岩井の本棚、SAHRAの本棚

スタッフがマンガ界のニュースとおすすめマンガを紹介します!

毎週木曜日に最高で最低なハードロック的ネコの様子を伺えるマンガ(平和)




こんにちは。

ここ数年、家で仮面ライダーのDVDを見ています。(昭和平成問わず)何が良いかというと例えば「仮面ライダー ド ラ イ ブ」!!!。ドライブですよドライブ…さらっと流さないで下さいね。完全に色々とおかしいです。そして今の「仮面ライダーエグゼイド」はオープニング曲の歌いだしが「I don’t wanna know」です。良いですか。「アドワナノー」ですよ???今どきの子ども歌えるのかレベル高え…っておののき。嫌味のように聞こえるかも知れないですがそれは誤解です。私はこういう、みんなが求める方向へ迎合するのではなく「ついて来れない奴は置いていくぞ~」の尖った志向が大好きなのでまさにツボなんです。ただ一つ難ありなのが、子どもの反面教師役を担うためなのか大抵「嫌なヤツ」がでて来るんですね、敵役とはまた別の「嫌なヤツ」です。これがかなりのストレスなんです。私は平和しか求めていないのに…そこでこのオアシスを!!!


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秋田書店 石黒正数「木曜日のフルット」

週刊少年チャンピオンの巻末で連載されている少し不思議なほのぼのギャグ漫画!これが私の憂鬱「嫌なヤツ」が1人として出てこない超平和漫画なのです。チャンピオンの発売日が木曜なので「木曜日のフルット」(今日のフルットはどんなかな)だなんてなんとお洒落なタイトル。


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2巻までの登場人物紹介を載せてみましたが説明を読んでみると飼いネコのタマは「時々フルットにイジワルな事を言う」とあります。ただ「イジワル」と言ってもライダー見れる人だったら全然、気にもならないくらいのたいした事ないレベルです。無問題。

フルットは元々ペットショップ「BOYS」で売られていた猫でしたが「自由になりたいぜ」と脱出を決行、店員を出し抜きビバ・フリーダムと最高で最低なハードロック的ネコ(ノラネコ)になりました。ただすぐにお腹が空き行き倒れていたところを鯨井先輩(働くのがイヤで無職・ギャンブル好きでいつもお金が無いが生活力は逞しい・女性)に助けられ、それ以来彼女にごはんを与えられたり部屋に寝泊りさせてもらったりしているが「飼い猫」というところまでは行かずの中途半端な立ち位置、「半ノラ」生活をしています。


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日々ごはんを求めて格闘する日々・・・飯干晃一原作なのかというくらいの仁義なき闘いにノラネコの厳しさが描かれます。残飯食べちゃって大丈夫なんでしょうか。動物詳しくないので毎回多少心配してます。あと、お気付きかと思いますが基本二足歩行です。


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ネコ同士のナワバリを巡る争い(仁義なき感…)で弱いフルットはいつも散々な目に遭いますがいざと言う時には敵も味方も無くこの結束力。何この良い話。どこの町なの?引越したい!(4ページの回もあります)


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そんなノラ界で過ごすフルットですが半ノラとして台風の時には外のみんなが気になりこんな善行も。


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あとたまにメイン登場人物とは関係ない人々のお話もあるのですが2ページでここまでの起承転結!石黒正数か星新一かってくらいのまとめ能力は日本屈指です。

2009年から連載開始で現在第6巻まで発行。週刊連載(※途中から毎月1回発行の「別冊少年チャンピオン」でも連載)で1回の掲載がほぼ2ページのため大体1年に1冊ペースですがこれを一気に読む贅沢には本当に震えます。この震えを是非貴方にも!



「木曜日のフルット」を含む石黒正数先生関連のお品はこちら

(中野店わき)
  1. 2017/04/20(木) 10:48:07|
  2. 中野店わき

2016年度の成年コミック売上ベスト20位




こんにちわ。製麺所にうどんを買いに行ったら、体格から感じえるものがあったのかオバさんらに何かとオマケされ、一週間で11玉のうどんを食べるハメになった岩井です。

新たな年度も始まり、桜も咲いては散って、暖かくなってきましたね。
さて年度も変わったので、昨年である16年度にまんだらけでどんな本が売れたかを今日は発表してみたいと思います。

ただいわゆる少年コミックの新書判とか、青年コミックのB6版だと新刊でのランキングとあまり差がないんですよね。少年の1位は「進撃の巨人」19巻で、2位が「ONEPIECE」の82巻。
青年の1位は「ドリフターズ」5巻で、2位は「ダンジョン飯」3巻。3位は「東京喰種:re」の7巻。
これは予想が付くというか、まあオリコン発表のそれと対比して特筆すべきものでもなく、古本屋らしいはないものではと。
まんだらけは古本屋ですから、古本屋らしい過去の作品も売れてはいますが、みんなが読むものは流通量も多いので、古本で入ってくる数も潤沢に。なので上位に来るものは新刊書店の売上のそれと類似してしまうという。

古本屋っぽい売上ランクってなんぞやというと、
たとえば中野店の年間のA5サイズ(完全版ドラゴンボールとか「この世界の片隅に」みたいな大きなサイズ)のコミックの1位は、「NEWGAME!」でも「ポプテピピック」でもなくて、大友克洋の「童夢」ですよ? 2010年代の本を押しのけて1983年発行の本がもっとも売れているというこの異質さ。しかも「童夢」はいわゆるプレ値というか、定価以上の売価にも関わらず1位です。多分日本の古本屋で一番「童無」売ってると思います。
2位は丸尾末広「少女椿」、これも映画化されたとはいえ、ぜんぜん最近の本じゃありません。こういうのが古本屋らしいタイトルでありランキングだと思うのですが、これもサブカル寄りのブロードウェイビル内にある中野店で顕著ではあるものの、全店での総合ランキングだとアニメ化された「NEWGAME!」の方が上にくるわけです。

それにくらべると成年の売上ランキングはというと新刊書店のそれとやはり差があるなと思わざるを得ません。新刊書店ではここ2年ほどの成年コミックがメインなので、新しいもの中心で売上が構成されています。
新作は平置き台の上でジャケットを見せて絵柄をアピールされていて、やはりそちらから手を伸ばすのは当然というもの。

一方まんだらけだと90年代の成年マーク以前のものから最新作まであり、古くなったものはそれなりに値段もこなれてきて安く手に入るというのが新刊書店との違いです。そのかわり成年に強い新刊書店にくらべると面陳されているものは少ないので、お客様も好みの絵柄・ジャケから察せられる内容や性嗜好・そして値段の兼ね合いを考えて選んでいるという印象を受けます。

それでは16年4月から17年3月末までの、成年コミックランキングベスト20位をご覧下さい。

1位 武田弘光「シスターブリーダー」16年3月発行

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2位 Hisasi「ポルノスイッチ」12年11月発行

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3位 クジラックス「ろりとぼくらの。」12年11月発行

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4位 師走の翁「ヌーディストビーチに修学旅行」15年7月発行

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5位 武田弘光「いまりあ」14年12月発行

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6位 なぱた「ぱんでもにうむ」15年10月発行

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7位 saitom「いっしょにしよ」15年3月

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8位 新堂エル「変身」16年5月

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9位 くじら「ギャルとかビッチとか色々。」15年11月

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10位 メメ50「発情警報」16年1月

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10位まではやはり新刊・近刊がメインではあるものの、1位のシスターブリーダーはさすがの売れ行きで、2位に大差をつけての1位でした。古本での傾向として、新刊がでるとその前の1作も再注目を浴びて需要が高まるという法則がありますが、5位の「いまりあ」はまさにそれでしょうか。
2位の「ポルノスイッチ」はもうHisasiさんの1作目で、発行から4年たついまも大人気という、優れた作品はなかなか古びないのだなと感じさせますね。16位にもランクインしてます。
4位「ろりとぼくらの。」はコミックLOから唯一10位内に入ったのですが、こちらも5年前の本。しかも常に人気で在庫が足りていないという異常な本です。
これはちょっと事情があり、
アマゾンなど新刊通販サイトでは、コミックLO系の本をのきなみ取り扱いをやめたがために、欲しがっている人の手に回っていないのでは・・・というのもあります。それでいて2012年の本なので、成年に強くない新刊書店では手に入りづらいのでは・・・と。

11位 Sian「生ハメ☆ギャルびっち!」16年7月発行
12位 月吉ヒロキ「少女たちの茶道ism」16年3月発行
13位 奥森ボウイ「俺得修学旅行」16年5月発行
14位 御免なさい「だから神様、ボクにしか見えない小さな恋人をください。」16年6月発行
15位 おかゆ「スクールカースト」16年8月発行
16位 Hisasi「少女のトゲ」13年12月発行
17位 きくらげ「きみとえっち」16年4月発行
18位 アガタ「アネ×パコ2 究極版」16年3月発行
19位 みちきんぐ「性活週間」15年11月発行
20位 みちきんぐ「主従えくすたしー」16年8月発行
20位 momi「ふらっぴー!」16年8月発行

11位からは16年発行の本がほとんど。
ふたつランクインしてる、みちきんぐさんの本は先ほどの「前の作品に注目があつまる」パターンでしょうか。
月吉ヒロキさんの8年ぶりのLO単行本もさすがに入っています。「独蛾」が出たときの衝撃と、それ以降のLOムーブメントというのは未だに忘れえぬ記憶で残っています。

そんな感じで何年かずっと成年の動きを見ていて気がついたことで

・コアマガ系に陰りが見え、GOT系の台頭

ベスト20位内に入っている作品を出している出版社で最も多いのはもちろんワニマガジン社。10位以内で8作、20位以内だと12作もありで、相変わらずのヒットメーカー。確かにいいジャケだと思って手に取るとワニマガの本、っていうのは誰しも経験あるはずです。
逆にかつてはワニマガに次いでたくさんのヒットをだしていたコアマガジン社ですが、まんだらけでいちばん売れているのが08年の「ツンデロ」(武田弘光)、次が「PINKERTON」(モノリノ)で、16年発行の本は30位以内で1冊しかランクインしませんでした。これはコアマガがたとえばコミックメガストアなど、ここ数年で雑誌を統合していったこともあるかと思います。
ではかわりにその座を追っているのだと、GOTです。DMM系列というGOTですが、かつてはマイナーで作品数も少なかったものの、今年は20位内に5作もランクインしています。たしかに同社の雑誌「アンスリウム」はよく見かけるようになりましたしね。


・16年作でLO作品にランクインがひとつだけ

前述の月吉ヒロキさんの作品のみがランクインし、あとは「ろりとぼくらの。」が12年、29位に「もっかいするの?」(きんく)がランクインしましたがこれは15年発行。
成年コミックスは通販での売上がそれなりに大きいらしいのですが、多くの通販サイトがロリ系の販売を見合わせたりで市中流通在庫が落ちているのではないかと考えられます。まんだらけは中古販売なので、買取でモノが入ってこないと販売に至らないわけで、もっと入荷があればランクインした作品も多かったのではないでしょうか。

・「non virgin」が売れすぎ

同じように新刊書店などで人気の本で「non Virgin」(non)は入荷・即販売みたいに売れすぎていて在庫が足りていません(現在600円買取中です!)。在庫があれば間違いなくランクインしたでしょうから、このあたり中古流通である部分が新刊書店のランキングと異なる大きな要因になってたりします。
売れている本というのは原則的に手放す人も多いので、基本入荷も多くなるものなのです。ただnon氏に限っては、発売から1年経とうとも圧倒的に在庫不足なのが凄いですね。絵も印刷も版型も良かったので、手放せない気持ちも分かりますし・・・。

というわけで16年度の成年売れ行きでしたが、最後に「中野店の」ランキングは1位が鳴子ハナハルの「少女マテリアル」でした。発行から年数が経っただけあり値段がこなれてきているというのもありますが、新陳代謝が激しいこの世界で8年間売れ続けているというのは奇跡的だと思いますね。


(担当/岩井)

  1. 2017/04/19(水) 10:49:51|
  2. 古本ネタ

犬だって、馬に乗ることもある。





本日のご紹介は、競馬漫画じゃないです。すみません!
でも馬が出てくるということでジャケットで選んでしまったこの作品。


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1巻の表紙は普通にかっこいいのですが


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!?
犬が馬に乗っている。目を疑いました。

ただこれは、高橋よしひろさんの作品。
もはや犬は、人。

コチラの作品の部台は戦国時代。


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人間を超える犬って・・・もう犬畜生とは呼ばせない、眼光の強さがまぶしいです。


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しかし主人公雅武、めちゃかっこいいです。
かっこいいし、本編でも馬に乗っちゃうんです。ただし一度きり。


牙忍は念力も使えます。強すぎます。


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この念力の使いかも斬新ですが、正しい、というか、これで勝負付いてしまうのでは・・・。
このときは、一命を取り留めますが、なかなかのピンチでした。

ストーリーは王道で、読みやすく、もちろん過去のライバルも登場!!
べるもんど。名前がめっちゃキラキラネームです。


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あの念力の使い手はこいつであった。が!


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そんなのが効く雅武じゃない!もうなんなんだイケメンすぎる!!
そして80年代ジャンプ特有の

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瞬殺&グロ描写!!まってました!


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からの驚異的な生命力!が!!


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イケメン・・・ただの暴力じゃあないんですね。

1巻だけでこの見所、というかもっと見て頂きたいシーンやセリフもあるのですが!
古い作品ならでは、高橋よしひろ作品ならではのよさがぎっしり詰まって全2巻!
全2巻・・・?
個人的には、敵や味方が死にすぎたのが原因では・・・?などと想像がめぐってしまいます。
ショッキングな展開もあり、いっぺん読んで見て頂きたい、な作品です。

(グランドカオス 高井)



SAHRAでの通販はコチラ
高橋よしひろ

甲冑の戦士雅武

  1. 2017/04/18(火) 11:00:08|
  2. グランドカオス高井

命懸けの「僕っ娘」!POPで硬派な時代劇




お久しぶりです、お花見は会社の休憩中に無理矢理行ったのでなんら後悔していない中野店白石です。
今日は、街の書店にこの本が置いてあると私のその本屋への評価が急上昇し、「アイツはいいヤツだ」みたいに口走りそうになるこちらの作品をご紹介。

嘘つきは殿様のはじまり/福井あしび/小学館/全5巻 
小学館公式 
まんだらけ通販 

a白石4月12日(1)

ゲッサンに連載されていた作品で、つい先日4月12日に最終巻が出たばかり!このブログの締切も同日だったのですがギリギリまで待ってもらいました…。

まず、表紙にある通りのかわいい人懐っこい絵柄で


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生首。
そして、一昔前のコロコロとかスクエニっぽさのある雰囲気かと思いきや


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この気迫。
それから、「まんがで学べる~」的な児童向け学習図書のような健全さで


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たまーにエロい。

それではあらすじ。
下町の長屋に暮らす幼馴染みの二人、チビで臆病者だけど優しい小太郎と、病の母のため懸命に働くおしんが主人公。子供ながらに「将来は夫婦に」なんて約束を交わします。


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それが第一・二話で青天の霹靂、おしんが地元の大名・高条家の隠し子であったことから、突然跡取りとしてしょっぴかれます。おしんを連れて逃げようとした小太郎は一瞬気概を見せるもあっさり切りさばかれる始末。この高条家、正嗣断絶(せいしだんぜつ・跡取りがおらず潰れてしまう事)の瀬戸際で、女の子のおしんを無理矢理「高条氏直(たかじょう・うじなお)」という男の子の大名にし、殿様の座に据えようとするわけです。
まさに「大人の事情」に巻き込まれた二人。母の薬代のために性別を偽って当主を名乗ろうと決めたおしんは、小太郎だけでも逃がすために屋敷へ火を放ちます。
そして序盤の見せ場であるこのシーン。


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ここでもう、作品としての掴みは完璧。
その後逃げたはずの小太郎が、おしん改め「高条氏直」を護るために小姓として城に舞い戻るところで第二話は終わり。ストーリーは主にこの氏直の嘘を守る小太郎の目線から、取り潰し寸前の大名家が政治戦略や陰謀、そして戦に翻弄されていく様を描きます。
でこの二人、特に小太郎がまーあよく泣くんですよ。


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怒ってても弱ってても嬉しくても涙。すぐ泣く。号泣。飄々とした屋敷の人々の中で、序盤のこの「弱さ」は一種の人間性のようにも感じられます。
そんな中で暗殺、裏切り、人斬り、殴る蹴るとヘビーな展開の続くこと続くこと。
なのにすごいなーと思ったのが、人死にも血しぶきもインフレしがちな舞台において、人物たちが振る刀、負う怪我、討ち取られる者それぞれに意味があるってことです。そしてそれは物理的にも精神的にも不可逆の傷になって、人の性格をも変えうるものとして描かれます。
特に印象的だったのは、小太郎が剣術指南を受けた神後師範が謀反人と分かり、その首を切る場面。


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これ以降、小太郎の物腰や言葉遣いはがらっと武士らしくなっていくのです。
生首を見てパニックを起こす、斬り合いの恐怖に腰を抜かすという「普通の人としては当然」の領域から、少しずつ武士の世界に適応していきます。
刀の軌道、影、飛沫やなんかにすごく力が入っているのは、作者が以前ボクシング漫画(「マコトの王者」)を描いていた影響かもしれません。

あとはこの人、九島綱成(くしま・つななり)。


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高条家に仕える腕の立つ小姓頭で、小太郎の先輩的な立ち位置からだんだんと肩を並べていく人物。とにかく厳しくてべらぼうに強い。中盤の大怪我で隻腕になるも、その後の戦い方はより鬼気じみてきます。武士Lv.1から始まる小太郎との対比もあるんでしょう、最初から最後までめちゃくちゃ強くて全くぶれない人物。


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ここはダントツでかっこいい。
そして個人的には、隻腕の描写を「腕を切り飛ばして失わせる」安直さを選ばず「動かない片腕を吊っている」姿にしたというのが、なんだか好印象だったんです。身体的な変化をアイコンにせず、あくまで人を描く漫画なんだなあと。一番の見せ場は最終戦の奇襲で、これまたすごくカッコイイので載せませーん!もったいないから!つか見開きで派手に立ち回る数でいえば、小太郎より圧倒的に多いんですよねこの人。一人ドリフターズ(平野耕太)みたいなシーンがしばしば登場します。そんな人とだんだん対等に渡り合えるようになり、背中を預ける小太郎もまたかっこいい。
…とまぁエンタメ的な演出は随所にあるものの、この作品における江戸時代は決してファンタジーではなくて、今と同じように人と人が作り営んでいたものという事実がじんわり伝わります。
物語は大阪冬の陣を中心にして構成されており、その前後に高条家にまつわる騒動や戦が描かれます。時間の経過はあまりハッキリとは描かれないんですが、当の小太郎とおしんは少ーしずつ成長していくんですよ。最初の1巻と5巻の表紙を見比べれば一目瞭然。


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2話。

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最終話。

最初の頃と比べるとホラ、顔つきが全然違う。途中からほんのり身長差が出てくるところもいい。読んでいて「あれっ」と気付く程度の穏やかさで変化していて、描写ほんと丁寧だなと思います。ちなみに中盤で「15歳」らしき会話があるので、13~16歳くらいの間のお話なのかなと思われます。

ここまで書いてサムライばっかでそりゃさぞかし男社会でしょうねと思いきや、実は女子も強い。


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冒頭で屋敷に連行される際、斬られた小太郎を抱えて自害を覚悟で啖呵を切るおしん。
そんな男装の大名になった彼女は勿論、弱虫だった小太郎に刀を選ばせたり沈黙を守るために腹を決める小太郎のオカンも強い。


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母、氏直(おしん)、そして後に高条氏直の嫁(!)として一族に加わる清姫(きよひめ)の3人が骨の髄まで武士の嫁・武家の女を貫いていて、とことん胆の据わったおなごであるがゆえ、話が立体的になるんですね。
清姫かわいいよ清姫。猫目おてんば娘まじ最高。


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a白石4月12日(23)

a白石4月12日(24)


ちなみに徳川幕府の傘下にある高条家、その敵役になるのは真田側の軍勢です。
なかでも首謀者の真田大助、ショタのくせにこいつが超ムカつく。


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人騙すわ毒盛るわ銃使うわ爆弾投げるわ何でもアリ。気弱な小太郎や刀一筋の綱成とのコントラストもあり、敵対勢力の勝利への執着を体現している感じ。手段を選ばずとにかく卑怯かつ冷徹な姿勢は、幕府側が手を焼いた類稀なる強さになっています。しっかしコイツは最後までムカついた(褒めてる)。
そんなこんなで続く戦乱の最後、最終巻で小太郎がつく大きな嘘は、なんとも大胆で格好良いもの。一話から着々と描かれてきた「ほんとは女の子の氏直」をこう使ってくるか、と思ってうるっときます。
作者は日本の江戸初期の歴史、政治、勢力図、あらゆる戦乱、それからまず何より「人」やその逸話が好きなんだろうなーと思います。幕間に差し挟まれる教科書的な知識やオタクっぽさも含めて、漫画の舞台そのものへの真摯な愛情みたいなものが作品全体に滲んでいます。
そうやって考えると、主人公の二人がよく泣くのは、単純な弱さの描写ではなく「逃げずに真正面から戦う」姿なのかもなーなんて。思ったり。

ビジュアル面でもかなりキャラが立ってて愛着が湧いたし、設定も話も丁寧だったもんでなー、これで全5巻は惜しいなー。一応しっくりまとまっているので打ち切り感はないんですが、本音を言えばもっとのんびり読んでいたかったなーー。
知識を基にした屋敷での生活描写とか、綱成の弟の弁千代(※かわいい)の話とか、構図的には百合(※大事)になりかねん清姫とおしんの交流とか、作中でもなんだかんだイチャイチャしてる小太郎とおしんのこととか、各キャラの掘り下げでいろいろ気になるエピソードはもっとあったんですよ。商業じゃなくて番外編の同人誌でもいいから読みたいわ……。
史実の端々にのっとってifを作り上げた筋書きで、そこへ妄想やエンタメ性を盛り盛り。
その割に予想以上にしっかり地に足が着いていて、なかなか硬派な時代劇漫画でした。


a白石4月12日(26)

九島弁千代(※かわいい)


***

似た雰囲気の作品といえば
サムライうさぎ/福島鉄平(集英社) 

背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~/横田卓馬(集英社) 


まあどちらもまるっこいベース顔のちっこい仲良し男女二人が荒波に揉まれまくりながら真剣に頑張るって点に、問答無用で「がんばれー!!」と応援したくなるやつですね。
ついでに泣きながら戦うといえば

きみのカケラ/高橋しん(小学館) 

「笑えなくて泣くことしかできない」主人公イコロもちょうどこんな感じ、常に涙目で生き抜くキャラでした。


ちなみにこの作品の大元のモデルになったと思しき実在の当主・井伊直虎(いいなおとら)は、いま柴咲コウ主演で大河ドラマやってるアレですね。
みんなみんな、こっちの漫画の殿様女子(?)もカワイイよ!!

担当:白石
  1. 2017/04/17(月) 10:27:35|
  2. 中野店白石

鈴木みそ「銭」





今回おすすめするマンガは鈴木みそ「銭」
タイトル通り世の中のお金のまわり方・お金が生まれる瞬間を描いたマンガです。

と、ただのエッセイ風の漫画かと思いきや
しょっぱなから主人公が車に轢かれ生死をさまようことに。


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幽体離脱のままフワフワ浮いている主人公にジェニーと名乗る女性が現れ


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チョキンと言うえらく雑なあだ名をつけられます。
その後2人は幽体のまま、世の中のお金を観察していくことに。

一応幽霊なので、こんなホラーなシーンもチラッと。


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ただお金の儲け方の話だけではなく、その後の税金対策など普段知る事のない話題が多く勉強になります。
そして毎回登場する人物ひとりひとりちゃんと人間ドラマがあり、
伏線もきっちり回収と…読み応えがたっぷりです。


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同人誌の値段やアニメの値段、フランチャイズのコンビニ店・ゲーセンなど…
暗く闇の部分をどう切り開いて、そこからどう光を見つけて照らしていくか
そしてそこで最終的に手元に残る実体・達成感が「銭」

世の中愛もめちゃくちゃ大事ですが、やはり現実と向き合ってある程度充実した暮らしをするならば
「銭」とは切っても切れない大切な関係にあるんだな、としみじみ思います。

なんといっても「銭」!!!

なんだかネガティブになりそうですが、そこは業とともに生きる唯一の哺乳類
前向きに二人三脚で歩いていこうじゃないか!

で、銭のラストなんですが
そういえばチョキンは生死の境目を彷徨い中…
助かったのか!?学ぶだけ学んで死んだのか!?

衝撃のラストが待ち構えています。
かなり賛否両論あるこちらのラストも必見です。
ちなみに私はポカンと開いた口が塞がりませんでした。

気になる方は読んでみて下さい!
内容は濃いのに全7巻と読みやすくお値段もお手頃です。


(中野店/伊東)



通販はコチラから↓

https://order.mandarake.co.jp/order/detailPage/item?itemCode=1047482227&ref=list
  1. 2017/04/16(日) 10:37:42|
  2. スタッフおすすめコミック

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