特の生々しさ。


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軽快なコマ割り+衝動的暴力描写。


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敵の倒し方はどこか無慈悲。


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主人公のトラウマ。

生理的で淡々とした作風。少女マンガとも少年マンガともつかない絵。
不快と愉快のグレーゾーンを確かめたくて何度も読み返した覚えがあります。


そして同年47号……


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――連載開始


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「純情パインが連載になった!!」
ジャンプの表紙を見てはじめて興奮した瞬間だったんじゃないでしょうか。1話を読んで、『読切りよりマイルドになったなぁ』と首をかしげましたが……


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連載が続くにつれて異常なストーリー展開に。

中でも、みつおの拾った怪獣の卵によって寄生されたみちるが妊娠して母性に目覚めるという6話は特に際立っていました。
敵の倒し方とか露骨な生々しさは薄れたものの、毎話得体の知れない不快感が心地良く。


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まあ、受け入れるべき事実……。


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生まれた子どもは巨大だったり。


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ヒロインが3本毛パーマになったり。


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敵を倒す時に仔犬を潰してしまったり(膨らまして生き返らせる)


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ギャグ漫画としてのテンポの良さも健在。


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そして13週で打ち切り――



謎の設定、ポップでキュートなキャラクター、コミカルな中にギラリと光るリアル、そしてギャグを交えつつ暴力的かつ変質的な内容で13週間にわたり週刊連載という枠で大暴れし、そして突然の打ち切り。
少年少女に与えた衝撃は大きく、がっつりとトラウマを残して風のように去る。それがなみえ先生とのはじめての出会いでした。

なみえ先生の作品に登場する人物はどこか心に問題のある人物が多いのですが、それ許容するストーリー。『ダメでいいじゃない、人間だもの』『無茶苦茶でも生きてるぞ!!』とでも言わんばかりのパワフルさを持って読者を勇気づけてくれます。

「純情パイン」に続き、「少年エスパーねじめ」「アイドル地獄変」「スパル・たかし」「モテ虫王者カブトキング」「たおれて尊し!」発表するも次々と打ち切られる連載作品の数々。しかしめげずそれどころか打ち切りを“持ちネタ(自虐ネタ)”にまで昇華させる精神力と根性に僕はいつしかファンで、部屋には「キスマーク付きサイン色紙」が飾られ、1勝2敗フェアに応募した1247人の1人になっていました。(色紙は404人)


僕も今や思春期を過ぎ、いろんなものに影響を受け右往左往しながら曲がりなりにもヒトとしての道を歩んで来ましたが、あの日「純情パイン」に出会いなみえ作品に触れていなければ、人生の厳しさにどこかで挫折してしまっていたかもしれません。
現在、なみえ先生の仇である中古市場に身を置く僕ですが、金銭では表せない作品の素晴しさなんかを紹介していければと僭越ながら思っております。


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担当:山崎
  1. 2016/07/31(日) 11:00:00|
  2. うめだ店山崎

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